ラベル My favorite books の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示
ラベル My favorite books の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示

2025年3月22日土曜日

「THE FIBERGLASS FLY RODS」

 

 つり人社から待望のグラスフライロッドに関するムック本、「THE FIBERGLASS FLY RODS」が発売になりました。


 この本の中では新興ビルダーではありますが、Yoshiharu Rodsも掲載いただいています。

 オールカラー、164ページのボリュームで、想像していたよりも遥かに充実した内容です。
 メーカーとしては、古くはFenwick、Winstonから新しいところではEpicやECHOまで、OrvisやScottなどの大手メーカーからMario Wojnicki、C. Barclayなどの個人ビルダーまで、海外のメーカー、個人ビルダーだけでなく、Tiemco、Campanella、FAGUS等の日本のメーカー、Kabuto Rods、Ijuin-rodなどの日本の個人ビルダーまで、幅広く取り上げられています。
 Russ Peak、Dennis Frankeに関する記事やTom Morganが執筆した記事、Larry Kenneyへのインタビュー記事も掲載されています。

 過去のFly FisherやTight Loopに掲載された記事もありますが、取材、インタビュー、写真撮影、記事の執筆とこれだけの内容を1冊の本にまとめ上げるには、Fly Fisherの滝編集長、東知憲さんをはじめスタッフの方々の大変なご苦労があったものと思います。それだけ価値のある内容になっていると思います。

 ただ、海外、国内にはこの本で取り上げられていないメーカーや、私などより古くからグラスロッドを作られており、遥かに有名なビルダーの方も沢山おられますので、これだけ多くのメーカー、ビルダーが取り上げられていても、この本がグラスロッドの全てを網羅していると言えないのも事実です。
 とは言え限られた時間と予算の中では致し方ないことですし、そのような本を作ろうと思うと、この本の何倍ものページ数が必要になるでしょう。

 グラスロッドマニアの方、興味のある方はもちろん、バンブーロッドのファンの方やグラファイトロッドを使っておられる方が読んでも、大変面白い本だと思いますので、是非お買い求めください。

2024年4月27日土曜日

「Tight Loop 2000 vol.8」


 今回は久しぶりにお気に入りの本の紹介です。別冊つり人VOL.141として2000年に発刊された「Tight Loop」のvol.8です。

 この号は表紙からも分かるようにバンブーロッドの特集号で、その中でもペア・ブランディン、マリオ・ウジニッキ、グレン・ブラケットの3人を取材した「禅とフライロッドメイキングの技術」という記事が目玉になっています。それぞれの工房を訪問してインタビューした内容が豊富なカラー写真とともに実に39ページにわたって掲載されています。

 ペア・ブランディンとマリオ・ウジニッキはこの雑誌が発売された前の年に発行された「アメリカの竹竿職人たち」で日本でもその存在を知られるようになりましたが、つり人社という大手出版社から発刊されたこの雑誌で取り上げられることにより、より広くその知られるようになったのではないかと思います。
 グラン・ブラケットは未だウィンストンに所属していた時代の記事です。

 「Tight Loop」は東知憲さんが編集企画を行っていただけあって、海外取材の記事や海外の執筆者の記事も多く、毎号の特集記事もなかなかマニアックでかなり意欲的な雑誌でしたが、残念ながら数年で廃刊になってしまいました。その中でもこの号は特に内容が充実しており面白かった号だと思います。

2023年9月9日土曜日

「Fly Fisher SEP. 2007 No.164」

 

 今回のお気に入りの本の紹介は書籍ではなく雑誌です。みなさんお馴染みの「FlyFisher」の2007年9月号です。

 この号は「釣れるニンフィング再検証」と題したニンフの特集が組まれた号なのですが、なぜこの号がお気に入りかというと、「Shimazaki Bucchake Nymph Series」と題された島崎憲司郎さんの解説記事が掲載されているからです。
 記事中では「PSN(ピカイチ・シンプル・ニンフ)」、「アグリーニンフ」、「ヘア・ラーバ」の3つのフライパターンのタイイング手順が8パージにわたり写真付きで解説されています。またヘアズイヤーの部位毎の使い分けについても紹介されています。
 「PSN」や「アグリーニンフ」はこの雑誌が発刊される以前に「フライの雑誌」や「水生昆虫アルバム」で紹介されていましたが、タイイングの方法が写真入りで公開されたのはこの雑誌が初めてだったと思います。

 私もこの雑誌を参考にこの3パターンのフライを巻き、その中でも特に「PSN」は以前のブログでも紹介したように大変良く釣れるので、私のお気に入りのニンフフライパターンとして良く使用しました。

 「FlyFisher」は現在は面白そうな特集の号しか購入していませんが、当時は毎号購入していました。今でもバックナンバーが沢山家に残してあるのですが、この号は私にとっては永久保存版です。

2023年9月2日土曜日

川野信之「ドクター・カワノのある毛針釣り師の足跡」


 前回のお気に入りの本の紹介に引き続き川野先生の著作を紹介します。「ドクター・カワノのある毛針釣り師の足跡」です。

 この本は川野先生がフライの雑誌やフライロッダーズ、ブログなどに執筆された釣行記を中心とする文章に自身の釣りスタイルについての書き下ろしを加えたものです。オールカラーで写真も多く掲載されており、465ページもある大変読み応えのある本です。

 川野先生の文章は読みやすく読んで楽しいのですが、私はこの本の中でも「ある男との釣り」という釣行記が最初にフライの雑誌で読んだ時から非常に心に響くものがあり、大好きです。

 川野先生はこの本を出版された数年後に亡くなられたので、この本が遺作ということになるのですが、釣り人として自身の釣り人生をこのような形で1冊にまとめられたことは釣り人冥利に尽きると思いますし、大変羨ましく感じます。

2023年8月19日土曜日

川野信之「フライフィッシング用語辞典」


 久しぶりにお気に入りの本の紹介です。今回は川野信之先生の「フライフィッシング用語辞典」です。

 この本の著者の川野先生は既にお亡くなりになられたのですが、脳神経外科の先生でした。川野先生とはメールのやり取りだけで直接お会いしたことがないのですが、私のフライフィッシングの師匠である故菊地悦夫さんと親しく、菊地さんからお話をよく伺っていましたので、生前から川野先生と呼ばせていただいていました。

 この本は文字通りフライフィッシン用語の辞典で、実に3,275語もの見出し語に対して解説されています。681パージに及ぶ立派な辞典です。
 これだけの本を書き上げるには大変なご苦労があったようで、お忙しいお仕事の合間を縫って執筆され完成までに実に十数年かかったそうです。

 フライフィッシングの入門書などには、巻末に用語説明が掲載されていたりしますが、これだけ沢山の用語を収録したものはありませんでしたし、フライフィッシング用語の辞書としてはおそらく世界で唯一の本ではないかと思います。
 フライフィッシング歴がある程度になると、大抵の専門用語は自然に理解できるようになるので、あえてこの本が必要になることはないですが、普段目や耳にすることが滅多にないような単語も収録されていますので、辞書として使う以外にも最初から順番に読書しても楽しめると思います。

2023年3月25日土曜日

Graydon R. Hilyard 'BOGDAN'

 

 前回はvom Hofeについて書かれた本を紹介しましたが、今回はBogdanです。

 Edward vom Hofe社が1950年にその歴史に幕を下ろした後、ちょうど入れ替わるように登場したのがBogdanです。ともに両軸受けタイプのフライリールですが、vom Hofeがハードラバーのプレートにニッケルシルバーのバンドを溶接したリム、ニッケルシルバーのピラーという構成に対し、Bogdanではアルミ合金の削り出しの一体型のフレームに、アルミのプレートをネジ止めするという構成となっており、大幅に軽量化が図られています。

 この本は単にBogdanのリールについて書かれた本ではなく、イギリスから移民としてアメリカに渡ったBogdan家のルーツから始まり、Stan Bogdanがどのようにして歴史的な名機となるサーモン・スチールヘッドリール、トラウトリールを生み出していったか、Stan Bogdanの交友関係などBogdanの全てが掲載されています。
 貴重なサーモンリールの全てのプロトタイプの写真や、Stan BogdanがOrvisのために製作したCFOのプロトタイプの写真も掲載されています。

 この本はフライフィッシング関連の書籍の発行で有名なFrank Amatoから2006年に出版されたものですが、Bogdanだけでこれだけ立派な1冊の本を出版できるアメリカのフライ・フィッシングの文化はやはり凄いと感心させられます。

2023年3月19日日曜日

Ted Bingham 'THE CELEBRATED REELS OF Edward vom Hofe'

 

 今回はTed Bingham著の「THE CELEBRATED REELS OF Edward vom Hofe」を紹介します。

 この本は文字通りEdward vom Hofe社のリールについて書かれた本で、2007年に発行されました。私の所有しているものは231部のみ限定出版されたハードカバーのものですが、ネットで調べたところソフトカバー版も出版されていたようです。

 ヴァン・ホフと言えば、両軸受型フライリールの元祖として大変有名ですが、この本ではPEERLESSやPERFECTIONなどのフライリール以外にもバスやソルトウォーター用の両軸受型キャスティングリールも掲載されています。
 また、ヴァン・ホフ一族とEdward vom Hofe社の歴史、ヴァン・ホフリールの機構と機能、リールの材質、特許についても記載されており、これ1冊でEdward vom Hofeの全てが分かる内容となっています。
 ほとんど全てのリールの写真が掲載されているのですが、モノクロ写真なのが唯一残念な点です。

 Edward vom Hofeのリールは大変高価で、そう簡単に入手できるものではありませんので、量軸受型リールのマニアの方やハンドメイドでリールを製作されている方には、大変参考になる本だと思います。

2023年3月11日土曜日

David Stanley 'The Hardy Book of The Reel'

 

 今回もハーディに関する書籍の紹介です。David Stanley著の「The Hardy Book of The Reel」です。

 この本は前回の「Hardy Brothers」に比べるとさすがに掲載されているリールの数は少ないですが、それでも約60のモデルが136ページに渡りオールカラーで紹介されています。
 2010年に発刊された本で、これまでに紹介した本とは異なり、2010年までに発売された新しいリールや復刻版のリールも掲載されています。戦後のライトウェイトシリーズやマーキスなどのお馴染みのリールも載っているので、親しみやすい本です。

 ブログを書くにあたり調べてみたところ、この本は2015年に改訂版が発刊されており、出版元のThe Medlar Press社のウェブサイトから購入できるようです。

2023年3月4日土曜日

John Drewett 'Hardy Brothers THE MASTERS THE MEN AND THEIR REELS 1873-1939'


 前回のお気に入りの本で紹介した「THE DUNKELD COLLECTION」に引き続き、今回もHardyについて書かれた本を紹介します。John Drewett著の「Hardy Brothers THE MASTERS THE MEN AND THEIR REELS 1873-1939」です。

 この本は1998年に発刊されたもので、600ページ近くあるオールカラーの大変立派な本です。
 本のタイトルの通り、ハーディーのリールについてだけでなく、ハーディー一族や初期のHardy brothers社で働いていた技術者や職人についても、一人一人ページを割いて記述されています。

 リールに関しては、パーフェクトより以前に製造していた最初期のリールから、フライリールだけでなく、スピニングリール、マルチプライヤーのベイトキャスティングリール、ソルト・ウォーターのビッグゲーム用リール、トーナメントキャスティング用のリールまで、ありとあらゆるリールが紹介されています。一部現物のないリールは文章だけの紹介となっていますが、おそらくハーディが製造したほとんど全てのリールが網羅されているのではないかと思います。

 前回紹介した「THE DUNKELD COLLECTION」とは異なり、それぞれのモデルについて大変詳しく記述されており、例えばパーフェクトについては、バリエーションも含めて45ページにわたって解説されています。他の本や雑誌では目にしたことがない、パーフェクトのプロトタイプ(表紙のリール)も現物の写真が載っています。

 付録にはハーディのカタログのリストや主なリールが製造されていた期間、それぞれのモデルがサイズ別に何年に何台製造されたかまで載っており、初期のハーディーリールに関する書籍としてはこれ以上詳しいものはないと思います。

 私が発売時に新品で購入した時も高価な本で、今は「THE DUNKELD COLLECTION」以上にプレミア価格となっていますが、戦前のハーディ・リールのファンにとっても必携の本だと思います。
 

2023年2月16日木曜日

JESS MILLER 'THE DUNKELD COLLECTION'

 

 今回のお気に入りの本の紹介は、ジェス・ミラーの「THE DUNKELD COLLECTION」です。

 この本は、アンティークタックルコレクターの筆者が、自身のハーディーリールのコレクションを紹介した本です。私が持っているのは2004年に発刊された改訂版で、初版は1987年に発刊されています。
 リールだけでなく、ルアーも掲載されており、リールが174台、ルアーが94個と圧巻のコレクションです。全てのリールとルアーがカラー写真で掲載されており、カタログという形式なので、それぞれについて仕様が短い文章で記述されており、最後に価格表が掲載されています。

 ハーディーのアンティーク・リールというとやはりパーフェクトですが、この本でもパーフェクトの掲載数が最も多く、1890年代のブラス・パーフェクトから1950年代のアルミ合金製パーフェクトまで71台が掲載されています。
 アンティークのカタログなので、掲載されているリールは最も新しい物でも、1960年代のハイドラです。
 リールはモデル毎にまとめてあり、モデル毎に最初に製造されていた年やスペックなどの解説が掲載されています。

 この本に掲載されているアンティークのハーディのリールはいずれも大変高価ですので、そう簡単に入手できるものではありませんが、写真を眺めているだけでも十分楽しめます。
 この本自体も中古本を手に入れようと思うと高価なのですが、ハーディーのアンティーク・リールファンの方は是非とも入手したい1冊だと思います。

 いよいよ明日2/17から3日間、つるや釣具店のハンドクラフト展が開催されます。Yoshihau Rodsは3日間とも出展しておりますので、お時間のある方は是非お越しください。

2023年1月21日土曜日

阪東幸成「eバイクが欲しい ーなぜeバイクなのか?」

 

 今回もふらい人書房の本を紹介します。今年の9月に発売されたばかりの阪東幸成さんの「eバイクが欲しい」です。

 私は仕事の関係でeバイクを知っていたのですが、日本では未だあまりポピュラーではないので、ご存じない方が多いと思います。eバイクとは電動アシスト付きのマウンテン・バイクで、ヨーロッパでは数年前から爆発的なブームになっており、びっくりするくらい売れています。

 阪東さんが書かれた本なので、eバイクをフライ・フィッシングの道具として使うためのノウハウや、eバイクを使った釣りが紹介されていると思って購入したのですが、タイトルの通りeバイクが欲しくなった阪東さんが、自転車選びに悩みに悩んだ結果、1台のeバイクを購入するまでのエピソードについて主に書かれています。非常に個人的な内容なので、eバイクに興味のない人が読んでも全く面白くないと思いますが、eバイクを既に所有されている人やこれから購入を考えている人には面白く共感できる本だと思います。

 私は来年以降、eバイクを使ったフライ・フィッシングのアクティビティを企画したいと考えているので、是非続編のeバイクを使ったフライ・フィッシング実践編の出版に期待しています。

2023年1月7日土曜日

カーク・ディーター&チャリー・マイヤーズ「THE LITTLE RED BOOK OF FLY FISHING」


 このブログでは既に絶版となった書籍を紹介することが多いのですが、今回は昨年発売された本を紹介したいと思います。カーク・ディーター&チャリー・マイヤーズの「THE LITTLE RED BOOK OF FLY FISHING」です。

 この本はふらい人書房から発行された本で、ふらい人書房の阪東幸成さんが翻訳をされています。
 サブタイトルは「鱒釣り師のための250のヒント」となっており、サブタイトルの通りキャスティングに始まりプレゼンテーション、水を読む、フライ、その他の1つの章に渡り250の様々なヒントが紹介されています。
 初心者向けというよりは中級者向けの内容で、ある程度経験を積んだフライ・フィッシャーマンがレベルアップするためのアドバイスが書かれています。元々アメリカで出版された本を翻訳したものですので、アメリカ人向けにアメリカの河川で鱒を釣るためのヒントが書かれているのですが、その多くは日本の釣り人にとっても役に立つものです。

 写真やイラストが一切無い全て活字の本ですが、非常に分かりやすく楽しく読めるような文章になっており、文字のサイズも大きめなので、オフシーズンの読書にとても良いと思います。
 

2022年12月3日土曜日

備前貢「Happy Tyers」

 

 久しぶりのお気に入りの本の紹介は、備前貢さんの「Happy Tyers」です。

 備前さんはプロのフライ・タイヤーとして有名な方で、雑誌「Fly Fisher」などに大変楽しくてためになる記事を投稿されていますが、単独の著作物としては私の知る限りこの本が唯一だと思います。

 この本は「Fly Fisher」の2007年から2012年の連載記事をメインに、同じく「Fly Fishier」に掲載されたいくつかの記事を加えてまとめたものです。掲載されているフライは、キャッツキル・スタイルのドライ・フライからサーモン・フライ、ソルト・ウォーター・フライにバス・バグと大変広範囲で、内容もタイイングの手順、マテリアル、掲載されたフライを使った釣りなど、盛り沢山です。
 備前さんは大変研究熱心な方で、そのフライの成り立ちや生まれた背景などを書籍でよく勉強されており、この本にもそのあたりのことが書かれていて勉強になるのですが、それだけでなく、タイイングやマテリアルの使い方に独自の工夫をされており、大変参考になります。
 この本を読むと、ご本人がフライ・タイイングを心底楽しまれている様子が伝わってくるので、タイトルの「Happy Tyers」というのはご本人のことを指しているのだと思いますが、備前さんの文章は大変楽しく、読んでいるこちらもHappyな気持ちになります。

 この本は2012年に発行されましたが、残念ながら絶版となっているようです。オール・カラーで文字もびっしりの読み応えのある大変面白い本なので、フライ・ショップや中古で見かけられたら、是非購入することをお勧めします。
 備前さんは昔「Fly Rodders」にもフライに関する連載を書かれていて、こちらも大変参考になる記事でしたので、是非単行本にまとめて欲しかったのですが、「Fly Rodders」自体が休刊になっているので難しそうです。

2022年9月10日土曜日

Rene Harrop 'Learning from the Water'

 

 前回に引き続き、今回もレネ・ハロップの著書「Learning from the Water」を紹介します。

 この本は2010年にアメリカで発刊され、日本では前回紹介した「TROUT HUNTER」と同じく東知憲さんの日本語訳でマーヴェリックから2013年に発売されました。
 「TROUT HUNTER」は水生昆虫のハッチとフライに焦点が当てられており、釣り場での体験を描いた読み物的な内容ですが、この書籍ではプレゼンテーションやリーダーシステム、鱒を掛けてからランディングまでのやり取りなどについても述べられており、より技術書的な内容になっています。
 写真の数も大幅に増えており、筆者が描いた水生昆虫や鱒の絵も多く掲載されています。紹介されているフライ・パターンは、「TROUT HUNTER」と重複したものも多いですが、より多くのフライが掲載されています。

 この本は、フライ・ショップを探せば未だ購入できるところがあるようですし、どちらか1冊を選ぶのであれば、こちらの方がお勧めです。

2022年9月3日土曜日

RENE HARROP 'TROUT HUNTER'

 

 今回はレネ・ハロップ著の「TROUT HUNTER」を紹介します。

 著者のレネ・ハロップはアメリカのアイダホ州ヘンリーズフォーク・リバーのアウトフィッターのオーナーでプロのフライ・タイヤーとしても有名です。日本でも大変有名ですので、ご存知の方も多いと思います。彼が経営するアウトフィッターの名前がこの本のタイトルと同じ「TROUT HUNTER」で、彼がプロデュースしているフライタイイング・マテリアルやリーダー、ティペットも同じブランド名となっており、日本でも販売されています。

 この書籍のオリジナルは2004年にアメリカで発行され、日本では2007年に東知憲さんの日本語訳でマーヴェリックから発売されました。ちなみにマーヴェリックはTROUT HUNTERブランドのリーダー、ティペット、マテリアルの輸入代理店です。

 内容はヘンリーズフォークを中心にイエローストーン周辺でのマッチ・ザ・ハッチの釣りについて、筆者の経験を交えて書かれたもので、「Fly Fisherman」などアメリカの雑誌に掲載された文章をまとめたものです。日本の「Tight Loop」や「Fly Rodders」に掲載された文章も収録されています。
 多くのフライとそのマテリアルも紹介されていますので、参考になります。

 日本の落差の渓流とアメリカのヘンリーズフォークを始めとする河川は流れが随分と違いますし、日本の渓流ではアメリカの河川のように大量の水生昆虫が一気にハッチすることもありませんので、この本に書かれている内容がそのまま日本の釣り場で直接参考になることはあまりないと思いますが、マッチ・ザ・ハッチの釣りが好きな方にはこの本で紹介されているフライ・パターンは参考になると思います。日本の雑誌等であまり紹介されていないフライもいくつか載っています。

2022年8月13日土曜日

JIM SCHOLLMAYER 'HATCH GUIDE FOR WESTERN STREAMS'

 

 前回のブログで日本の水生昆虫のフィールド・ガイドブックである刈田敏さんの書籍を紹介しましたが、今回はアメリカのフィールド・ガイドブック、JIM SCHOLLMEYERの「HATCH GUIDE FOR WESTERN STREAMS」を紹介します。

 この書籍はタイトル通りアメリカ西部の河川でハッチする水生昆虫のガイドブックです。収録されている水生昆虫はカゲロウが16種、トビケラが6種、カワゲラが5種、双翅目(ミッジ)が1種です。イエローストーンなどアメリカ中西部の河川でハッチする代表的な水生昆虫はほぼ網羅されていると思います。
 それぞれの水生昆虫についてカゲロウはニンフとダンとスピナー(種類によってはニンフとダン)、カディスとミッジはラーバとピューパとアダルト、カワゲラはニンフとアダルトがカラー写真で紹介されています。カラー写真の下には学名、羽化の時期、生息分布、サイズ、カラー、特徴と釣りに役立つ情報が文章で記述されています。
 構成は見開きで左のページに水生昆虫の写真と説明、右のページにその水生昆虫を模したフライパターン3種類の写真とその下に左ページの説明の続きが記載されています。本の最後に各フライパターンのマテリアルも掲載されています。
 コンパクトな本ですが情報量が多く、非常に役に立つ内容になっています。

 私は2002年の夏にビックホーンリバーに釣りに行く前にこの本を購入し、この本と以前紹介したカール・リチャーズの「CADDIS SUPER HATCHES」を参考に、その時期にハッチするであろう水生昆虫を模したフライを沢山巻いて持参したのですが、ガイドが私が巻いたフライを使わせてくれず、ほとんどガイドが巻いたフライを使用することになりました。

 この本を見ると、アメリカと日本で非常に良く似た水生昆虫が多いことが良く分かりますので、アメリカの水生昆虫のガイドブックですが、日本で釣りをするにあたっても非常に参考になる本です。
 この本も既に廃刊となっているようですが、アメリカのAmazonから中古が購入できるようです。

2022年8月6日土曜日

刈田敏「水生昆虫ファイル」

 


 今回は刈田敏さんの「水生昆虫ファイル」を紹介します。

 刈田敏さんはフライ関係ではつり人社の雑誌「フライフィッシャー」で活躍されている写真家で、この本もつり人社から発行されたものです。
 日本の河川、湖沼に生息する水生昆虫をオールカラーの写真で紹介したもので、カゲロウはニンフ、ダンの雄雌、スピナーの雄雌、トビケラはラーバとアダルト(一部ピューパも)の写真が掲載されています。掲載されている水生昆虫の数は、3冊合わせてカゲロウが63、トビケラが27、カワゲラが22、その他が8ですので、釣り場で目にする水生昆虫のほとんどが網羅されていると思います。
 各水生昆虫の生態や実物大の写真もありますので、釣り場で見かけた水生昆虫の名前を家に帰って来てから調べるのに便利です。また大型のポケットに入るサイズで少々水に濡れても大丈夫な作りになっていますので、釣り場に携帯することも可能です。さすがに3冊携帯するのは嵩張りますが、Iは冬から春にかけて羽化する水生昆虫、IIは春から初夏にかけて羽化する水生昆虫、IIIは初夏から秋にかけて羽化する水生昆虫をメインにIとIIで収録し切れなかったものが収録されていますので、季節毎に1冊携帯すれば良いようになっています。各水生昆虫の紹介には、それぞれFly Fishingメモという釣りの参考になるような記述もあります。

 この本は釣り場で見かけた水生昆虫の同定に使用するのに非常に便利なのですが、水生昆虫の写真が屋内(スタジオ?)で撮影されたものなので、残念ながら実際に釣り場で目にするものとは色調の印象が異なるものもあります。各水生昆虫を模したフライを巻く際のインスピレーションを得るという点では、以前紹介した島崎憲司郎さんの「水生昆虫アルバム」の方が圧倒的に情報の質と量共に優れていると思います。

 この本は残念ながら絶版となっているようで、中古でしか入手することができなくなっていますが、これだけの種類の水生昆虫のカラー写真が掲載された本は他にないと思いますので、水生昆虫に興味のあるフライ・フィッシャーマンには非常に価値のある本だと思います。

2022年7月16日土曜日

島崎憲司郎「水生昆虫アルバム 新装版」

 

 前回のブログで島崎憲司郎さんの「水生昆虫アルバム」を紹介しましが、今回は同じ本の「新装版」を紹介します。

 前回紹介した「水生昆虫アルバム」は初版のハードカバーですが、「新装版」は初版発行の8年後の2005年に発行されたソフトカバーで、現在新品で入手可能なのはこの「新装版」になります。ソフトカバーになってお求めやすい値段になっています。ちなみにハードカバー版は、第2刷まで発行されたようです。

 新装版と初版の中身の違いは、初版発行後に学名が変更された水生昆虫について、注記、新称が加えられているだけなのですが、初版を所蔵している私が敢えて新装版も購入した理由は2つあります。1つは初版はハードカバーのため、物凄く重いことです。初版は購入後何度も読み返しましたが、釣りに行った後やフライを巻いていて気になった時に重い初版を本棚から引っ張り出してページをめくるのは少々面倒です。300ページ近くある本なので、新装版のソフトカバーでもそれなりの重さですが、初版に比べると気軽に読めます。私は新装版入手後は、初版は保存版として押し入れに保管して、新装版を本棚に並べています。

 もう1つの理由は、新装版に別刷りの付録として付いている「シマザキワールド11」です。「シマザキワールド」はフライの雑誌に不定期に連載されている読み物ですが、「シマザキワールド11」はこの本を購入しないと読むことができません。
 「シマザキワールド11」はA2サイズ(たぶん)の両面印刷で、「シマケンコイル」や「「シマケンノット」といった、島崎さんオリジナルのアイデアが紹介されています。表面が島崎さん本人による文章による解説、裏面が島崎さんの手書きのイラストによる解説となっています。A2サイズの両面印刷といっても、その中身は物凄く濃く、この付録だけでこの本を購入するだけの価値があると思います。
 私は渓流でニンフの釣りをしないので、シマケンコイルは管理釣り場でしか試したことがないのですが、非常に独創的で理に適った実用的なアイデアです。

 水生昆虫の知識がなくてもフライフィッシングは十分楽しめるのですが、知識があればより広く、深くこの釣りを楽しむことができます。この本に書かれている内容は実際に自分で体験して初めてその意味が理解できる類いのものですので、経験を積めば積むほどその価値が理解できると思います。また、水生昆虫の図鑑としてもこれまでになかったライブ感覚溢れる素晴らしい内容になっていますので、初心者の方からベテランの方まで値段以上の価値のある大変お買い得な本だと思います。

2022年7月9日土曜日

島崎憲司郎「水生昆虫アルバム」


 今回のお気に入りの本の紹介は、島崎憲司郎さんの「水生昆虫アルバム」です。

 島崎憲司郎さんと言えば、TMCフックのデザイナーとして、マシュマロ・パターンをはじめとする革新的なオリジナルフライの考案者として、ドライシェイクやフライウィング、ホットワックスといったフライ用品、タイイングマテリアルの考案者として、フライ・フィッシングを趣味としている方なら誰もがご存知のフライ・フィッシャーマンで、フライの雑誌やフライの雑誌社から発行された単行本などに多くの優れた文章を寄稿されていますが、意外なことにこの「水生昆虫アルバム」が今のところ唯一の著書です。

 この本の初版が発行されたのは1997年ですが、フライの雑誌にこの本の出版が発表されてから実際に発行されるまで随分と時間がかかり、私も当時未だか未だかと心待ちにしていたのを覚えています。そして遂に発売されたこの本は、予想を大きく超えるボリュームといくつかの新たな概念を提示する画期的なものでした。

 この本はフライの雑誌に連載されていた「水星昆虫アルバム」をまとめたものですが、単行本としてまとめるのにあたり、第一部(Part 1)が新たに書き下ろされており、(1)イマージング・ガスに基づくイマージャーの分類、(2)羽化の形態によって分類したハッチ・コード、(3)水面と昆虫の絡み方によって分類したBFコード(Basic Floatation Code)という、フライ・フィッシャーマンの視点でフライをデザインする際に極めて重要な3つの分類が示されています。

 第二部(Part 2)は、フライの雑誌に連載されていた「水生昆虫アルバム」を加筆してまとめたもので、日本の渓流や湖でポピュラーな23の水生昆虫が、多くのカラー写真とともに紹介、解説されています。その写真は昆虫の単なる生体写真ではなく、一体どうやって撮影したのだと思うようなハッチの瞬間の写真であったり、ライブ感覚に溢れる釣り場での現場写真の数々です。水生昆虫の写真も、それまでの水生昆虫の本によくあったスタジオで撮影したようなものとは異なり、現場で撮影されたものが多く、屋内で撮影されたものでも自然光で見るのに近い色調が再現されているので、我々が実際の釣り場で目にするのに近いリアルな写真となっています。
 また、各水生昆虫の頁は、始めに見開きでハッチの形態をBFコードとともに示したイラスト、ハッチチャート、各ステージ(カゲロウであれば、ニンフ、ダン(雌雄)、スピナー(雌雄))の実物大のイラストと実物大のフックのイラストが掲載されており、この2ページだけでも大変な情報量です。

 日本の渓流で大変ポピュラーで重要な春の代表的な水生昆虫であるオオクママダラカゲロウが掲載されていないのが個人的には唯一残念ですが、世界的に見てもこれまでになかった画期的な内容の本であり、フライ・フィッシャーマンのための水生昆虫の書籍としては、今後これ以上の本は発売されないのではないかと思います。

 島崎さんの書籍としては、第二弾としてフライの雑誌社から「シマザキ・フライズ」が発行予定ですが、これも例によって発行が遅れています。近いうちに発行予定のようですが、間違いなく期待を裏切らない、いや想像を遥かに超えるびっくりするような内容の本になるのではないかと楽しみにしています。

2022年7月2日土曜日

谷田一三、野崎隆夫、田代忠之、田代法之「CADDIS トビケラとフライフィッシング」

 

 今回のお気に入りの本の紹介は、田代兄弟ら共著の「CADDIS トビケラとフライフィッシング」です。

 以前のブログでアメリカで出版されたカディス(トビケラ)の本として、ゲーリー・ラフォンテーンの「Caddisflies」、カール・リチャーズらの「CADDIS SUPER HATCHES」を紹介しましたが、日本で書かれたカディス専門のフライ・フィッシングの書籍としては、今回紹介する田代兄弟らの著作が私が知る限り唯一だと思います。
 共著者の谷田一三氏、野崎孝雄氏は、共に水生昆虫の研究者として著名な方で、水生昆虫好きのフライ・フィッシャーマンには「日本産水生昆虫検索図説」等の専門書の著者としてお馴染みの方も多いと思います。

 この本では釣り場でお馴染みのカディスから、そうでない珍しいものまで、実に50種類のカディスが1種類ずつそれぞれ見開きで紹介されており、左のページにアダルト(側面と腹面)、ピューパ、ラーバのカラー写真、それぞれの特徴、生態と生息場所、分類と分布が、右側のページにアダルト、ピューパ、ラーバそれぞれを模したフライの写真とマテリアルが掲載されています。
 おそらく日本の釣り場で見かけるカディスのほぼ全てが網羅されていると思いますので、この本が1冊あれば釣り場で見かけたカディスがどんな名前でどんな生態なのか調べることができると思います。

 田代兄弟の著作としては、最初に出版された「水生昆虫とフライフィッシング」、「タシロニンフの世界」に次いで3冊目のものになります。「水生昆虫とフライフィッシング」では、カゲロウを中心に水生昆虫のカラー写真(カゲロウではニンフ、ダン、スピナー)とそれを模したフライが掲載されていますが、こちらは残念なことに写真がイマイチで実際に釣り場で目にする水生昆虫の色やイメージと違って見えます。それに対し、この本のカディスの写真は屋内の撮影ですが、比較的色調などイメージに近いものになっています。
 フライの写真は、フライロッドやフライリール、草木、石などと一緒に撮影した凝ったものになっており、この写真を鑑賞するだけでも楽しめると思います。

 フライのマテリアルには、当時この本の発売に合わせてノリエから発売されていた「タシロカディスダブ」というダビング材が使われています。「タシロカディスダブ」はなぜかすぐに発売中止になり、代わりにティムコから「TASHIRO-R.S.C.DUB」というダビング材が発売されていましたが、こちらも随分前に廃番になっています。

 この本は平成3年(1991年)に発行されたのですが、私は当時大学生だったので大学生協で予約して購入したのを覚えています。当時13,000円もしたので学生の私には大変高価な書籍でしたが、ほぼオールカラーで内容的にも十分それだけの価値はあると思います。