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2021年5月15日土曜日

マエカワクラフト(その2)

 

 前回のブログに引き続きマエカワクラフトのランディングネットを紹介します。今回紹介するネットは、グリップ材がカリンの内径35cmのLLサイズです。
 

 前回紹介したトチトラも綺麗な杢目ですが、カリンも負けず劣らず綺麗です。


 上の写真は前回紹介したLサイズとの比較です。一回り大きくなっています。

 このネットはサツキマス用に前川さんに直接オーダーしたもので、サツキマスを釣りあげたら写真をお送りする約束になっているのですが、残念ながらその約束は未だ果たせていません。

2021年5月8日土曜日

マエカワクラフト(その1)

 


 今回はマエカワクラフトのランディング・ネットを紹介します。グリップの材質は現在廃番になっているトチトラ、サイズは内寸30cmのLサイズです。

 このネットは2005年か2006年に購入したもので、以前紹介したシマネッツの煤竹ネットを入手するまでは、ずっとこのネットを使っていましたし、その後も北海道や本流の釣りなど、大型の鱒が釣れる可能性がある釣り場にはこのネットを必ず持参していましたので、随分沢山の鱒を掬いました。


 マエカワクラフトのネットは、フレームが薄く見た目も華奢なのですが、トンキンをフレームに使用しているためか非常に丈夫です。このネットで50cmを超えるような鱒も掬っていますが全く問題なく、余程のことがない限り通常の使い方でトラブルを起こすようなことはないと思います。
 かれこれ30年くらい前から同じデザインですが、非常に洗練された如何にも日本人らしい繊細で美しいネットだと思います。


 マエカワクラフトのランディングネットというと、竹の断面が見えるように積層したグリップが有名で、この構造をネットやリールシートに使用したのは前川さんが最初だと思いますが、私のネットはトチのトラ杢です。
 塗装も丈夫で、15年くらい酷使してきたので至るところ細かい傷だらけですが、大きなダメージはありません。

 このネットは広島の老舗のフライショップ、ささきつりぐ経由で前川さんにオーダーしたもので、無理を言って名前を入れてもらっています。ネットは藪漕ぎで引っ掛けて穴が開いたので、一度修理してもらっています。購入時鮮やかな緑色だったネットもすっかり色あせてしまっていますが、本当に沢山の思い出の詰まったネットです。




2021年5月1日土曜日

Shima Nets(その3)

 

 修理に出していたシマ・ネッツの煤竹+黒柿のネットがお化粧直しされて帰ってきました。


 再塗装くらいかなと想像していたのですが、グリップにあった素材が凹むくらいの大きな打痕も消えて、まるで新品のようになりました。


 それだけではなく、フレームに籐の飾り巻きが施され、全面光沢塗装だったものがフレームの内側がつや消し塗装と、新たな意匠まで加わり、バージョンアップされていました。
 嶌さんからは「新たな出会いに期待してください」とうかがっていたのですが、予想以上の新たな出会いが待っていました。うれしい驚きです。

 このネットは以前のブログで書いたとおり、長年使ってきて沢山の思い出が詰まっているのですが、今回の新たな出会いによって、より一層愛着が増しました。
 これまで以上に大切にしたいと思います。

2021年3月27日土曜日

Shima Nets(その2)

 

 前回に引き続き、今回もシマ・ネッツのネットについて書きます。前回のブログで少し触れた、私にとって最初のシマ・ネッツである煤竹+黒柿のネットです。

 このネットは2010年に嶌さんにオーダーして作っていただいたものですが、フレームに使用する煤竹が非常に炭化の進んだものであったため加工時に割れやすく、何度も作り直しを行っていただいた曰く付きのネットです。
 そのため完成までに半年ほどかかりましたが、届いたネットは期待以上に素晴らしいものでした。


 フレームの素材は煤竹、グリップの素材は黒柿で、ともに日本で古くから珍重されてきた素材です。オーダーの際に茶道具のイメージでデザインをお願いしたのですが、正にわびさびを感じさせる仕上がりです。グリップにはフレームの先端から30.3cm(尺)の位置にニッケルシルバー製のドットが入っています。嶌さん曰く「茶室に夜空に浮かぶ銀月」のイメージです。ネットの素材も無理を言ってシルクにしてもらっています。

 このネットが出来上がってから10年間、大物狙いの釣り以外は常にこのネットを使ってきましたので、転んだりぶつけたりで擦り傷や打痕だらけです。その分愛着も一層深まり、お気に入りのネットになっています。
 使い込んだ分、より渋い風合いとなり、これはこれで良いのですが、新しいネットを入手したので、煤竹ネットには少し休んでもらい、嶌さんにレストアをお願いしている最中です。
 どんな新たな出会いが待っているのか、非常に楽しみです。


2021年3月20日土曜日

Shima Nets(その1)

 

 新しいランディング・ネットを購入したので、お気に入りの本の紹介を中断して紹介したいと思います。シマネッツさんのfcmちりめん梅です。

 シマネッツのネットを購入するのは2本目で、1本目はフレームに煤竹、グリップに黒柿を使ったオーダー品でした。このfcmは、いくつかあるシマ・ネッツを代表するモデルの1つで、フレームに竹尺を使っているのが特徴です。


 名前にある「ちりめん」は、シマネッツのもう1つのオリジナルデザインで、フレームの内側に文字通り「ちりめん(縮緬)」を貼ったものです。このネットでは梅柄のちりめんが貼ってあるので、「ちりめん梅」です。


 グリップの材質は、嶌さんによると神代楢ではないかとのことです。瘤や縮杢などの派手さはありませんが、とても落ち着いた雰囲気です。


 嶌さんは本業がデザイナー(?)なので、作られるネットも捻りが効いているというか、他のネットにはない独特のセンスを感じます。綺麗な杢目の素材を使って、工芸品的なネットを作られる方は日本に数多くいらっしゃいますが、嶌さんのようにアートと言えるような作品を作ることができる方は、非常に少ないと思います。

2019年7月20日土曜日

SRTEAM DESIGNS THE DEEPWADER VEST


 先月の岩手釣行の際、朝から雨で時間を潰すために立ち寄ったフライショップで、懐かしいストリームデザインズのベストを見つけました。店主曰く、昔仕入れたものの売れ残りとのこと。
 その時はあまり持ち合わせもなかったこともあり、購入しなかったのですが、自宅に戻ってからどうしても気になり、値段も手ごろだったので通販で購入してしまいました。


 ストリーム・デザインズのベストは、私が中学生の頃はティムコが販売していた記憶があるのですが、ネットで調べてみるとその後ウォルトンが販売していたようです。

 私が購入したものは、中国製の後年のモデルなので、アメリカ製の初期のもののようなコレクション的な価値はないのかもしれませんが、綿/ポリエステル混紡の生地とシンプルなデザインはなかなか味があります。


 ストリーム・デザインズのベストは、年代によって多くのモデルが存在したようですが、私が購入したモデルはディープウェーダー・ベストというショート丈のモデルです。

 私は普段フライボックスを2個しか持っていきませんし、あまり多くのものを持ち歩かないので、表面はこれくらいシンプルなもので十分なのですが、裏面のポケットはやたらと細かく仕切られており、それぞれが小さいので少し使いにくそうです。
 私は肩が凝りやすいので、使用するうえではそのあたりが最も気になるところです。


2019年5月4日土曜日

TITE LINE DRY-FLY


 今回は私が使用しているフロータントを紹介します。タイトライン社のドライ・フライです。

 このフロータントを使用するまでは、私もご多分に漏れず、ティムコのシマザキ・ドライシェイクを使用していました。しかし、私の釣りの師匠である北海道の菊地さんにこのフロータントを教えてもらってからは、かれこれ20年以上これを使い続けています。

 このフロータントは顆粒状のフロータントで、ドライシェイクと同じくフライを乾燥させるためのシリカゲルと撥水性の成分から構成されているようです。ドライシェイクはシリカゲルとフッ素系と思われる撥水性の粉末が粒子のサイズの違いで明確に判別できますが、ドライ・フライは区別がつきません。

 ドライ・フライも最近はドライシェイクのように、フライをボトルの中に入れて蓋をしめ、ボトルをシェイクして使うタイプの容器でも販売されていますが、私は、もともとの使い方である、手のひらに乗せたフライに粉末をふりかけ、反対の手の指でフライに粉末を揉みこむ使い方をしています。
 処理を終えて手の平に残った粉末は、捨てることになりますが、ごく少量の粉末で十分な撥水性をフライに与えることができます。フロータント処理の度に新しい粉末を使用すること、フロータントを指で揉みこむことに加え、シリカゲルの成分が多いようで、フライを乾燥させる能力もドライ・シェイクに比べて優れています。

 昔、同じようなタイプのフロータントに、シーデル800というものがありましたが、ドライ・フライはシーデル800の会社の社長の息子が作ったと、以前何かで読んだ記憶があります。

 以前菊地さんのお宅で、ドライシェイクを始め様々なフロータントを施したフライをコップの水の中に強制的に沈めるテストを行い、浮力を比較したことがありますが、このドライ・フライがもっとも撥水性が強く、浮力の持続性も優れていました。


 このようにフライを乾かす、浮かせるといった性能面では非常に優秀なフロータントですが、欠点は手にフロータントが着くので、グリップが白く汚れてしまうのと、川の水で洗ったくらいでは手についたフロータントが完全にとれないので、釣りの帰りに車を運転する際に、ハンドルにごくわずかですがフロータントが付着することです。

 使用方法ですが、私はフライを交換したときは、まずペースト状のフロータント(C&Fデザインのパワーフロート)をフライに塗り込んだのちに、ドライ・フライを揉みこんでいます。ペースト状のフロータントは、リーダー、ティペットにも塗っておきます。ペースト状のフロータントを先に塗っておくのは、ドライ・フライが取れてしまった時の保険ようなもので、他のフロータントでも液体フロータントでも良いと思います。
 釣りをしていると、フライの浮力が落ちてきますので、フォルス・キャストで水を切り、残った水分をクロスに吸収させて取り除いたのち、ドライ・フライを揉みこみます。鱒を釣るとフライが完全に濡れてしまいますので、フライの水分除去を念入りに行ってから、ドライ・フライを揉みこみます。


 ドライ・フライは昔は写真のような小さな容器で売られており、この容器はフロータントを少量ずつ取り出せて便利だったのですが、最近は詰め替え用の大きな容器とドライシェイクタイプの2種類が販売されています。私は詰め替え用の大きな容器のものを購入して、昔の容器に詰め替えて使用しています。新たにこのフロータントを試してみたいと思った方は、百均に行けば、旅行用に化粧品やシャンプーなどを小分けで持っていくための、似たような容器を入手することができますので、これに詰め替えて使用することをお勧めします。

 フロータント処理の方法上、局所的にフロータント処理を施すことはできませんが、私はキャッツキル・パターンやエルク・ヘア・カディスなど、水面に高く浮くフライを好んで使用しますので、そのようなフライ・パターンには、非常に効果的なフロータントです。