2022年8月27日土曜日

McFarland Blanks


 Yoshiharu RodsオリジナルスペックのMcFarland Spruce Creek Parabolic 7'2" #4 4pcのブランクのセカンドロットがアメリカより届きました。

 今回はSpruce Creekの7'6" #3 3pcと6'8" #3 3pc(Small Stream Rods)のブランクも1本ずつ取り寄せました。
 7'6" #3はプログレッシブ・アクションのブランクで、アメリカの竿ですが日本の渓流でヤマメやイワナを釣るのに最適なしなやかで繊細なブランクです。この竿は実際にラインを通して振ったことがありますが、非常に素直なアクションでどんな方でもキャスティングの容易な竿です。ステファン・ブラザーズのSグラス程ではありませんが、Eグラスの割には軽く、しなやかなさとシャープさを兼ね備えています。
 6'8" #3の方は、一般にショートロッドはパラボリックもしくはフルフレックスに設計された竿が多いのですが、この竿はファスト・テーパーで全体に強めになってします。未だラインを通して振ったことがないのですが、ブランクの状態だと#4でも使えそうな印象で、どちらかというとヤマメ用というよりは、藪沢でタイトループでピンポイントにフライをプレゼンテーションし、大型の岩魚を岩に潜り込まれないように引きづり出すような釣りに向いているように思います。ショートロッド用に特別なコンパウンド・テーパーのマンドレル・テーパーとプリプレグのカット・パターンで作られており、キャスト・フィールも重視されているそうです。

 今回入荷のブランクは現時点では全てフリー在庫ですので、お好みの仕様でカスタム・ロッド製作が可能です。Spruce Creekの7'6" #3と6'8" #3は、カスタム・ロッド製作のオーダーがなければデモ用もしくは展示販売用にしたいと思います。6'8" #3のブランクは製作依頼いただきましたので、売り切れました。
 ご興味のある方は、yoshiharu.rod@gmail.comまでお問い合わせください。


2022年8月19日金曜日

McFarland Spruce Creek Parabolic 7'2" #4(その9)

 

 Yoshiharu RodsオリジナルスペックのMcFarland Spruce Creek Parabolic 7'2" #4 4pcのファーストロット3本目が完成しました。今回は私が使っているプロトタイプと全く同じスペックでのご注文です。


 グリップはラス・ピークタイプのリールシート一体型のシガーの先端スレッド巻き上げです。リールシートも含めたグリップの全長はコルクリング17個分、約215mm、グリップの最大径はやや太めの24.5mmです。小指と人差し指で握る箇所の径は小さくなっていますので、インデックス・フィンガーでもVグリップでもしっくりくる形状だと思います。
 スレッドはGudebrodのナイロンAスレッド、カラーはNo.200のSunburstです。グリップ上部の飾り巻きとメジャリング・ラップにはBlackを1巻き入れています。


 リールシート金具はRECのギャリソン・タイプのニッケルシルバー製ポケット&リングです。ストリッピング・ガイドはミルドラムのSRMCです。

 McFarlandのブランクを使ったカスタムメイド・ロッドにご興味のある方は、yoshiharu.rod@gmai.comまでお問い合わせください。お好みの仕様で製作いたします。


2022年8月13日土曜日

JIM SCHOLLMAYER 'HATCH GUIDE FOR WESTERN STREAMS'

 

 前回のブログで日本の水生昆虫のフィールド・ガイドブックである刈田敏さんの書籍を紹介しましたが、今回はアメリカのフィールド・ガイドブック、JIM SCHOLLMEYERの「HATCH GUIDE FOR WESTERN STREAMS」を紹介します。

 この書籍はタイトル通りアメリカ西部の河川でハッチする水生昆虫のガイドブックです。収録されている水生昆虫はカゲロウが16種、トビケラが6種、カワゲラが5種、双翅目(ミッジ)が1種です。イエローストーンなどアメリカ中西部の河川でハッチする代表的な水生昆虫はほぼ網羅されていると思います。
 それぞれの水生昆虫についてカゲロウはニンフとダンとスピナー(種類によってはニンフとダン)、カディスとミッジはラーバとピューパとアダルト、カワゲラはニンフとアダルトがカラー写真で紹介されています。カラー写真の下には学名、羽化の時期、生息分布、サイズ、カラー、特徴と釣りに役立つ情報が文章で記述されています。
 構成は見開きで左のページに水生昆虫の写真と説明、右のページにその水生昆虫を模したフライパターン3種類の写真とその下に左ページの説明の続きが記載されています。本の最後に各フライパターンのマテリアルも掲載されています。
 コンパクトな本ですが情報量が多く、非常に役に立つ内容になっています。

 私は2002年の夏にビックホーンリバーに釣りに行く前にこの本を購入し、この本と以前紹介したカール・リチャーズの「CADDIS SUPER HATCHES」を参考に、その時期にハッチするであろう水生昆虫を模したフライを沢山巻いて持参したのですが、ガイドが私が巻いたフライを使わせてくれず、ほとんどガイドが巻いたフライを使用することになりました。

 この本を見ると、アメリカと日本で非常に良く似た水生昆虫が多いことが良く分かりますので、アメリカの水生昆虫のガイドブックですが、日本で釣りをするにあたっても非常に参考になる本です。
 この本も既に廃刊となっているようですが、アメリカのAmazonから中古が購入できるようです。

2022年8月6日土曜日

刈田敏「水生昆虫ファイル」

 


 今回は刈田敏さんの「水生昆虫ファイル」を紹介します。

 刈田敏さんはフライ関係ではつり人社の雑誌「フライフィッシャー」で活躍されている写真家で、この本もつり人社から発行されたものです。
 日本の河川、湖沼に生息する水生昆虫をオールカラーの写真で紹介したもので、カゲロウはニンフ、ダンの雄雌、スピナーの雄雌、トビケラはラーバとアダルト(一部ピューパも)の写真が掲載されています。掲載されている水生昆虫の数は、3冊合わせてカゲロウが63、トビケラが27、カワゲラが22、その他が8ですので、釣り場で目にする水生昆虫のほとんどが網羅されていると思います。
 各水生昆虫の生態や実物大の写真もありますので、釣り場で見かけた水生昆虫の名前を家に帰って来てから調べるのに便利です。また大型のポケットに入るサイズで少々水に濡れても大丈夫な作りになっていますので、釣り場に携帯することも可能です。さすがに3冊携帯するのは嵩張りますが、Iは冬から春にかけて羽化する水生昆虫、IIは春から初夏にかけて羽化する水生昆虫、IIIは初夏から秋にかけて羽化する水生昆虫をメインにIとIIで収録し切れなかったものが収録されていますので、季節毎に1冊携帯すれば良いようになっています。各水生昆虫の紹介には、それぞれFly Fishingメモという釣りの参考になるような記述もあります。

 この本は釣り場で見かけた水生昆虫の同定に使用するのに非常に便利なのですが、水生昆虫の写真が屋内(スタジオ?)で撮影されたものなので、残念ながら実際に釣り場で目にするものとは色調の印象が異なるものもあります。各水生昆虫を模したフライを巻く際のインスピレーションを得るという点では、以前紹介した島崎憲司郎さんの「水生昆虫アルバム」の方が圧倒的に情報の質と量共に優れていると思います。

 この本は残念ながら絶版となっているようで、中古でしか入手することができなくなっていますが、これだけの種類の水生昆虫のカラー写真が掲載された本は他にないと思いますので、水生昆虫に興味のあるフライ・フィッシャーマンには非常に価値のある本だと思います。