2023年1月28日土曜日

McFarland Spruce Creek 7'6" #3 3pc(その1)

 

 McFarland Spruce Creek 7'6"、3番、3ピースのデモロッドを製作しました。


 まずはいつものようにコルクリングをブランクに接着します。今回はリールシートにベリンジャーのウッド・フィラーのキャップ&リングを使用します。
 グリップを削り終えた状態が一番上の写真です。形状は先端の方に膨らみを持たせたシガー・タイプで長さはコルクリング10個分の125mm、最大径22mm、最小径20mmと少し細めに仕上げています。


 今回のラッピングスレッドはグデブロッドの105、Spring greenです。グリップ先端は巻き上げで飾り巻きにブラックのピン・ラインです。


 エポキシを1回かけ終わったのが上の写真です。もう少しグリーンが強く出て欲しかったのですが、非常に淡いグリーンがかったイエローになりました。

2023年1月21日土曜日

阪東幸成「eバイクが欲しい ーなぜeバイクなのか?」

 

 今回もふらい人書房の本を紹介します。今年の9月に発売されたばかりの阪東幸成さんの「eバイクが欲しい」です。

 私は仕事の関係でeバイクを知っていたのですが、日本では未だあまりポピュラーではないので、ご存じない方が多いと思います。eバイクとは電動アシスト付きのマウンテン・バイクで、ヨーロッパでは数年前から爆発的なブームになっており、びっくりするくらい売れています。

 阪東さんが書かれた本なので、eバイクをフライ・フィッシングの道具として使うためのノウハウや、eバイクを使った釣りが紹介されていると思って購入したのですが、タイトルの通りeバイクが欲しくなった阪東さんが、自転車選びに悩みに悩んだ結果、1台のeバイクを購入するまでのエピソードについて主に書かれています。非常に個人的な内容なので、eバイクに興味のない人が読んでも全く面白くないと思いますが、eバイクを既に所有されている人やこれから購入を考えている人には面白く共感できる本だと思います。

 私は来年以降、eバイクを使ったフライ・フィッシングのアクティビティを企画したいと考えているので、是非続編のeバイクを使ったフライ・フィッシング実践編の出版に期待しています。

2023年1月14日土曜日

つるや釣具店 第33回ハンドクラフト展

 

 2月17日から19日に開催されるつるや釣具店の第33回ハンドクラフト展にYoshihau Rodsとして出展します。前回のハンドクラフト展ではIjuin-Rodさんにお納めした竿を2本、Ijuin-Rodさんのブースで展示いただきましたが、Yoshiharu Rodsとしては今回が初参加になります。

 下記の竿を展示予定です。



(2)McFarland Spruce Creek 7'6" #3 3pc(展示品)
 

(3)Steffen Brothers 7'3" #4 3pc(展示品)


(4)Trout Smith 8' #4 4pc(展示販売品)


(5)Ijuin-Rod Yomogi 7' #3 3pc(展示品)


(6)Ijuin-Rod Sakura 7' #3 3pc(展示品)


 関東地区は初出展です。フライ・フィッシングのハンドクラフトの展示会としては、国内で最も歴史があり規模も大きな展示会です。是非お越しください。

2023年1月7日土曜日

カーク・ディーター&チャリー・マイヤーズ「THE LITTLE RED BOOK OF FLY FISHING」


 このブログでは既に絶版となった書籍を紹介することが多いのですが、今回は昨年発売された本を紹介したいと思います。カーク・ディーター&チャリー・マイヤーズの「THE LITTLE RED BOOK OF FLY FISHING」です。

 この本はふらい人書房から発行された本で、ふらい人書房の阪東幸成さんが翻訳をされています。
 サブタイトルは「鱒釣り師のための250のヒント」となっており、サブタイトルの通りキャスティングに始まりプレゼンテーション、水を読む、フライ、その他の1つの章に渡り250の様々なヒントが紹介されています。
 初心者向けというよりは中級者向けの内容で、ある程度経験を積んだフライ・フィッシャーマンがレベルアップするためのアドバイスが書かれています。元々アメリカで出版された本を翻訳したものですので、アメリカ人向けにアメリカの河川で鱒を釣るためのヒントが書かれているのですが、その多くは日本の釣り人にとっても役に立つものです。

 写真やイラストが一切無い全て活字の本ですが、非常に分かりやすく楽しく読めるような文章になっており、文字のサイズも大きめなので、オフシーズンの読書にとても良いと思います。
 

2023年1月2日月曜日

Steffen Brothers(その24)

 

 3年前に製作したSteffen Brothersのグラス・ロッド、7フィート3インチ、3、4番、3ピースが修理のために帰ってきました。
 依頼者の方はこの竿を大変気に入って良く使っていただいていたので、写真のように嬉しくなるくらい良く使い込まれています。


 どこが壊れたかというと、上の写真の通りミドルセクションのブランクが見事に割れています。壊れた様子を見ると、Steffenのグラスロッドは縦繊維のみからなるUDグラスのようで、横方向に補強する繊維がありません。肉厚のグラス・ロッドであれば少々踏んづけてもなかなか潰れることはありませんが、Steffenは肉薄のSグラスのUDグラスなので、足や車で踏むとグシャッと潰れてしまうようです。フライを木にひっかえて竿を煽ったり、木の枝にぶつけたりするくらいなら余程の事がない限り折れることはありませんが、SteffenのSグラスの竿をお持ちの方は踏んづけないようご注意ください。

 こうなってしまうと、壊れたミドル・セクションを新たに製作するしかないので、Shene Grayにお願いして、ブランクを作製してもらいました。ミドルの場合、ティップとバットとのフェルールのすり合わせがありますので、壊れたミドルだけでなくティップとバットもアメリカに送って、それに合わせて作製する必要があります。


 上が壊れたミドル・セクション、下が新たに作り直したミドル・セクションです。


 グリップも大分汚れていましたので、依頼者の方に許可を得て洗いました。あまり頻繁に洗うのは良くないと言われますが、数年に一回の頻度で洗う分には全く問題ないと思います。エポキシコート部も超微粒子コンパウンドで磨いて多少傷が目立たなくなりました。

 依頼者の方には今シーズンも愛用いただけることを願っています。