2019年11月30日土曜日

Hardy L.R.H. Lightweight(その2)Golden Lightweight


 ライトウェイトの2回目は、ゴールデン・ライトウェイトです。

 ゴールデン・ライトウェイトは、以前紹介したゴールデン・フェザーウェイトと同じシリーズで、ダークブランのボディにゴールドのパーツという、豪華仕様になっています。


 リールフット等のパーツにブラスが使用されているので、通常のライトウェイトよりも少し重くなっています。私はこのリールにWF-5Fを巻いてフリースのマハゴニーと組み合わせて使用していました。

 ハーディーのクラシックタイプのリールで5番ライン用リールには、ソブリン・ゴールド5/6/7、マーキス5のような、直径が3インチのもの、パーフェクトの3-1/8インチのものが一般的ですが、ライトウェイトは3-3/16インチと直径が大きめになっています。ライトウェイトはソブリン・ゴールドに比べナロースプールなので、ラインを巻き取る際にラインが偏りにくいという利点があります。
 また、ラインを引き出すに従って、1回転あたりのラインの長さが短く、引き出すのに必要な力が大きくなりますので、鱒がラインを引き出せば引き出すほど、自動的に鱒の走りにブレーキがかかるという効果があります。


 ゴールデン・ライトウェイトシリーズは、オークションでも時々見かけますが、ゴールドをあしらった豪華さと落ち着いた雰囲気が上手くバランスした、なかなか品の良いデザインで、バンブーロッドにも良く似合うリールだと思います。

2019年11月24日日曜日

Hardy L.R.H. Lightweight(その1)


 今回は、ハーディの名品、L.R.Hライトウェイトを紹介します。

 L.R.H.ライトウェイト(以下ライトウェイト)は、ライトウェイト・シリーズの中で小さい方から3番目のサイズで、これまでに紹介したフェザーウェイトとプリンセスの間に位置します。
 ダブルテーパーあるいはウェイトフォワードの5番ライン(フローティング)と鱒釣りに必要な長さのバッキングラインを巻くのにちょうと良い大きさです。
 また、大きさ、重量も、5番ロッドにぴったりです。


 上の写真の右側のライトウェイトは、1994年頃に購入したハウス・オブ・ハーディー時代のもので、ケースは青ジップケースです。左側は中古で購入した、左右巻き手の変更可能なアジャスタブル・チェック、Patent No.刻印入りのラージUシェイプのラインガード、赤白ジップケースの1960年代後半製造と思われるハーディ・ブラザーズ時代のものです。

 L.R.H.ライトウェイト(敢てL.R.H.を付けています。気になる方はライトウェイトの歴史をネットで調べてみてください)は、現行のものまで基本的に同じ形をしているのですが、フェザーウェイトの記事でも書きましたが、製造された年代によってディテールがいくつか異なります。
 この2つのライトウェイトもフェザーウェイトと同様に、ラインガード以外にフットの厚み、スプールの穴の大きさ、ボディの質感が異なります。

 ボディの質感の違いは、写真以上に実物では大きく、ラージUシェイプラインガード時代のものは、さらに古い年代のハーディーのリールに使用されていたブラック・レッドフィニッシュほどではありませんが、見た目に落ち着いた雰囲気というかアンティーク感があります。このあたりがこの時代のフェザーウェイトやライトウェイトが人気がある理由だと思います。


 ライトウェイトは、5番用のリールとして私が最も多用してたリールです。特にハウス・オブ・ハーディー時代のものは、スコットのG905/4との組み合わせで、アイルランド、アメリカへの2回の釣行に使用した思い出深いリールです。

 ライトウェイトのアジャスタブル・チェックの調整幅は狭いのですが、鱒を釣るにはちょうど良い強さです。ビックホーンでは、6Xのティペットに#16のPMDのフライ、サンワンリバーでは、7Xのティペットに#24のミッジフライの組み合わせで、20インチオーバーを含む沢山のニジマスとブラウントラウトを釣りましたが、リールが原因でティペットを切られたり、鱒をバラしたことは1回もありませんでした。

 ライトウェイトよりも高性能なディスクドラグ機構を備えたり、ラージアーバーで巻き取りスピードの速い高性能なリールは世の中に数多く存在し、私もそのようなリールをいくつか所有していますが、鱒釣り用のリールはライトウェイトがあれば十分ではないかと思います。


2019年11月16日土曜日

Russ Peak(その4)Zenith 6'3" 3-4


 新たにラス・ピークの竿を入手しました。グラファイトのゼニス、6フィート3インチ、3、4番です。

 ラス・ピークの竿には、インビクタというグラスのショート・ロッドのモデルがありましたが、グラファイトでこの長さの竿は珍しいと思います。


 ラス・ピークのグラファイトは、全体に張りのあるアクションで、ロッドの指定番手のわりに硬めでなので、この竿も3、4番指定でもかなり硬いのではないかと予想していまいが、意外にも日本の渓流でヤマメやイワナを釣っても十分楽しめる竿になっています。アメリカ東部の小河川でブルック・トラウトを釣るためにオーダーされた竿ではないかと思います。


 グリップは5番や6番の竿と同じ長さの大振りのものが装着されていますが、ティップはラス・ピークの竿にしては繊細です。
 これだけ短い竿をグラファイトで作ると、かなり硬い竿になりやすいので、設計が難しいと思いますが、この竿は全体を細身のテーパーで仕上げることにより、しなやかさを上手く実現しています。


 短い竿なので、7フィート6インチ以上の竿に比べると、ラス・ピークのグラファイトの特徴は分かりにくいように感じますが、軽く竿を振るだけでスラックのないきれいなタイト・ループができる点や、非常にスムースなアクションは、ゼニス・グラファイトの他のモデルと共通です。
 非常に軽快なアクションですが、竿の短さを感じさせることなく、キャスティングできます。


 私のホームグラウンドの渓では、6フィート9インチから7フィートくらいの竿が使いやすく、6フィート3インチとなると少し短いのですが、近距離から中距離までのキャスティング能力は非常に高そうですので、来シーズンの開幕が楽しみです。

2019年11月9日土曜日

Steffen Brothers(その5)


 ご依頼を受けて作製していました、ステファン・ブラザーズのグラス・ロッド、7フィート3インチ、3-4番、3ピースロッドが完成しました(ステファン・ブラザーズの7フィート3インチ、3-4番の詳細はこちら)。


 リールシートは、ご依頼者のご希望によりベリンジャーのニッケルシルバーのアップ・ロックを使用しました。少し重くなりますが、この竿はティップの繊細なプログレッシブ・アクションなので、重心が手元よりになっても問題ないと思います。


 グリップは、先端巻き上げのフィッシュ・テール。巻き上げ部の飾り巻きは、ゴールドのピン・ライン(1本巻き)を3本です。私の作製する竿は、ピン・ライン3本の飾り巻きが基本仕様です。
 ステファン・ブラザーズのグラス・ロッドの、しなやかながらシャープなアクションを活かすため、トップ・ガイドとスネーク・ガイドは、軽量なライト・ワイヤーのものを使用しました。
 スレッドの巻幅も最小限にし、エポキシ・コーティングも強度と美観を保てる範囲で、できるだけ薄く仕上げています。


 ストリッピングガイドは、ミルドラムのカーボロイです。太目のブランクに合わせて、少し大きめの#10サイズを取り付けました。

 今回、ブランクの納入に時間がかかったため、今年の渓流シーズンには残念ながら間に合いませんでしたが、この竿が来シーズンの渓流において、依頼者の方と素敵な渓流魚の出会いに少しでもお役に立てれば、製作者してこれ以上にうれしいことはありません。

<お知らせ>
 ステファン・ブラザーズのグラス・ロッドをカスタム・メイドご希望の方は、yoshiharu.rod@gmail.comまで電子メールでお問い合わせください。


2019年11月2日土曜日

Meetup!! Vol.4(その1)


 12月1日に大阪市水道記念館で開催される、Meetup!! Fly Fishing Fans OSAKA Vol.4に、Yoshiharu Rodsとしてカスタムメイド・グラス、グラファイトロッドを出店します。
 当日は2本のデモロッドと数本のブランクを展示予定です。

 デモロッドの1本は、私が実際に使っているステファン・ブラザーズのグラス・ロッド、7フィート3インチ、3、4番、スリーピースです。


 もう1本は、ダイヤモンドバックのブランクを使った、7フィート6インチ、4、5番、2ピースです。


 ブランクは、以前のブログで紹介した、ダイヤモンドバックとスコットの6フィート6インチ、4番を展示します。

 大阪近郊にお住まいで、ご興味のある方は是非ご来場ください。