2021年9月25日土曜日

Steffen Brothers(その13)7'3" #2/3


 カスタム・メイドご依頼品のステファン・ブラザーズ、7フィート3インチ、2、3番、3ピースを製作しています。ブランクは前回紹介したShane Gray制作の新生ステファン・ブラザーズのものです。


 いつものようにコルク・リングの接着から。コルク・リングはFlorグレードのものを使用しています。リングの数は17個でリールシートも含めたグリップの長さは21cmくらいになります。


 グリップの整形が終わりました。標準仕様のリール・シート一体型のラス・ピークを小振りにしたタイプです。ラス・ピークのグリップは最も太い箇所がもう少しグリップの中央よりなのですが、握りやすさを考慮して少しアレンジしています。


 フットが薄めのハーディー・ブラザーズ自体のマーキス#4を使用されると言うことなので、リールシートの太さはそれに合わせて削っています。マーキス#4を所有していないので、近い大きさのブラザーズ時代のフェザーウェイトを装着すると上の写真のようなイメージです。マーキス#4だと少し小さくなります。

 次はスレッド・ラッピングです。

2021年9月18日土曜日

Steffen Brothers(その12)

 

 Graywolfより待望のステファン・ブラザーズのブランクが届きました。


 まずはGraywolfのShane Grayが製造する新生ステファン・ブラザーズのグラス・ブランクです。今回入荷したのは、7フィート3インチ、2/3番と3/4番、8フィートの3/4番と4/5番の計4本。いずれも3ピースです。これらは全てお客様からの注文品で、嫁ぎ先が既に決まっています。
 Shane GrayはMark Steffenから機材、マンドレル、カッティング・パターン、プリプレグなどを受け継いだだけでなく、Mark Steffenの工房でブランク作製の技術もしっかり習得していますので、見たところ品質はMarkが製造していたものと全く遜色ないようです。

 私はShaneがステファン・ブラザーズを受け継ぐニュースを知って直ぐにオーダーを入れていたこともあり、今回運良くブランクを入手できましたが、Shaneは凄く忙しいそうで、ブランクのオーダーは未だ受け付けていないとのことです。


 次は深いブルーが美しい、ステファン・ブラザーズのデッド・ストックのグラファイト・ブランクです。8フィート、2/3番、3ピースと7フィート3インチ、3/4番、4ピースの2本です。
 8フィート、2/3番は、かなりティップから曲がり始めるバットのしっかりしたシャープなブランクです。7フィート3インチ、3/4番は、4ピースということもあり、プログレッシブながら全体に深めに曲がるパラボリックな特性のブランクです。
 グラファイトですのでグラスに比べれば硬いのですが、IM6程度の弾性率ですので、キャストしやすいと思います。
 こちらは2本ともフリー在庫ですので、ご興味のある方はyoshiharu.rod@gmail.comまでお問い合わせ下さい。お好みの仕様でカスタムメイドいたします。こちらのブランクはセール価格で入手しましたので、比較的安価でカスタム・ロッドをご提供できます。
*8フィート、2/3番、3ピースは売り切れました。
 8フィート、2/3番の2ピースと、7フィート6インチ、3/4番の2ピースも1本ずつ近日入荷予定ですので、入荷しましたらブログでお知らせしたいと思います。


 最後はGraywolfオリジナルのTrout Smith's E glass 8フィート、4番、4ピースです。ブランク製造は、Ben's Fly RodsのBenno Bronです。
 素振りした感じでは、Eグラスながらシャープなプログレッシブ・アクションで、8フィートの長さにも関わらず、持ち重りやボテボテした感触はありません。
 Graywolfのブランクは初めて手にしましたので、このブランクはデモンストレーション用に組み上げたいと思います。出来上がりましたら、インプレッションをこのブログで紹介したいと思います。
 Graywolfのブランクも取り寄せてカスタムメイド・ロッドを作製することが可能ですので、ご興味のある方はyoshiharu.rod@gmail.comまでご連絡ください。Eグラスのシリーズでは、小渓流向きの7フィート3インチ、3番、3ピースと、中規模渓流でニジマスを狙うのに良さそうな8フィート、5番、4ピースもラインナップされています。

2021年9月11日土曜日

McFarland Spruce Creek Parabolic 7'2" #4(その3)


 Mike McFarlandに特注したブランクで作製したSpruce Creek Parabolic、7フィート2インチ、4番、4ピースが完成しました。


 グリップはいつものリールシート一体型のラス・ピークを小振りにしたタイプ、リールシート金具はRECのギャリソン・タイプのニッケルシルバーのポケット&リングです。
 フェルールはスピゴットです。上の写真からも分かるように、パラボリック・アクションですが、ティップは繊細です。

 
 ストリッピング・ガイドは、RECのSRMCの#8です。

 このブランクは、繊細なティップセクション、テーパーの強いセカンド・セクション、極めて緩やかなテーパーのサード・セクション、ほとんどノンテーパーのバット・セクションから構成されています。
 マリオ・ウジニッキの217P4がこの竿と同じ長さ、番手のパラボリック・アクションのグラス・ロッドですが、217P4はこの竿よりもティップがかなり太く、バットセクションはリバースド・テーパーになっています。217P4が典型的なパラボリック・アクション(マリオ曰くTrue Parabolic Action)であるのに対し、この竿はヤングやサマーズの「Modified Parabolic Action」を狙った竿です。

 早速ラインを通して振ってみたところ、素振りやベンディング・カーブから想像するほどバットは深く曲がらず、非常に軽快なキャストができます。近距離から遠投まで、全く意識しなくても綺麗なタイトループが真っ直ぐ伸びていくのが最大の利点で、ライン・スラックやテーリング・ループとは無縁です。
 4番ライン用としてはやや強めの印象ですが、パラボリック・アクションながら非常に軽快ですので、これはこれで良いと感じました。グラスのボテボテした感じは一切ありません。グラファイトしか使ったことがない方でも全く違和感なく振れると思います。

 217P4とも振り比べてみましたが、やはり217P4はもっとバットが良く動きます。217P4もすごく良い竿で私の大好きな竿ですが、おそらく多くの方にはこの竿の方が扱いやすいと思います。ティップが繊細なので、近距離のピンポイント・アキュラシーはこの竿の方が優れていると思います。

 試し釣りは未だですが、試し振りで十分素晴らしい竿であることが確認できましたので、このブランクを使ったカスタム・ロッド・メイキングのオーダーを受け付けたいと思います。グリップ、リール・シート、スレッド・カラーなど、お好みの仕様で作製しますので、ご興味のある方は、yoshiharu.rod@gmail.comまでお気軽にお問い合わせ下さい。



2021年9月4日土曜日

McFarland Spruce Creek Parabolic 7'2" #4(その2)


  以前紹介したMcFarlandの特注ブランク、Spruce Creek Parabolic 7'2" #4を組んでいます。

 まずはコルク・グリップの成形から。いつものラス・ピークを小さめ、細めにした形状です。


 スレッドはグデブロッドの#200、Sunburstです。ナイロン・スレッドはエポキシをコーティングすると透けるので、事前にブランクにラッピングしたスレッドをアルコールで濡らして、透けた時にどんな色になるのか確認します。コーティングするとブランクよりも若干濃いオレンジになります。グリップの先端はスレッドを巻き上げます。バット・エンドの飾り巻きはブラックのピン・ラインを1本入れました。


 1回目のコーティングが終わりました。あと2回、エポキシのコーティングを重ねて完成です。