2019年10月26日土曜日

Steffen Brothers(その4)


 前々回のブログに引き続き、ステファン・ブラザーズのロッド・ビルディングの進捗です。

 スレッド・ラッピングのコーティングには、エポキシを使用します。最近のプロダクション・ロッドは、ぼてっとしたコーティングのものが多いですが、私はできるだけ薄く均一に仕上げたいので、薄めたエポキシを3回重ね塗りします。
 1回目のコーティングでは、スレッドにしっかり染み込ませるために、うすめ液でかなり薄めたものを塗り、しばらく時間を置いた後に余分なエポシキを拭き取ります。1回目のコーティングが終わった状態が、上の写真です。


 1回目のコーティングが硬化した段階で、ブランクにインスクリプションを入れます。
 今回は、依頼者のご指定で「Steffen Bros. & Yoshiharu」としています。ブランクの反対側には、依頼者の名前を記入しています。


 各フェルールには、継ぐ時の目安となるように、ドットを入れます。


 2回目のコーティングを行った後の状態が上の写真です。完全に硬化すると少し痩せてきますので、もう1回コーティングを重ねて完成です。

2019年10月19日土曜日

Hardy The Featherweight(その5)Golden Featherweight


 フェザーウェイトの5回目は、ゴールデン・フェザーウェイトを紹介します。

 このリールは1990年代にライトウェイトシリーズの豪華版としてラインナップされていたもので、ダークブラウンのボディとスプール、ラインガード以外のすべてのパーツがゴールドにメッキされているのが特徴です。ハンドルノブはダークブラウンのプラスティックです。
 このモデルが発売されていた当時、ゴールデン・プリンスというプリンスのゴールドモデルがありましたが、このリールも同じような配色でした。


 このリールは、フットがブラスでできているので、通常のフェザーウェイトよりも重くなっています。私はバンブーロッドと重量バランスをとるために、このリールを使用しており、DT-3Fを巻いてKatana633と組み合わせて使っていました。


 このリールを購入したのは、1990年代の後半で当時はゴールデン・フェザーウェイトと呼ばれていましたが、1990年代の前半はDXフェザーウェイトの名前で販売されていたようです。2000年代にも同じカラーのモデルが販売されていたようですが、リールフットはアルミ製に、ノブはアイボリー調の樹脂に変更されていました。

2019年10月12日土曜日

Steffen Brothers(その3)


 前回のブログに書いたステファン・ブラザーズのブランクを組んでいます。

 グリップは、コルクリングを先に接着しておき、成型してからブランクに接着する方法もありますが、私はリングを1個ずつブランクに接着してから削り出しています。


 依頼者のオーダーはウッド・スペーサーのアップロックのリールシートですので、グリップは先端巻き上げのフィッシュ・テールです。手が小さめの方のようですので、グリップの長さはオービスのスーパーファイングリップよりも少し短い約15cmにしました。


 リールは、ハーディーのフェザーウェイトを使用されるとのことですので、装着するとこのような感じです。


 ラッピング・スレッドは、7色ほど試し巻きした写真を送って選んでいただいた結果、当初のリクエスト通り、カーキ(PRO WRAP、567 Taupe)になりました。
 最初スレッドの色の希望をお聞きした時、レンガ色のブランクにカーキ色は合わないのではと思いましたが、なかなか渋い雰囲気になりました。カラープリザーバー処理はしないので、エポシキをコーティングすると最終的には透けて写真よりも濃い色になります。

2019年10月5日土曜日

Steffen Brothers(その2)


 アリゾナからステファン・ブラザーズのグラス・ブランクが届きました。スペックは、私が使っているものと同じ、7フィート3インチ、3、4番、3ピースです。

 ステファン・ブラザーズのロッドを組んで欲しいとの依頼があり、マーク・ステファンにブランクを注文したのが、今年の5月。当初は7月初旬には完成とのことでしたが、その後、釣りに出かけるから納期が遅れるとの連絡があり、完成は9月下旬でした。
 前回はシーズンオフの10月に注文したので、2カ月もかからずに完成したのですが、シーズン中に注文すると納期が遅れるのは、バンブーロッドビルダーも含めて、万国共通のようです。


 ステファン・ブラザーズのグラス・ブランクですが、やはり今回も素晴らしい出来です。
 グラスやグラファイトのブランクは、多少曲がっているものが多いのですが、ステファンはビシーッと真っすぐです。均等に巻かれたアンサンドのテープ痕も美しく、スピゴット・フェルールの精度も素晴らしいです。


 リールシートは、依頼者から写真付きでウッドスペーサーのアップロックとのご指定でしたので、ベリンジャーを装着します。

<お知らせ>
 ステファン・ブラザーズのグラス・ロッドをカスタム・メイドご希望の方は、yoshiharu.rod@gmail.comまで電子メールでお問い合わせください。グリップの形状、スレッドカラー、リールシート等、お好みの仕様にて作製いたします。