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2025年5月17日土曜日

Brightliver Clevis 150UL-3(その11)

 

 Brightliverの渓流ベイトフィネスグラスロッド、Clevis 150UL-3のカスタムロッドを製作しました。


 お客様のリクエストにより、ラッピングスレッドはダークブラウンです。バットエンドの飾り巻きは、シンプルにメタリックスレッドのシルバーのピンラインを1本。文字入れも飾り巻きの色に合わせてシルバーで記入しました。

 フェルールはBrightliverのシルバー、ガイドは通常よりも少し大きめでトップガイドが5.5からスタートのステンレスフレームです。
 この竿はガイドのサイズ、フレームの材質によってアクションが変わります。ガイドサイズは大きくする方が、フレーム素材はチタンよりもステンレスの方が、ガイドの重量が重くなってティップがより曲がるようになります。Clevis 150UL-3はティップがよく曲がる竿ですが、軽量なルアーを使用される方など、よりティップが曲がる竿をご希望の方は大きめでステンレスフレームのガイドを装着されることをお勧めします。


 Clevis 150UL-3は渓流で多用するフリップキャストがしやすいティップアクションの竿で、グラス素材のしなやかなティップはフッキングしやすく、バレにくいと評判です。また強靭なバットを備えていますので、かなりの大物に対しても余裕を持ってやり取りできます。

 グリップ着脱式の3ピースでザックに収まる仕舞寸法で、かつ少々乱暴に使っても大丈夫なグラス素材ですので、源流派の方にもピッタリです。


 Clevis 150UL-3などYoshiharu Rodsへのカスタムロッド製作のご依頼は、Yoshiharu Rodsのウェブサイトのお問い合わせから、またはyoshiharu.rod@gmail.comまでご連絡ください。お好みの仕様にてカスタムメイドいたします。海外からの注文も受付けています。I accept order abroad.

 Clevis 150UL-3は即納できる完成品もあります。

2025年3月15日土曜日

Brightliver Hipster 1702S(その2)

 

 Brightliverのバスバグ用フライロッド、Hipster 1702S、7フィート、7-8番、2ピースのカスタムロッドが完成しました。


 お客様はウッドフィラーのアップロックタイプのリールシートをご希望でしたので、Payneタイプのアルミ金具のものを選定しました。金具がブラックで良ければ、デッドストックのStrubleのU-1をお選びいただくことも可能です。


 グリップ形状は高番手の竿でリールシートがアップロックですのでフルウェルズです。


 ガイドラップはblackのナイロンAスレッドにwhiteのNCPスレッド3回転のオールティッピング仕上げです。
 グリップ上部はフックキーパー付きで、blackのスレッドにwhiteのティッピング。


 ストリッピングガイドはお客様と相談の結果、クリアのクッションリング入りのPerfection ACGの#12を使用し、クラシックな雰囲気にしました。


 ダークブラウンのブランクにblackのラッピングスレッド、whiteのオールティッピングで精悍かつシックな雰囲気に仕上がりました。バットセクションの中央の飾り巻きは、上端がロッドエンドから50cmの位置になるように巻いており、メジャリングラップも兼ねています。

 BrightliverのHipsterシリーズはカヤックやフローターでの使用を想定したバスバグ用のフライロッドです。7フィート、2ピースは今回製作したSグラスの1702SとEグラスの1702Eがラインナップされています。ともに7、8番ラインが適合しますが、1702Sはどちらかというと8番、1702Eは7番が適しています。
 7フィートの竿はBrightliverから発売されていない4ピースの1704Eもあり、こちらもYoshiharu Rodsでカスタムロッドを製作可能です。
 さらに短いロッドをご希望の方には、6フィート6インチ、7-8番、4ピースの1664Eもあります。
 いずれのロッドもグラスロッドながら大変軽快なアクションで容易にキャスティングができる竿ですので、フライフィッシングの経験はないがこれからブラックバスのフライフィッシングを始めてみたいという方にもお勧めの竿です。高番手のグラスロッドですが、ショートロッドでブランクも軽量ですので、軽く感じていただけると思います。

 Brightliverのブランクを使ったカスタムロッド製作をご希望の方は、Yoshiharu Rodsのウェブ・サイトのお問い合わせから、またはyoshiharu.rod@gmail.comまでご連絡下さい。ご希望の仕様にてカスタムロッドを製作します。海外からのオーダーも受け付けています。I accept order abroad.

2025年3月8日土曜日

Brightliver Hipster 1702S(その1)

 

 Brightliverのバスバグ用グラスロッド、Hipster 1702S、7フィート、7-8番、2ピースのカスタムロッド製作を行いました。


 今回のご依頼者はアップロックタイプのリールシートをご希望でしたので、まずブランクにリールシートを接着します。





 コルクリングを1個ずつブランクに接着し、グリップの形状に削り出します。リールシートがアップロックということもあり、グリップの形状はフルウェルズです。
 

 ガイドラップはお客様のリクエストに従いblackのスレッドにwhiteのNCPスレッドを3回転のオールティッピング仕上げです。


 グリップ上部はフックキーパー付きで、こちらもblackのスレッドにwhiteのティッピングです。



 ストリッッピングガイドはお客様と相談の結果、PerfectionのACG #12を装着しました。このガイドも今や貴重品です。

 この後、ラッピング部にエポキシコーティングを3回行って完成です。

2025年2月8日土曜日

Brightliver 6'3" #4(その5)

 

 Brightliverの6フィート3インチ、4番、3ピースの試作ブランクを使ったアメリカのお客様向けのカスタムフライロッドが完成しました。


 グリップはYoshiharu Rodsでは標準的な、リールシート一体型のRuss Peakタイプのシガーを小ぶりにしたもの。リールシート金具はお客様のリクエストにより、Yoshiharu Rodsオリジナルのニッケルシルバー製ポケット&リングです。


 ラッピングはgoldのナイロンAスレッドの透過仕上げ。グリップ先端はスレッドを巻き上げて、飾り巻きにblackのピンラインを1本入れています。ロッドエンドから30cmの位置にgoldとblackのスレッドでメジャリング・ラップ入りです。


 ストリッピング・ガイドはリクエストによりオレンジのメノウリングです。


 この竿のブランクは試作品のため2本しか作られておらず、Brightliver松本さんのご依頼で製作した竿と、この竿の2本しか世の中に存在しません。
 Paul Youngのバンブーロッドの名竿、Midgeを参考に製作されたブランクですが、試し振りの結果を以前のブログでご紹介したとおり、バンブーのMidgeとは異なり大変しなやかな竿になっています。

 Brightliverでこのブランクを再製作する予定はありませんが、Yoshiharu RodsではHirabe 7'3" 3-4番Hirabe 6'9" 3-4番をベースにした6フィート3インチ、4番のグラスロッドを開発中です。今年中には製品化の予定ですので、ご期待ください。

 Yoshiharu Rodsへのカスタムロッド製作のご依頼は、Yoshiharu Rodsのウェブサイトのお問い合わせから、またはyoshiharu.rod@gmail.comまでご連絡下さい。海外からのオーダーも受け付けております。I accept orders abroad.

2025年2月1日土曜日

Brightliver 6'3" #4(その4)

 

 アメリカのお客様からのご依頼でBrighliverのグラスフライロッドの試作品ブランク、6フィート3インチ、4番、3ピースをカスタムロッドに仕上げました。



 いつものようにブランクにコルクリングを1個ずつ接着し、グリップを削り出します。グリップの形状はBrightliver向けに製作した竿とは異なり、お客様のリクエストによりリールシート一体型のRuss Peakタイプのシガーを小ぶりにしたものです。


 ラッピングはBrightliverの試作品と同じくgoldのナイロンAスレッド。グリップ先端は巻き上げてblackのスレッドでピンラインを1本。ロッドエンドから30cmの位置にgoldとblackのスレッドでメジャリング・ラップを巻きました。


 ストリッピング・ガイドはお客様のリクエストによりオレンジのメノウガイドです。

 この後、ラッピング部にエポキシを3回コートし、リールシート金具を接着して完成です。

2025年1月25日土曜日

Brightliver Clevis 150UL-3(その10)

 

 一昨年にBrightliverのグラスベイトフィネスロッド、Clevis 150UL-3をカスタムロッド製作させていただいたお客様が、川でティップセクションを紛失されたとのことで、ティップセクションのみ再製作させていただきました。


 お客様は以前のブログで紹介した、この竿を使って写真のヤマメを釣られた方です。40cmオーバーのヤマメを狙っておられる大物ハンターで、昨年は尺ヤマメ、尺アマゴを13匹釣り上げられたそうです。
 数々の竿を使ってこられましたが、この竿を本当に気に入っておられ、渓流ベイトフィネスロッドとして最高の竿とのお言葉をいただいています。


 ティップセクションの再製作が完了しました。竿袋は奥様のお手製です。
 今年もこの竿で多くの尺ヤマメ、尺アマゴを釣り上げられることでしょう。今年こそ40cmオーバーのヤマメを釣り上げられることを期待しております。

 Brightliverの松本さんによると、Clevis 150UL-3はたまにティップセクションを破損される方がいらっしゃるとのことで、再製作できるようにティップセクションのブランクを何本か在庫しておられるそうです。
 私がカスタムロッド製作させていただいた方についても、在庫のあるうちはティップの再製作が可能ですので、万が一ティップを破損、紛失された方はご連絡ください。ブランクの在庫があるうちに、予備のティップセクションを製作しておかれるのも良いかもしれません。

 Clevis 150UL-3は大変しなやかなティップを持ち、渓流ベイトフィネスロッドで多様するフリップキャストが容易で、フッキングが良くバレにくいとユーザーの方から大変高評価をいただいています。これらはグラスロッドならではの特徴です。またバットがしっかりしているので、大きな魚にも余裕を持って対応できます。

 現在ブランクの在庫がございますので、カスタムロッド製作希望の方はYoshiharu Rodsのウェブ・サイトのお問い合わせから、またはyoshiharu.rod@gmail.comまでご連絡ください。
 海外からのオーダーも受け付けております。I accept orders abroad.

2025年1月5日日曜日

Brightliver 7' #1(その4)

 

 Brightliverの松本さんからご依頼のBrightliver 7フィート、1番、3ピースの改良試作ブランクを使ったカスタム・ロッドが完成しました。


 グリップはRuss Peakタイプのシールシート一体型のシガーグリップを小ぶりにしたもの。シールシート金具はYoshiharu Rodsオリジナルのアルミ製ポケット&リングです。アルミ製のため大変軽量になっています。
 今回の竿はラッピングスレッドにGUDEBRODのナイロンA、1011 gun metalを使用し、カラープリザーバー仕上げにしました。Leonardのダイヤモンドバックのブランクを使ったグラファイトロッドやThomas & Thomasの初期のグラファイトロッドからインスピレーションを得ています。


 グリップ先端はスレッドを巻き上げて、飾り巻きにブラックのピンラインを1巻き。ロッドエンドから1尺(=30.3cm)の位置にメジャリング・ラップを巻いています。


 ストリッピング・ガイドはBrightliverのクリスタル・ガイドです。


 ティップ径は初回試作品よりも更に細く、1.4mmを切っています。UDグラス+4軸カーボンのブランクでこの細さは驚異的で、ブランクの製造技術の限界に挑戦した革新的なブランクです。

 完成後、Brightliver松本さんの許可を得てさっそく試しぶりさせていただきました。
 初回試作品はそのまま製品化できるくらい素晴らしい竿でしたが、同時に試作した6フィート6インチに比べると長さがある分、竿に合わせて少しゆっくりしたテンポで振ってやる必要がありました。今回の改良品はティップが細く曲がりやすくなったおかげで早いテンポで振れる大変軽快な竿になっていました。

 素振りした感触は、まるでヘラブナ竿の様にしなやかで、果たしてまともにキャスティングできるのかと思うほどですが、実際にキャスティングしてみると特別なキャスティング技術は全く必要なく、驚くほど軽快にキャスティングすることができます。特に10mくらいまでの近距離は扱いやすく、しなやかなティップと相対的にしっかりしたバットのおかげで、1番という軽いラインにも関わらず、大変力強いタイトループを容易に作ることができ、ピンポイントアキュラシーにも優れています。
 今回は標準的な重量のエアセルのDT-1Fを試投に使用しましたが、10m以上の距離を釣ることが多いのであれば、3番ラインでもキャストできるバットパワーはありますので、エアセルオイカワやスープラJストリームDTTなどの1番ラインでも重めのラインを使うか、 2番ラインを使用されるのが良いと思います。

 7フィート、1番のグラスロッドで、これだけしやなかでかつシャープなブランクが成立するのは、やはりUDグラス+4軸カーボンという特別な構造のおかげだと思います。

 今回の試作ブランクはあと2本ほどBrightliverに在庫がありますので、カスタムロッド製作をご希望の方は、Yoshiharu Rodsのウェブ・サイトのお問い合わせからか、yoshiharu.rod@gmail.comまでご連絡ください。お好みの仕様にてカスタムメイドいたします。
 海外からのオーダーも受け付けております。I accept orders abroad.

2024年12月28日土曜日

Brightliver 7' #1(その3)

 

 以前のブログで紹介したBrightliverの試作品7フィート、1番、3ピースの改良ブランクが出来上がってきましたので、Brightliver松本さんのご依頼でカスタムロッドに組み上げさせていただきました。
 初回の試作ブランクはそのまま製品にしても良いと思えるくらいの完成度でしたが、松本さんは少しティップが強い印象を持たれたようで、今回のブランクはその点を改良したものです。


 まずはいつものようにコルクリングをブランクに1個ずつ接着します。


 グリップの形状はYoshiharu Rodsでは標準的なRuss Peakタイプのシガーグリップを小ぶりにアレンジした形状です。


 今回の竿のラッピングには、GUDEBRODのナイロンAスレッドの1011 gun metalを使用しカラープリザーバー仕上げにします。ラッピングを終えたのが上の写真です。ダイヤモンドバックのブランクを使ったLeonardのグラファイト・ロッドやThomas & Thomasの昔のグラファイト・ロッドからインスピレーションを得ました。


 グリップ先端は巻き上げて、飾り巻きにブラックのピン・ラインを一巻き。オイカワ用の竿ですがヤマメ、アマゴを釣っても楽しそうな竿なので、ロッドエンドから1尺(=30.3cm)の位置にメジャリング・ラップを入れています。
 この後、カラープリザーバーを塗ってエポキシをコーティングします。

 同じブランクが確かあと2本あると思いますので、カスタムロッド製作をご希望の方は、Yoshiharu Rodsのウェブサイトのお問い合わせから、またはyoshiharu.rod@gmail.comまでご連絡ください。海外からのオーダーも受け付けています。I accept orders abroad.

2024年12月21日土曜日

Brightliver訪問(その2)

 

 前回のブログに引き続き、Brightliver訪問について記します。

 今回のBrightliver訪問の目的の1つが、松本さんからロッド製作のご依頼のあったBrightliverの6フィート3インチ、4番、3ピースのグラスロッドの納品でした。納品のついでに私が所有しているほぼ同じスペックの竿、R.W.Summersの6フィート4インチ、4番のMidgeRuss Peakの6フィート3インチ、3、4番のZenithと振り比べてもらいました。


 松本さんの意見も私が3本を事前に振り比べた時の感想と同じで、Brightliverの試作品は大変しなやかでこのまま製品として販売しても問題ないくらいに良い竿ですが、バンブーロッドのMigdeと比べるとやはり別物という感想でした。


 この日はこの3本以外にも私が持ってきたRuss PeakのZenith PGGを振ってもらったり、Brightliverの超低弾性カーボンを使ったバスバグロッドの試作品を振らせていただいたりしました。
 超低弾性カーボンはSグラスよりも少し弾性率の高い素材で、Sグラスに似たフィーリングなのですが、それ以外にSグラスよりも軽いというメリットもあります。そのためグラスでは少し重くなったり、ダルなアクションになってしまう長めの竿を作るのに良いと感じました。

 Yoshiharu Rodsへのご質問やカスタムメイドロッド製作のご依頼は、Yoshiharu Rodsのウェブサイトのお問い合わせから、もしくはyoshiharu.rod@gmail.comまでご連絡ください。Brightliverのブランクを使ったカスタムオーダーも可能です。
 海外からのご依頼にも対応します。I accept orders abroad.

2024年12月14日土曜日

Brightliver訪問(その1)

 

 大阪府摂津市のBrightliverを訪問してきました。

 来年3月1日にオープンする「繁盛ルアーフライエイア」のPRを含め、いくつかの目的があって訪問させていただいたのですが、その中の一つはカスタムロッド製作のご依頼を受けているフライロッドのブランクの引き取りです。


 こちらはBrightliver松本さんからご依頼いただいた7フィート、1番、3ピースの2回目の試作品。


 こちらはBrightliverのバスバグ用ロッド、Hipster 1702Sです。


 あと2本のブランクを持って帰る予定だったのですが、上の写真の通りオフィスには製品用も含めて数えきれないくらい沢山のブランクが至る所に溢れている状況で、残念ながらこの日は見つけ出すことができませんでした。


 Brightliverはご存知の通りトップウォーターバスフィッシング専門のメーカーで、フライロッドはバスバグ用のグラスロッドのみを販売されています。しかし、松本さんはグラスロッドを中心に大変な数のフライロッドもコレクションされており、良いと思った往年の竿についてはバスバグ用のロッドのみならず、トラウト用の低番手ロッドからソルトウォーター用の高番手ロッドまで、片っ端から試作品を作られています。
 それらの試作品は、数多くのオリジナルのトップウォーター用ロッドを開発してきた松本さんの経験と試作ブランクを製作する天龍の開発者の技術力により、どれも大変素晴らしいものになっています。
 Brightliverはバス用の竿が本業であり、松本さん1人で会社の全てをこなされている状況で、バスバグ用以外のフライロッドを製品として販売する余力はありません。しかし、製品化されずに試作品としてBrightliverのオフィスに眠らせておくには勿体無いブランクが、本当に沢山あります。

 私としても、これらのブランクを少しでも多くカスタムロッドとして完成させて、必要とする人の元にお届けしたいと思います。このメーカーのこの竿を再現したブランクはないか、あるいはこんな用途に使うこんなスペックのこんなアクションのブランクはないか、といったご相談があれば、是非Yoshiharu Rodsのウェブサイトのお問い合わせからか、yoshiharu.rod@gmail.comまでお問い合わせください。I accept orders abroad.

2024年12月7日土曜日

Brightliver 6'3" #4(その3)

 

 Brightliverの松本さんのご依頼で作製したグラスフライロッドの試作品、6フィート3インチ、4番、3ピースを、松本さんの許可をもらって納品前に試し振りさせていただきました。

 この竿はPaul Youngのバンブーロッドの名竿、Midge(6フィート3インチ、4番、2ピース)のアクションをグラスロッドで再現すべく試作されたものです。私はヤングのMidgeを所有していませんので、ヤングの元で働いていたR.W.Summersの6フィート4インチ、4番のMidgeと比較してみました。2代目ヤングの竿の多くはサマーズが製作しており、R.W.Summersの竿はPaul Youngのアクションを継承したものと言われています。
 さらに同じスペックのRuss Peakのグラファイトロッド、Zenith、6フィート3インチ、3、4番も振り比べてみました。
 写真は上からRuss Peak Zenith、Summers Midge、Brightliverの試作品です。

 Brightliverの試作品は大変しなやかな竿で、3番ラインでも4番ラインでもキャスティング・ストローク中に竿全体が良く曲がり、力強いラインを投げることができます。楽々遠投ができ、この手の短い竿が苦手とする至近距離も問題ありません。これだけ短くてもしなやかな竿が作れるのは、グラス素材ならではの利点だと思います。
 キャスティングが大変楽しい竿で、特にしなやかな竿を好まれる方にはぴったりの竿なので、このまま製品化しても良いように感じました。

 ただ、この竿がバンブーのMidgeを再現したものかというと、全く別の竿と言わざるを得ません。トンキンケーンの竹竿はテーパーを相当細くしても、短い竿だとどうしても硬い竿になってしまいます。YoungやSummersの竿はバンブーロッドの中でも特にシャープな竿なので、SummersのMigdeはBrightliverの試作品と比べると非常に硬く、キャスティング・ストローク中に竿の曲がりをあまり感じることができません。しかし、4番ラインを乗せた時のラインの直進性、力強さはSummersのMidgeが勝り、タイトループも容易に作れます。

 Russ Peakの6'3"は、Peakの竿とは思えないほどティップ径が細く全体にかなり細身にできているのですが、3本の中では一番硬く、ラインスピードも一番速くなります。

 今回の試作品は他の2本に比べて大変しやなかなのは良いのですが、意識しないで振るとループが広くなりがちで、ループを狭くするにはわざと竿を曲げないように振る必要があり、その点については改良の余地がありそうです。

 Midgeのような短い竿では、素材の特性が竿のアクションに与える影響が大きなことが、今回の比較で良く分かりました。松本さんとも意見を交わしましたが、バンブーのMidgeをグラスで再現することを目指すよりも、グラス素材の利点を活かして改良を加える方が良さそうです。
 グラスロッドマニアの中には短い竿を好まれる方も多いと思いますので、Yoshiharu Rodsとしてもこのスペックのグラスロッドを近い将来ラインナップに加えたいと思っています。開発の進捗はこのブログでご紹介しますので、ご期待ください。

2024年11月30日土曜日

Brightliver 6'3" #4(その2)

 

 Brightliverの松本さんご依頼のグラス試作ロッド、6フィート3インチ、4番、3ピースが完成しました。


 リールシートも含めたグリップ全長はスペックに合わせてコルク16個分の205mm。最大径は21.4mmと細めに仕上げました。リールシート金具はYoshiharu Rodsオリジナルのアルミ製リング&リングの試作品です。ポケット&リングのリング幅は8mmですが、リング&リングは7mmと細めになっています。


 ラッピングスレッドはナイロンAのゴールドを、ポール・ヤングのミッジを見習い最小限の幅で巻いています。グリップ先端はスレッドを巻き上げ、飾り巻きにブラックのピンラインを1巻。ロッドエンドから1尺(=30.3mm)の位置にメジャリング・ラップ入りです。


 ストリッピング・ガイドは松本さんからご支給のBrightliverオリジナルのクリスタルガイド。リングのカラーはゴールドです。

 グラス素材でバンブーロッドの名竿、ポール・ヤングのミッジのアクションが再現できたのか?試し振りの結果は次回のブログでご紹介します。

 Brightliverなどのブランクを使ったカスタムメイドロッド製作をご希望の方は、Yoshiharu Rodsのウェブサイトのお問い合わせから、もしくはyoshiharu.rod@gmail.comまでお問い合わせ下さい。お好みの仕様にてカスタムメイドいたします。海外からのご注文も受け付けております。I accept orders abroad.