2022年12月24日土曜日

McFarland Spruce Creek Parabolic 7'2" #4(その12)

 

 Yoshiharu Rodsオリジナル・スペックのMcFarland Spruce Creek Parabolic 7フィート2インチ、4番、4ピースが完成しました。


 今回のオーダーはグリップがポール・ヤングのバンブーロッドでお馴染みのベンチレーティッド・グリップ(通称ホネホネ・グリップ)。お送りいただいた図面通りの寸法に削り出しました。
 この竿はパラボリック・アクションなのでバットが曲がりやすくなっていますが、ベンチレーティッド・グリップだとグリップの中のブランクが曲がりやすくなるので、素振りしただけでもグリップの中のブランクが曲がっているのを感じることができます。


 リール・シートは、Bellingerのニッケル・シルバー製ポケット&リングの旧タイプです。ストリッピング・ガイドはMildrumのSRMCです。


 スレッドはGUDEBRODの541、Midium brown。グリップ先端はスレッド巻き上げ、飾り巻きにメタリックスレッドのシルバーのピンラインを1本入れています。ロッドエンドから尺(30.3cm)の位置にメジャリング・ラップ入りです。Midium brownにシルバーのピン・ラインはご依頼者のご指定です。


 フル・トリムをご希望でしたので、全てのガイドとフェルールのラッピングにシルバーのピン・ラインを入れました。

 同じ竿でも私が使っているデモ・ロッドとは全く異なる外観に仕上がりました。ご依頼者は狙い通り少しひねった個性的な雰囲気の竿になったとのことで、喜んでいただけました。

 McFarlandのブランクを使ったカスタム・ロッド製作をご希望の方は、yoshiharu.rod@gmail.comまでお問い合わせください。Spruce Creek Parabolic 7'2" #4のブランクは現在少しだけ在庫がございます。


2022年12月17日土曜日

McFarland Spruce Creek Parabolic 7'2" #4(その11)

 

 前回に続きMcFarland Spruce Creek Parabolic 7フィート2インチ、4番、4ピースのロッド・ビルディングです。


 スレッドはリール・シートのウッド・フィラーの色に合わせてブラウン系をご希望とのことで、数色試し巻きした写真の中からGUDEBRODの541、Midium brownを選定いただきました。ティッピングはリール・シート金具の色に合わせてシルバーのご指定です。


 ガイドも全てにティッピングをご希望とのことで、シルバーのメタリック・スレッドでピン・ラインを入れました。


 1回目のエポキシ・コートをかけた後の写真が上の写真です。エポキシをかけるとスレッドが透けて濃い色になります。

2022年12月10日土曜日

McFarland Spruce Creek Parabolic 7'2" #4(その10)

 

 Yoshiharu Rodsオリジナル・スペックのMcFarland Spruce Creek Parabolic、7フィート2インチ、4番、4ピースを製作しています。


 まずはグリップのコルクの接着からですが、今回のご依頼者はポール・ヤングのバンブー・ロッドに良く使われているベンチレーティッド・グリップ(通称ホネホネ・グリップ)をご希望とのことでしたので、1.5mmの隙間を空けてコルクを接着します。


 グリップの形状、寸法はお気に入りのバンブー・ロッドと同じでとのことで、図面でのご指定通りにノギスで確認しながら削り出しました。グリップの長さはほぼ図面通りの139.5mm、最大径は23mmです。
 リール・シートは、ベリンジャーの旧タイプのキャップ&リングです。
 この竿はパラボリック・アクションなので、ベンチレーティッド・グリップだとグリップの中のブランクが曲がっているのをより感じ取ることができます。


 リールはCFO IIIを使用されるとのことで、装着すると上の写真のようなバランスです。

2022年12月3日土曜日

備前貢「Happy Tyers」

 

 久しぶりのお気に入りの本の紹介は、備前貢さんの「Happy Tyers」です。

 備前さんはプロのフライ・タイヤーとして有名な方で、雑誌「Fly Fisher」などに大変楽しくてためになる記事を投稿されていますが、単独の著作物としては私の知る限りこの本が唯一だと思います。

 この本は「Fly Fisher」の2007年から2012年の連載記事をメインに、同じく「Fly Fishier」に掲載されたいくつかの記事を加えてまとめたものです。掲載されているフライは、キャッツキル・スタイルのドライ・フライからサーモン・フライ、ソルト・ウォーター・フライにバス・バグと大変広範囲で、内容もタイイングの手順、マテリアル、掲載されたフライを使った釣りなど、盛り沢山です。
 備前さんは大変研究熱心な方で、そのフライの成り立ちや生まれた背景などを書籍でよく勉強されており、この本にもそのあたりのことが書かれていて勉強になるのですが、それだけでなく、タイイングやマテリアルの使い方に独自の工夫をされており、大変参考になります。
 この本を読むと、ご本人がフライ・タイイングを心底楽しまれている様子が伝わってくるので、タイトルの「Happy Tyers」というのはご本人のことを指しているのだと思いますが、備前さんの文章は大変楽しく、読んでいるこちらもHappyな気持ちになります。

 この本は2012年に発行されましたが、残念ながら絶版となっているようです。オール・カラーで文字もびっしりの読み応えのある大変面白い本なので、フライ・ショップや中古で見かけられたら、是非購入することをお勧めします。
 備前さんは昔「Fly Rodders」にもフライに関する連載を書かれていて、こちらも大変参考になる記事でしたので、是非単行本にまとめて欲しかったのですが、「Fly Rodders」自体が休刊になっているので難しそうです。