2019年11月9日土曜日

Steffen Brothers(その5)


 ご依頼を受けて作製していました、ステファン・ブラザーズのグラス・ロッド、7フィート3インチ、3-4番、3ピースロッドが完成しました(ステファン・ブラザーズの7フィート3インチ、3-4番の詳細はこちら)。


 リールシートは、ご依頼者のご希望によりベリンジャーのニッケルシルバーのアップ・ロックを使用しました。少し重くなりますが、この竿はティップの繊細なプログレッシブ・アクションなので、重心が手元よりになっても問題ないと思います。


 グリップは、先端巻き上げのフィッシュ・テール。巻き上げ部の飾り巻きは、ゴールドのピン・ライン(1本巻き)を3本です。私の作製する竿は、ピン・ライン3本の飾り巻きが基本仕様です。
 ステファン・ブラザーズのグラス・ロッドの、しなやかながらシャープなアクションを活かすため、トップ・ガイドとスネーク・ガイドは、軽量なライト・ワイヤーのものを使用しました。
 スレッドの巻幅も最小限にし、エポキシ・コーティングも強度と美観を保てる範囲で、できるだけ薄く仕上げています。


 ストリッピングガイドは、ミルドラムのカーボロイです。太目のブランクに合わせて、少し大きめの#10サイズを取り付けました。

 今回、ブランクの納入に時間がかかったため、今年の渓流シーズンには残念ながら間に合いませんでしたが、この竿が来シーズンの渓流において、依頼者の方と素敵な渓流魚の出会いに少しでもお役に立てれば、製作者してこれ以上にうれしいことはありません。

<お知らせ>
 ステファン・ブラザーズのグラス・ロッドをカスタム・メイドご希望の方は、yoshiharu.rod@gmail.comまで電子メールでお問い合わせください。


2019年11月2日土曜日

Meetup!!


 12月1日に大阪市水道記念館で開催される、Meetup!! Fly Fishing Fans OSAKA Vol.4に、Yoshiharu Rodsとしてカスタムメイド・グラス、グラファイトロッドを出店します。
 当日は2本のデモロッドと数本のブランクを展示予定です。

 デモロッドの1本は、私が実際に使っているステファン・ブラザーズのグラス・ロッド、7フィート3インチ、3、4番、スリーピースです。


 もう1本は、ダイヤモンドバックのブランクを使った、7フィート6インチ、4、5番、2ピースです。


 ブランクは、以前のブログで紹介した、ダイヤモンドバックとスコットの6フィート6インチ、4番を展示します。

 大阪近郊にお住まいで、ご興味のある方は是非ご来場ください。

2019年10月26日土曜日

Steffen Brothers(その4)


 前々回のブログに引き続き、ステファン・ブラザーズのロッド・ビルディングの進捗です。

 スレッド・ラッピングのコーティングには、エポキシを使用します。最近のプロダクション・ロッドは、ぼてっとしたコーティングのものが多いですが、私はできるだけ薄く均一に仕上げたいので、薄めたエポキシを3回重ね塗りします。
 1回目のコーティングでは、スレッドにしっかり染み込ませるために、うすめ液でかなり薄めたものを塗り、しばらく時間を置いた後に余分なエポシキを拭き取ります。1回目のコーティングが終わった状態が、上の写真です。


 1回目のコーティングが硬化した段階で、ブランクにインスクリプションを入れます。
 今回は、依頼者のご指定で「Steffen Bros. & Yoshiharu」としています。ブランクの反対側には、依頼者の名前を記入しています。


 各フェルールには、継ぐ時の目安となるように、ドットを入れます。


 2回目のコーティングを行った後の状態が上の写真です。完全に硬化すると少し痩せてきますので、もう1回コーティングを重ねて完成です。

2019年10月19日土曜日

Hardy The Featherweight(その5)Golden Featherweight


 フェザーウェイトの5回目は、ゴールデン・フェザーウェイトを紹介します。

 このリールは1990年代にライトウェイトシリーズの豪華版としてラインナップされていたもので、ダークブラウンのボディとスプール、ラインガード以外のすべてのパーツがゴールドにメッキされているのが特徴です。ハンドルノブはダークブラウンのプラスティックです。
 このモデルが発売されていた当時、ゴールデン・プリンスというプリンスのゴールドモデルがありましたが、このリールも同じような配色でした。


 このリールは、フットがブラスでできているので、通常のフェザーウェイトよりも重くなっています。私はバンブーロッドと重量バランスをとるために、このリールを使用しており、DT-3Fを巻いてKatana633と組み合わせて使っていました。


 このリールを購入したのは、1990年代の後半で当時はゴールデン・フェザーウェイトと呼ばれていましたが、1990年代の前半はDXフェザーウェイトの名前で販売されていたようです。2000年代にも同じカラーのモデルが販売されていたようですが、リールフットはアルミ製に、ノブはアイボリー調の樹脂に変更されていました。

2019年10月12日土曜日

Steffen Brothers(その3)


 前回のブログに書いたステファン・ブラザーズのブランクを組んでいます。

 グリップは、コルクリングを先に接着しておき、成型してからブランクに接着する方法もありますが、私はリングを1個ずつブランクに接着してから削り出しています。


 依頼者のオーダーはウッド・スペーサーのアップロックのリールシートですので、グリップは先端巻き上げのフィッシュ・テールです。手が小さめの方のようですので、グリップの長さはオービスのスーパーファイングリップよりも少し短い約15cmにしました。


 リールは、ハーディーのフェザーウェイトを使用されるとのことですので、装着するとこのような感じです。


 ラッピング・スレッドは、7色ほど試し巻きした写真を送って選んでいただいた結果、当初のリクエスト通り、カーキ(PRO WRAP、567 Taupe)になりました。
 最初スレッドの色の希望をお聞きした時、レンガ色のブランクにカーキ色は合わないのではと思いましたが、なかなか渋い雰囲気になりました。カラープリザーバー処理はしないので、エポシキをコーティングすると最終的には透けて写真よりも濃い色になります。

2019年10月5日土曜日

Steffen Brothers(その2)


 アリゾナからステファン・ブラザーズのグラス・ブランクが届きました。スペックは、私が使っているものと同じ、7フィート3インチ、3、4番、3ピースです。

 ステファン・ブラザーズのロッドを組んで欲しいとの依頼があり、マーク・ステファンにブランクを注文したのが、今年の5月。当初は7月初旬には完成とのことでしたが、その後、釣りに出かけるから納期が遅れるとの連絡があり、完成は9月下旬でした。
 前回はシーズンオフの10月に注文したので、2カ月もかからずに完成したのですが、シーズン中に注文すると納期が遅れるのは、バンブーロッドビルダーも含めて、万国共通のようです。


 ステファン・ブラザーズのグラス・ブランクですが、やはり今回も素晴らしい出来です。
 グラスやグラファイトのブランクは、多少曲がっているものが多いのですが、ステファンはビシーッと真っすぐです。均等に巻かれたアンサンドのテープ痕も美しく、スピゴット・フェルールの精度も素晴らしいです。


 リールシートは、依頼者から写真付きでウッドスペーサーのアップロックとのご指定でしたので、ベリンジャーを装着します。

<お知らせ>
 ステファン・ブラザーズのグラス・ロッドをカスタム・メイドご希望の方は、yoshiharu.rod@gmail.comまで電子メールでお問い合わせください。グリップの形状、スレッドカラー、リールシート等、お好みの仕様にて作製いたします。

2019年9月28日土曜日

Hardy The Featherweight(その4)DX Featherweight


 フェザーウェイトの4回目は、1999年に限定発売されたDXフェザーウェイトを紹介します。

 1990年代の終わりから2000年前半にかけて、ハーディー(ハウス・オブ・ハーディー)は、過去のモデルの復刻版や限定モデルを次々と発売しており、このリールもその1つでした。DXフェザーウェイトは、DXフライウェイトとともに、それぞれ1000台ずつの限定発売でした。ハウス・オブ・ハーディー時代の製品なので、リールケースは青ジップです。


 このリールも、前回紹介した110周年記念モデルと同じシャンパン・ゴールドカラーで、おそらく110周年記念モデルがベースとなっていると思われますが、いくつかディテールが異なります。

 まずハンドルノブが、110周年記念モデルでは通常モデルと同じ黒のプラスティックに対し、DXフェザーウェイトでは、アイボリー調の樹脂となっています。
 また、リールシート、ラッチカバーがDXフェザーウェイトでは、この当時のハウス・オブ・ハーディーの製品と同じつや消し仕上げのアルミパーツになっています。


 細かいところでは、チェック機構のリベットが、110周年記念モデルが通常のシルバーのパーツであるのに対し、DXフェザーウェイトではシャンパンゴールドになっています。

 110周年モデルは、ボディーに薄く切削痕が残っているのに対し、DXフェザーウェイトはサンドブラストをあてたような梨時仕上げになっているので、同じシャンパンゴールドのカラーでも全体の質感が若干異なります。


 フットの110周年モデルは、ハーディーブラザーズ時代の製品なのでかなり薄く、DXフェザーウェイトの方は厚めになっています。

 このリールは110周年モデルを入手するまでは、4番用として良く使用していました。

2019年9月21日土曜日

Hardy The Featherweight(その3)110 Anniversary


 今回はハーディーの110周年記念として1982年に発売された、フェザーウェイトの限定モデルを紹介します。

 このモデルは、カラーが上品なシャンパンカラーである以外は、通常のフェザーウェイトと全く同じです。1982年の製造なので、刻印は「Made by Hardy Bros Ltd England」、ケースは黒ジップケースです。


 このブログを書くために写真を撮影していて初めて気が付いたのですが、製造は「Hardy Bros」となっていますが、「110 Anniversary of The Hause of Hardy」と刻印されています。このリールが製造、販売された時期が、ちょうど、社名がハーディーブラザースから、ハウス・オブ・ハーディーへの移行期だったのかもしれません。
 

 このリールは、比較的最近になって中古で入手したものです。私がフライフィッシングを始めた頃に発売されたリールでその存在は当時の雑誌の広告で認識しており、いつか入手したいと思って探していたリールでした。

 シャンパン・ゴールドのカラーは、グラファイトからバンブーまで、どんな竿にも良く似合うので、4番ライン用として現在メインで使用しています。


2019年9月14日土曜日

Hardy The Featherweight(その2)


 フェザーウェイトの2回目は、年代の異なる2つのフェザーウェイトを紹介します。

 上の写真の左のラインの巻いていない方がおそらく1970年代前半のモデルで、右のラインの巻いてある方が、確か1993年に新品で購入した比較的新しいモデルです(以降の2つのリールを並べて撮影した写真はすべて左右をこの順番に並べています)。


 古い方のリールは、Patent No.刻印のない所謂ラージUシェイプと呼ばれるラインガードが装着されており、リールケースは青白のジップケースです。
 新しい方のリールは、スモールUシェイプと呼ばれるラインガードが装着されており、リールケースは青色ジップケースです。


 古い方のモデルは、1970年代なので当然社名はハーディー・ブラザーズ、新しい方はハウス・オブ・ハーディーです。


 この2つのリールは、一目見ただけで印象が随分と異なるのですが、その理由はスプールに開けられた穴の直径の違いです。同心円状に直径の異なる3種類の穴があけられていますが、一番外側と二番目の穴が数は同じですが、直径が異なり、古いリールの方が直径が大きくなっています。


 機能的には、どちらのリールもアジャスタブル・チェックと呼ばれる左右巻き手の変更が可能なクリック機構を用いている点は同じなのですが、問題はフットの厚みの違いです。ハーディー・ブラザーズ時代のフットは、ハウス・オブ・ハーディー時代のものに比べかなり薄くなっています。同じハウス・オブ・ハーディー時代のリールでも、写真の年代のフットは比較的薄いのですが、新しい年代のものは厚みが増しており、現在のハーディーのリールのフットは、かなり厚くなっているようです。

 ハウス・オブ・ハーディー時代までのフェザーウェイトは、英国製で鋳造で作られていましたが、その後韓国製(?)のバーストックからの削り出しとなり、スプールの本体側にも穴が空けられ、見た目の印象が大きく変わりました。スプールと本体、フレーム部との隙間も昔のものに比べると大きくなっているようです。
 話は脱線しますが、削り出しのリールの方が鋳造よりも精度が良くて高級というイメージをお持ちの方も多いと思いますが、そうとは限りません。この話はまた別の機会に書きたいと思います。


 フェザーウェイトのチェック(クリック機構)は板バネを使ったシンプルなものですが、バックラッシュしにくく、高い信頼性と耐久性があります。
 クリック音は、同じハーディーのマーキスに比べると小さくて上品です。

 私は、ディスクドラグやラージアーバーの最新のリールやクラシックな両軸のフライリールも使用してきましたが、結局最後に戻ってくるのは、フェザーウェイトです。それだけ完成されたリールと言えると思います。

2019年9月7日土曜日

Marc Aroner-Winston 7'6" #3-4


 非常に珍しい竿を入手したので、紹介します。マーク・アロナーがRLウィンストンのグラファイトブランクを使って作製した、7フィート6インチ、3、4番ロッドです。

 この竿は、マーク・アロナー本人に確認したところ、1980年代の初めにバリー・ベックのフィッシング・クリーク・アウトフィッターズのために作製した12本のうちの1本だそうです。
 1980年の初めというと、アロナーがレナードから独立して大変苦労している時期ですので、こういう仕事も受けていたのだと想像します。


 ラッピング・スレッドの色は、ウィンストンのグラファイトと同じグリーンにレッドの飾り巻きです。ウィンストンとは違い、ガイド・ラップの全てにレッドのティッピングが施されています。
 ワインディング・チェックは、アロナーがバンブーロッドに使っているものと同じタイプです。


 リールシートはウォールナットと思われるフィラーに、黒染されたニッケルシルバーのキャップ&リングです。リールシート金具もアロナーがバンブーロッドに使っているものと同じですが、刻印はありません。


 フェルールはスピゴットで、オス、メスの両方にワインディング・チェックと同じデザインの金具が装着されています。

 1980年の初めだと、ウィンストンのIM6シリーズはまだ発売されていませんので、後にレギュラーグラファイトと呼ばれたブランクということになります。

 私の知っているウィンストンのグラファイトロッドは、単番手指定でカタログでは更にダブルテーパーが指定されていましたが、この竿のブランクに記されたスペックは、3、4番となっています。竿を振った感触では、もともとは3番のブランクだと思います。

 ウィンストンのグラファイトロッドは、当時のウィンストンのオーナーでグラファイトロッドの設計を行っていたトム・モーガンの好み、理想を反映した、ティップが繊細でバットがしっかりしたプログレッシブ・アクションです。
 一般にプログレッシブ・アクションの竿は、パラボリック・アクションの竿に比べ、使用できるライン番手の範囲が狭い(一番手しか使えない)ものが多いのですが、試してみたところ、この竿はDT-3、WF-4、DT-4のいずれのラインでも、どこにも破綻をきたすことなく投げることができました。
 どのラインでも至近距離から実際の釣りで多用する15mくらいまで、意識せずに投げてもスラックのないきれいなループを作ることができますし、竿を曲げるのに力を必要としません。
 どのラインを使用するか非常に悩ましいところですが、これから釣り場で試してみて決めたいと思います。


 ウィンストンのグラファイトは、トム・モーガン・フェイバリットなど何本か所有していましたが、私はもっとバットにラインが乗ってくるタイプのパラボリック・アクションの竿が好みなので、全て手放してしまいました。
 ウィンストンのグラファイトは、プログレッシブ・アクションながら、実際の釣りで多用する近距離のキャスティングを重視した設計になっており、非常に持ち重りが少ないのも特徴です。
 久しぶりにウィンストン(ブランク)の竿を振りましたが、改めてウィンストンの良さを見直ししました。この竿はレギュラー・グラファイトというのも理由かもしれませんが、非常にしなやかで、日本の渓流でヤマメ、イワナを釣るにも非常に良さそうです。

2019年8月31日土曜日

Hardy The Featherweight(その1)


 フライリール紹介の第1回目は、ハーディーのフェザーウェイトです。

 このリールは、私が紹介するまでもなく、オービスのCFO、ハーディーのマーキスと並ぶ定番中の定番で、持っている、持っていたという方は非常に多いと思います。
 ハーディーのライトウェイトシリーズの中で2番目に小さいリールで、1960年発売のようですのでその歴史は古く、限定モデルも含めていくつかのバリエーションがあり、現在も販売されています。

 フェザーウェイトは、ラインキャパシティが渓流で使用する3番、4番ラインにぴったりなので、私は気が付くと年代やモデル違いで5個も所有していました。
 フローティングラインは、ダブルテーパーであれば4番まで、ウェイトフォワードであれば5番まで巻けますが、私はラインの巻き癖をなるべくつけないために、バッキングラインを巻いて、ダブルテーパーの3番、ウェイトフォワードの4番に使用しています。

 フェザーウェイトはバンブーロッドからグラファイトロッドまで、どんな竿でも似合うシンプルで優れたデザインだと思います。標準モデルで約100gと軽量であることも利点の1つです。

 発売当初のモデル以外は、簡単に巻き手を左右変更できるのも利点です。
 ちなみに私は右利きで、フライリールの巻き手はすべて左巻きです。フライフィッシングでは、余分なラインを巻き取る作業が多いため、右利きの人であればリールは左巻きだとリトリーブの度に竿を持ち変えなくてすみます。大物を掛けてリールでやりとりをする際も、竿を持ち変えずに余ったラインを巻き取れますので、いざという時に役に立ちます。
 ずっと右巻きなので、左巻きは違和感があるとおっしゃる方も多いですが、家でテレビでも見ながら30分も左手でカリカリやっていれば、すぐに慣れます。私も最初は右巻きでしたが、すぐに慣れました。慣れてしまえば釣り場で圧倒的に便利なので、騙されたと思って一度試されることをお勧めします。

 次回からは、私が所有しているそれぞれのフェザーウェイトについて、詳しく紹介したいと思います。