2022年7月16日土曜日

島崎憲司郎「水生昆虫アルバム 新装版」

 

 前回のブログで島崎憲司郎さんの「水生昆虫アルバム」を紹介しましが、今回は同じ本の「新装版」を紹介します。

 前回紹介した「水生昆虫アルバム」は初版のハードカバーですが、「新装版」は初版発行の8年後の2005年に発行されたソフトカバーで、現在新品で入手可能なのはこの「新装版」になります。ソフトカバーになってお求めやすい値段になっています。ちなみにハードカバー版は、第2刷まで発行されたようです。

 新装版と初版の中身の違いは、初版発行後に学名が変更された水生昆虫について、注記、新称が加えられているだけなのですが、初版を所蔵している私が敢えて新装版も購入した理由は2つあります。1つは初版はハードカバーのため、物凄く重いことです。初版は購入後何度も読み返しましたが、釣りに行った後やフライを巻いていて気になった時に重い初版を本棚から引っ張り出してページをめくるのは少々面倒です。300ページ近くある本なので、新装版のソフトカバーでもそれなりの重さですが、初版に比べると気軽に読めます。私は新装版入手後は、初版は保存版として押し入れに保管して、新装版を本棚に並べています。

 もう1つの理由は、新装版に別刷りの付録として付いている「シマザキワールド11」です。「シマザキワールド」はフライの雑誌に不定期に連載されている読み物ですが、「シマザキワールド11」はこの本を購入しないと読むことができません。
 「シマザキワールド11」はA2サイズ(たぶん)の両面印刷で、「シマケンコイル」や「「シマケンノット」といった、島崎さんオリジナルのアイデアが紹介されています。表面が島崎さん本人による文章による解説、裏面が島崎さんの手書きのイラストによる解説となっています。A2サイズの両面印刷といっても、その中身は物凄く濃く、この付録だけでこの本を購入するだけの価値があると思います。
 私は渓流でニンフの釣りをしないので、シマケンコイルは管理釣り場でしか試したことがないのですが、非常に独創的で理に適った実用的なアイデアです。

 水生昆虫の知識がなくてもフライフィッシングは十分楽しめるのですが、知識があればより広く、深くこの釣りを楽しむことができます。この本に書かれている内容は実際に自分で体験して初めてその意味が理解できる類いのものですので、経験を積めば積むほどその価値が理解できると思います。また、水生昆虫の図鑑としてもこれまでになかったライブ感覚溢れる素晴らしい内容になっていますので、初心者の方からベテランの方まで値段以上の価値のある大変お買い得な本だと思います。

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