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2021年6月26日土曜日

Mario Wojnicki Catalog


 今回はマリオ・ウジニッキのカタログを紹介します。

 このカタログを入手したのは2003年で、確か当時未だマリオ・ウジニッキはウェブ・サイトを開設しておらず電子メールアドレスが分からなかったので、手紙を送ってカタログを送ってもらいました。

 このカタログもフリースの日本語版カタログと同じく写真が一切ないのですが、グリップとリールシートの形状が分かるイラストが載っています。
 カタログの内容としてはシンプルで、竿のテーパーデザインとホロービルド、フェルール、グリップ等の説明に続けて、バンブーロッドとグラスロッドの各モデル毎の簡単な解説が掲載されています。

 ページ数も少ないので、読み物としての面白みには欠けますが、手紙を送って直ぐにカタログが送られてきて大変嬉しかった思い出もあり、宝物の1つになっています。
 今はウェブ・ページで簡単に情報にアクセスできたり、連絡をとるのも電子メールですぐに返事がもらえたりと大変便利になりましたが、郵便で返事が来るのを心待ちにしたり、封筒の封を切るときのワクワクが無くなってしまったので、少し寂しく感じます。

2018年7月14日土曜日

Mario Wojnicki(その2)217P4


 前回の255F4はバンブーロッドでしたが、マリオ・ウジニッキの2回目はグラスロッド、217P4です。この竿はいろんな方がいろんなメディアで紹介されているとおり、ウジニッキのグラスロッドの中でも特に有名で、私も確かに名竿だと思います。

 マリオの竿のモデル名はcm表記なので、この竿の長さは217cm(換算すると7フィート3インチに少し足りない)です。ラインは4番です。217P4のPはパラボリックで、ウジニッキ氏によると、この竿は「true parabolic action」となっています。
 テーパーデザインとしては、太目のティップに強いミドル、そしてこの竿の最大の特徴ですが、3ピースのバットセクションがグリップに向けて細くなっており、全体としては所謂コンベックステーパー(凸型テーパー)という特殊なテーパーになっています。
 そのため、ライン負荷の軽い状態からバットが曲がりやすくなっており、キャスティングするとショートキャストでもバットの曲がりを感じ取ることができます。


 このようなテーパーデザインにより、素振りすると全体に張りがあり、硬く感じるので、至近距離はキャストしにくいのではないかと思いますが、これが不思議なことに、意外と至近距離でもラインの乗りがよく、タイトループで正確なキャスティングが可能です。また、バットが曲がりやすいので、向かい風の時などバットを曲げこんでパワフルなラインを投げることも可能です。
 グラスロッドというと、ベネベナ、ボテボテした竿をイメージされる方も多いと思いますが、この竿はそのようなことは全くありません。ロッドスピードがバンブーロッドに近いため、キャスティングするとバンブーロッドを振っているかのように感じます。


 この竿は、前回の225F4とは違い、一時期非常に良く使っていました。7フィート3インチ弱で4番というスペックも、日本の渓流では使いやすく、ヤマメやイワナを釣っても楽しい竿です。
 この竿は、225F4を待っている間に注文したのですが、当時注文してから2か月もかからないうちに手元に届きました。ウジニッキのバンブーは、確かに素晴らしいのですが、グラスロッドの出来が素晴らしいので、価格や納期を考えると、ウジニッキ氏には申し訳ないですが、個人的にはグラスでも十分ではないかと思ってしまいます。

2018年7月7日土曜日

Mario Wojnicki(その1)225F4


 今回はマリオ・ウジニッキのバンブーロッド、225F4、7フィート5インチ、4番を紹介します。

 ウジニッキは5角のバンブーロッドで有名ですが、この竿は6角竿です。ウジニッキ曰く、氏の竿の中でもし古典的なバンブーロッドを1本選ぶとすれば、この竿とのことで、おそらくどんな人にも扱いやすい、繊細なドライフライアクションの竿です。
 テーパーを計測したわけではありませんが、キャスティングした感覚やベンディングカーブは、以前紹介した朝間ロッドのパーペキショニストに似ており、おそらくヤングのPerfectionistが元になっているのではないかと推測します。フリースのKatana704ほどではありませんが、4番ロッドとしてはティップは非常に繊細です。


 ウジニッキのバンブーロッドは、日本でも非常に人気が高いですが、実際に手にするとその理由が良く理解できます。アメリカのビルダー(実際はポーランド出身ですが・・・)としては、日本人のビルダーに匹敵するほど、作りが繊細かつ丁寧で、非常に美しい竿です。私はウジニッキのバンブーはこの竿しか知らないのですが、この竿は日本のヤマメやイワナを釣っても十分楽しい繊細さを持っています。


 ウジニッキの竿は、竿袋も非常によく考えられた使い勝手の良い独自の構造になっており、丁寧に作られています。私は自分で作った竿の竿袋を作るために、手元にある様々なビルダーやメーカーの竿の竿袋を片っ端から調べて、竿袋にも丁寧に作られたものから、そうでないものまで、いろいろあるのに初めて気が付きました。おそらくウジニッキ氏は自分で竿袋を縫っているのではないかと推察しているのですが、こんなところにも氏の人柄が表れているように思います。

 ウジニッキのバンブーロッドは中空構造なのですが、この竿は重量に関してはソリッドに比べ劇的に軽いとは言えないと思います。それよりも中空の効果は、反発力を上げることに効いていると思います。この長さのバンブーロッドとしては、比較的速いストロークにも竿が追従しますので、バンブーロッドに慣れていない人や、バンブーロッドでも速いロッドアクションを好む人にとっても、キャスティングしやすい竿だと思います。

 ウジニッキ氏は大変人気があるビルダーなので、この竿もオーダーしてから竿が届くまでに約5年かかりました。非常に使いやすい竿なので、もっと頻繁に活躍してくれるはずだったのですが、実は一度ブランクの接着が一部剥離するというトラブルを起こし、修理に出しているため、それ以来なんとなく怖くてほとんど渓流に持ち出していないのがなんとも残念です。