2020年3月21日土曜日

SMITH Marryat MR(その2)


 マリエットMRの2回目は、ドラグ機構について書きたいと思います。出来るだけ分かりやすく書きたいと思いますが、機械的なことに興味のない方は、流して読んでいただければと思います。

 マリエットMRの優れた点として、美しいデザイン、ディスクドラグ装備なのに非常に軽量であること、高い加工精度などが挙げられますが、私はその独自のディスクドラグ機構に魅力を感じます。

 フライリールのディスクドラグは、コルクやカーボン、樹脂などの平板ディスク(プレート)を押し付けるタイプのものと、金属のブレーキドラムをシューで挟み込むタイプの2種類が主に使われています。マリエットMRは、ボグダンのサーモン、スチールヘッドリールと同じく後者のタイプを使用しています。スミスはディスク・ブレーキと呼んでいますが、ドラム・ブレーキと言った方が正解かもしれません。


 上の写真は、マリエットMRのスプールを外すと見ることができるドラグ機構です。中央の円い部品がブレーキドラムで、その左右を挟み込んでいる白い樹脂のパーツがブレーキシューです。シューを支えているアームは、リール裏面のノブを回すとカムにより写真の上下方向に動くようになっており、ブレーキドラムへの押し付け力が変わるようになっています。このあたりのメカニズムは、ボグダンと基本的に同じです。

 ディスクドラグには、正転(巻き取り)時はスプールがドラグ機構から切り離されて自由に回転し、逆転時はスプールがドラグ機構に繋がるようにするクラッチ機構が必要です。


 マリエットMRは、ブレーキドラムの内側にクラッチ機構が内蔵されており、ブレーキドラムのカバーを外すと上の写真のクラッチ機構が現れます。ローラーと板バネを使った所謂ワン・ウェイ・クラッチになっています。

 3個のローラーが接している穴の開いた部品が、クラッチホイールという部品で、スプールに取り付けられたピンがこの穴に入ることによって、スプールがクラッチホイールに固定されます。正転時は3個のローラーが回転できるようになっており、クラッチホイールに固定されたスプールはブレーキドラムの中でローラーを介して回転しますが、逆転時はローラーが回転できないようになっており、ローラーとクラッチホイールとの間の摩擦力でクラッチホイール/スプールとブレーキドラムとが固定され、ブレーキシューとの摩擦でスプールの回転にブレーキがかかるようになっています。
 巻き手方向は、板バネとローラーの位置を左右反対にすることによって変更することができます。

 発売当時のマリエットMRは、クラッチにボグダンと同じく歯車と爪を使ったラチェットが使われていました。


 クラッチホイールの下には、クリック音を発生させるためのギアがあり、出荷時は巻き取り時は無音、逆転時にクリック音が出るようにセッティングされてますが、変更することが可能です。
 上の写真で見えているギアはクラッチプレートに固定されるようになっているギアで、このギアの下にブレーキドラムに固定されたギアが隠れています。ギアの左側に小さな爪が見えていますが、爪は段付きになっています。上の写真では爪がブレーキドラムに固定されたギアと接触するようになっているため、逆転時にクリック音が出るセッティングになっています。爪の上下をひっくり返すと、爪がクラッチプレートに固定されたギアと噛み合うので、正転時にクリック音が出ます。爪を取り外してしまえば、正転、逆転どちらも無音になります。

 私も一度正転時にクリック音が出るように変更しようとしたことがありますが、ギアの噛み合いが微妙で音が出たり出なかったりするので、出荷時の逆転時クリック音のセッティングで使っています。

 ブレーキドラムには、カバーがついていますが、完全に密閉されている訳ではないので、砂などの異物が入り込んでしまうと、トラブルの原因になります。また、ブレーキドラムはアルミ合金製なので、メンテナンス時などに傷をつけてしまうと、正常に動作しなくなる可能性があります。左右の巻き手方向を変更するには、分解する必要があるので、少し面倒です。
 後になって発売されたマリエットCMRというリールでは、これらの問題を解決するために、ローラークラッチが内蔵されたブレーキドラムが密閉式になっており、ブレーキドラムをひっくり返すだけで、巻き手方向を変更できるように改良されていました。

 マリエットMRのドラグは、リール本体裏面のノブを回すことにより、最小から最大まで半回転(180度)で無段階に調整することができます。最小はミッジフライを細いティペットで使用する際に十分使える弱さですし、最大は淡水魚を相手にするのであれば十分な強さだと思います。


2020年3月14日土曜日

SMITH Marryat MR(その1)


 今回から4回かけて、スミスのマリエットMRシリーズについて書きたいと思います。

 マリエットMRは1978年に発売された大変歴史のあるリールです。ハーディーのマーキスやオービスのCFOと同じくアウトスプールタイプの片軸受けタイプで、非常にスムースなディスクドラグ(ドラムドラグと言った方が正解かもしれませんが・・・)を装備したリールです。


 当時の国産フライリールは、ハーディーやオービスのリールをコピーしたものが多かったのですが、マリエットMRは同時期に発売されたサセックスのリールとともに、国産オリジナルフライリールの先駆けと言えます。特にマリエットMRはその美しいデザインと高い品質、オリジナルのディスクドラグ機構といった点で、ハーディーやオービスと肩を並べることができた国産で初めてのリールと言ってよいと思います。

 実際にこのリールは、かつてアメリカやイギリスのフライショップで発売されていましたし、トーマス&トーマスがカタログに掲載して販売していた時期もありました。


 発売当初は、スプールに穴が開いているタイプと開いていないタイプの2種類が発売されていましたが、長い歴史の中で穴が開いているタイプのみとなりました。また、発売当初のカラーは、ゴールドとブラウン(当時のカタログではブラックと呼ばれていました)でしたが、その後つや消しのブラックが追加されました。

 サイズは直径68mmのMR-7から82mmのMR-9までの5つがあり、渓流から湖、ソルトウォーターまで対応できる幅広いラインナップが揃っていました。


 マリエットMRは、ハーディーのライトウェイト・シリーズ、マーキス・シリーズ、オービスのCFOと同じく、歴史的な銘品といっても良いと私は思うのですが、ラージ・アーバー化の流れに勝てず、随分前に製造中止になってしまったようです。
 一時期、このリールがヤフオクや楽天、量販釣具店の店頭で、激安で在庫処分されていたのを記憶されている方も多いと思います。スミスのウェブ・サイトやカタログには未だ掲載されているのですが、どうも小売店とスミスの在庫のみとなっているようです。

 オービスのカタログからCFOの名前が消え、ハーディーのライトウェイトシリーズ、マーキスは、昔の面影は残っているもののオリジナルとは別物となり、長くフライフィッシングを愛好してきた者としては、少し寂しさを感じざるを得ません。


2020年3月7日土曜日

Danielsson Midge


 今回はダニエルソンのミッジを紹介します。

 ダニエルソンと言うよりも、ループと言った方が長くフライフィッシングをされている方にはなじみがあるかも知れません。
 スウェーデンのダニエルソン社は、ループのOEMでリールを作っていましたが、ループがリール製造を韓国のメーカーに移したため、自らのブランドでリール販売を行うようになりました。ループのミッジとダニエルソンのミッジはブランド名が違うのと、リールフットの付け根の形状が異なるだけで、全く同じリールです。ループのリールは、昔セージブランドでも販売されていました。


 ループ(ダニエルソン)のこのタイプのリールは、ラージアーバーリールの元祖で、フライリールの歴史の中でもエポック・メーキングなリールと言えます。
 現在でもほとんどのフライリールは、片軸受けではスプール中心を貫通、両軸受けではスプールに固定もしくは一体化したシャフトが存在しますが、このリールにはシャフトが存在せず、スプールの内側を3つのローラーが支える構造になっています。


 ローラーを支えるパーツの中心にあるノブを回転すると、ローラーをスプールに押し付ける強さが変わり、スプールの逆転にブレーキをかける強さが変わりますが、正転方向も同じ強さのブレーキがかかるので、ドラグ機構として使用することはできません。
 このリールを使って魚とやりとりをする際は、巻き取りに支障のない強さにローラーの押し付け力を調整しておいて、スプールを手で触ってブレーキを掛けるあるいは、ロッドハンドでラインを保持し、魚の引きに合わせて保持力を変えてラインを送りだすことになります。
 滑り出しは非常にスムースなので、細いティペットを使って鱒を相手にするには非常に良いと思います。


 ダニエルソンのこのタイプのリールは、オリジナルシリーズと呼ばれており、ミッジはその中で最小のリールです。私はDT-2Fを巻いてアーキストリアルの2番ロッドで使用しています。
 私のアーキストリアルの2番ロッドには、昔のベリンジャーのアップロックタイプのスライドバンドリールシートが付いているのですが、リールフットが薄いリールしか装着することができず、アーキストリアル代表の羽田さんに相談したところ、推奨されたのがループ(ダニエルソン)のミッジでした。

 このブログを書くために、ダニエルソンのウェブサイトを調べたところ、ミッジはいつの間にか廃番となっていました。現代のフライリールは、ディスクドラグを装備したものが主流となり、ダニエルソンにもそのようなラインナップがありますので、ミッジ以外のオリジナルシリーズのリールが製造終了となる日も近いかもしれません。


2020年2月29日土曜日

Orvis CFOⅢ(その2)


 CFOⅢの2回目は1989年に限定生産されたゴールドのCFOⅢを紹介します。

 ゴールドのCFOⅢは、このリール以前にも1976年にアメリカ建国200周年を記念してシルバーのモデルと同時に500台ずつ限定生産されたものがあったようです。1989年モデルがシャンパンゴールドに近い、淡いゴールドカラーであるのに対し、1976年のモデルは、もっと濃いゴールドのようです。


 ゴールドカラーのリールは、オーブンフィニッシュのバンブーロッドによく似合うので、私は好きでいろいろと持っていますが、このCFOⅢはDT-4Fを巻いて羽舟さんの竿北岡さんの竿で使用しています。ちなみに羽舟さんも生前はCFOがお好きだったようで、羽舟さんの工房で試し振りをさせていただく際は、いつもCFO(グレイの標準モデル)でした。


 1989年のCFOは未だ鋳造の時代ですが、このゴールドバージョンや1976年のゴールドバージョンは、表面に切削痕が見られ、バーストックからの削り出しで製造されていたようです。鋳造のCFOも最終仕上げは切削加工でしたので、表面処理の違いにより切削痕が見えているだけかもしれません。


 CFOやフェザーウェイトといった、ハーディー製のクリックタイプのリールは、製造された年代によって、クリックの強さに差があり、今回紹介のゴールドモデルは、前回紹介した標準モデルよりもクリックの強さが弱くなっています。

 CFOは機能的にもデザイン的にも非常に優れたリールで私も好きなリールの一つですが、どちらかというと私はハーディーのライトウェイトシリーズの方が好きなので、私が持っているCFOは前回紹介したリールと今回のリールの2つだけです。


2020年2月22日土曜日

Orvis CFOⅢ(その1)


 今回はオービスのCFOⅢを紹介します。

 このリールは、1983年に購入したもので、私が初めて購入したフライ・リールです。
 当時フライフィッシングを始めるにあたり、フライロッドはキャスティングが上手くなってから良いものを購入すれば良いと思い、最初の1本に安価なノクソンを選びましたが、フライリールは1個あれば良いと思っていましたので、最初から良いものを購入しようと考え、一番欲しかったCFOⅢを購入しました。

 当時のCFOⅢは、価格が3万円以上と大変高価で、アブのアンバサダーと同じくらいの値段でした。なぜこんな単純な構造のフライリールが、複雑な機構を持つアンバサダーと同じくらいの値段なのか、疑問に思ったものです。


 CFOⅢは直径が3インチ(約76mm)で、当時日本の渓流のフライフィッシングで標準とされていた4番、5番ラインに適したサイズのため、ハーディーのフェザーウェイトやマーキス4、5と並んで、日本でもっとも人気がありました。

 CFOシリーズをデザインしたのはスタン・ボグダンです。ボグダンのCFOプロトタイプは、以前のブログに書いたように、市販されたCFOとは若干異なるのですが、軽量化のためにスプールの表面と裏面、ボディの裏面に多数開けられた穴、フレームを持たないアウトスプール、つばのついたスプールといった特徴は、製品版のCFOに反映されています。
 フェザーウェイトやマーキスに対し更に軽量であることも、優れた点です。


CFOは機能的に優れているだけではなく、デザインが秀逸なので、オービスのロッドはもちろん、どんな竿に対しても似合います。


 私のCFOⅢにはラインガードが装着されていません。雑誌やカタログで見たCFOⅢにはラインガードが付いているのに、なぜ自分のCFOにはついていないのか、不良品ではないかと当時は思っていましたが、製造時期によってラインガードのついていないものもあったようです。

 CFOシリーズは、最初鋳造で作られており、ハーディーがOEM生産していましたが、1992年にバーストックからの削り出しとなり、ブリティシュ・フライリール社製になります。
 その後、2004年に大きなモデルチェンジがあり、ブラウン・ブロンズカラーの随分雰囲気の違うリールになってしまいました。さらに、最近まで昔のデザインに回帰したアメリカ製(確かエーベルが生産していたと思います)のクリックタイプのCFOが非常に高い値段で販売されていましたが、これも生産中止となり、オービスのカタログからCFOの名前は消えてしまったようです。



2020年2月15日土曜日

Waterworks-Lamson Speedster 1.0


 今回はウォーターワークス・ラムソンのスピードスター1.0を紹介します。

 ウォーターワークス・ラムソンのスピードスターは、現在も発売されているリールですが、私のリールはその初代モデルです。このブログを書くために、ウォーターワークス・ラムソンのウェブ・サイトを久しぶりに覗いたところ、スピードスターは今年モデルチェンジして、現在はスピードスターSという名前になっていました。ウォーターワークス・ラムソンの他のモデルと同様に、現行のスピードスターは大胆に肉抜きされた隙間だらけの格好良いデザインになっていますが、ウォーターワークス・ピューリストを連想させる初代スピードスターのシンプルなデザインもなかなか良いと思います。モダンなバンブーロッドにも、意外と似合います。


 スピードスター1.0は、スピードスターの最小モデルです。3番ライン用のリールですが、私はWF-4Fを巻いて使っています。バッキングは全く巻けませんが、渓流で使用するので問題ありません。4番ラインだと、スピードスター1.5が適切なサイズなのですが、ラージアーバーのため径が大きく渓流用の短い竿には合わないので、1.0を選びました。


 ウォーターワークス独自のディスクドラグは、滑り出しが滑らかで、渓流魚を相手にするには充分すぎるドラグ強度を備えています。
 ピューリストシリーズほどではありませんが、軽量であることも、大きな利点です。

 難点は、最近の他のメーカーのリールと同様に、フットの厚みがあるので、昔の竿ですとリールが装着できない場合もあります。


 ウォーターワークス・ラムソンのリールは、現在発売されているリールのほとんどがそうであるように、CNC旋盤やマシニング・センターを使って、バーストック材から自動で削り出して作製されています。
 この方法は本来精度良く加工できるのですが、現在発売されている削り出しリールのほとんどが、鋳造で製造された昔のハーディーのリールと比べても、スプールとフレームのクリアランスが大きくなっています。これは、おそらくメーカーがコスト(歩留まり、加工効率等)を重視して、公差の大きな設計にしているからだと思います。しかし、ウォーターワークス・ラムソンのリールは、他のメーカーの削り出しリールに比べ、クリアランスが小さく、加工精度が高いのが特徴です。

 ちなみに、鋳造で製造されたリールは、削り出しリールよりも精度が低いと思われがちですが、ハーディ・ブラザーズ時代のハーディ・リールは、非常に高い精度で加工されています。これは、鋳造といっても、ある程度の形状まで鋳造で作製した後、職人が手動で旋盤を使って最終的な形状に仕上げていたためです。

2020年2月8日土曜日

Waterworks Purist ULA P1 Japan Special


 今回もウォーターワークス、ピューリストULAの中から最小モデル、P1を紹介します。

 P1の標準モデルは、前回紹介したP2と同じくシルバーグレイのスプールにブラックのフレームというカラーリングでしたが、今回紹介するP1は確か2004年に日本で300台限定販売されたもので、マホガニーレッドのスプールにグレイのフレームとなっています。重量はカタログスペックで74gと超軽量です。


 P1はWF-3Fくらいまで巻けるので当時日本で大変人気があり、本国のアメリカで生産中止になった後も、日本向けに何年か継続して生産されていました。日本向け限定生産のジャパンスペシャルは、このリール以降も何度か発売されました。


 このリールはフリースのヌードル用に購入したもので、ラインは当時フリースが好んで使用していたコートランドの444クリアクリークのWF-3を巻いて使用していました。

 ヌードルは8フィート2、3番の大変しなやかで軽量な竿なので、軽量なP1との組み合わせは非常にバランスが取れています。ヌードルはもっぱらミッジの釣りに使用していたのですが、P1はクリックドラグながら、逆転時のクリックの強さがちょうどよく、バックラッシュしにくいため、繊細なティペットを用いるミッジの釣りに最適でした。


 レッドというフライリールとしては奇抜なカラーも、フリースの竿と組み合わせると意外と違和感なく、アバンギャルドなフリース竿と良くマッチしていると思います。

 ウォーターワークス/ラムソンは、今も先進的なリールをリリースし続けていますが、ピューリストULAシリーズは、その原点となるリールで、ひと昔前のリールながら、今でも全く古さを感じないリールだと思います。


2020年2月1日土曜日

Waterworks Purist ULA P2


今回はウォーターワークスのULAピューリストP2を紹介します。

 ULA(Ultra Large Arbor)ピューリストシリーズは、ウォーターワークス創業当初のモデルで、独自のクリック機構と軽量化のための大胆なデザインを有する大変独創的なリールです。

 それまでのリールのクリック機構は、ハーディのチェック機構に代表される、金属のバネと爪、ギアを使用したものでしたが、ピューリストシリーズでは樹脂のパーツがラージアーバーのスプール内周に加工された凹凸に引っ掛かる大変シンプルな構造になっています。クリックの強さは、六角ナットで固定された樹脂パーツを動かすことにより、調整できるようになっています。


 フレームはリールフット、リールシャフトを取り付けるための最小限の体積しかなく、リールシャフト等のパーツにチタン合金を用いるなど、徹底した軽量化が図られており、4番、5番ライン用のP2で僅か78g(カタログ値)の重量しかありません。


 従来のフライリールの常識から大きく外れた、奇抜とも言ってよいデザインですが、意外なことに、最新のグラファイト・ロッドだけでなく、ビヤーネ・フリースなどのモダンなバンブーロッドにも似合います。私はP2にWF-4を巻いて、朝間ロッドの7フィート6インチ、4番で使用していました。
 フリース自身も、バンブーロッドといえどもリールは軽量であればあるほど良いと言っており、ULAピューリストシリーズを自身の竿と組み合わせて良く使用していました。

 ティップアクションや高番手で長めのバンブーロッドには、重心がグリップ近くに来るように重めのリールを組み合わせた方が、疲れなくて良いのですが、パラボリック・アクションや得に軽量に作られたバンブーロッドでは、できるだけ軽いリールを使った方が、バランスが良いように思います。


 ULAピューリストシリーズは、極めて軽量であり、ラージ・アーバーのためラインの巻き取り速度が速く、見た目によらず頑丈と、機能的には大変優れていますが、スプール幅が非常に広いので、巻き取ったラインが偏りやすいのが弱点です。
 また、このリールに限らず、ウォーターワークス・ラムソンのリールは、リールフットが厚いため、古い竿など竿によっては装着できない場合もあります。

 ULAピューリストシリーズは、廃番になって久しいですが、その後のフライ・リールのデザインに新しい流れ作った名作だと思います。

2020年1月25日土曜日

Blanks in stock


 在庫しているブランクをご紹介します。

(1)Diamondback 7'6" #4/5 2piece  ・・・2本
(2)Diamondback 6'6" #4/5 2piece  ・・・1本
(3)Scott 6'6" #3/4 2piece      ・・・1本
(4)SAGE GFL686 8'6" #6 2piece  ・・・1本
(5)SAGE GFL 690 9' #6 2piece   ・・・1本

(1)Diamondback 7'6" #4/5 2piece


 70年代、80年代からフライ・フィッシングをされている方には懐かしい、レナード・ゴールデンシャドウやマリエット・ダイヤモンドバックに使用されていた、クロスバインディング模様が美しい、グラファイト・ブランクです。#4/5指定ですが、DT-4Fがベストマッチです。ブランクカラーは、マリエット・ダイヤモンドバックと同じグリーンです。
 製作例および竿の詳細はこちら

(2)Diamondback 6'6" #4/5 2piece




 Diamondback 7'6" #4/5と同じく、昔のダイヤモンドバックのグラファイト・ブランクです。#4/5指定ですが、DT-4Fがベストマッチです。ブランクカラーは、レナード・ゴールデンシャドウと同じブラウンです。
 ブランクの詳細はこちら

(3)Scott 6'6" #3/4 2piece



 ハリー・ウィルソンとラリー・ケニーがサンフランシスコで竿を作っていた時代に、佐々野釣具の佐々野さんが工房を訪問して仕入れてきたという曰く付きのグラス・ブランクです。
 ブランクの詳細はこちら

(4)SAGE GFL 686 8'6" #6 2piece
(5)SAGE GFL 690 9' #6 2piece


 ドン・グリーンがブランクの設計を、スティーブ・レイジェフが専属アドバイザーを勤めていた80年代初期のセージの最初期モデルのグラファイト・ブランクです。リザーブパワーシリーズ以降のセージの竿とは異なり、それほど弾性率が高くない素材を使用し、厚めに巻かれたブランクですので、重量はややありますが、比較的ゆっくりとしたストロークでキャストできるトルクのあるブランクです。

 スレッド・カラー、コルクグリップの形状、リール・シートの種類等、お好みに合わせてカスタム・メイドいたします。
 リール・シートは、REC、Bellingerなどの中からお好みに合わせてセレクトします。


 ステファン・ブラザーズのブランクは、ご注文を受けてからのお取り寄せとなります。


 その他、国内、海外各メーカーのブランクを取り寄せて作製することも可能です。

 フライロッド以外にも、渓流用スピニングロッド、ベイトロッド、トップウォーター用ベイトロッドもお好みに応じて作製いたします。

 ご興味のある方は、yoshiharu.rod@gmail.comまで、お気軽にお問合せください。

※メールアドレスを間違えておりました。申し訳ございません。ご連絡いただいた方は、お手数ですが上記アドレスまで再度メールをお送りください。

2020年1月18日土曜日

Brightliver LIVER KAYAK 1562(その2)


 年末に組み始めたブライトリバーのリバーカヤックが完成しました。


 ラッピングの配色は、ラス・ピークのゼニス・グラファイトと同じブラックのスレッドにオレンジの飾り巻きです。


 バットエンドのラッピングは、いつもと同様にピンラインを3本ですが、今回は少し手間をかけて2本のラッピングを加えてラス・ピークと同じようにしてみました。


 ブライトリバーのチャッカー・ストレートシングルグリップを装着した時に、グリップエンドから50cmの位置にメジャーリング・ラップを入れました。


 ガイドはブライトリバー・オリジナルガイドです。ミルドラムのSRMGを模したビンテージ・スタイルのガイドですが、ガイドリングにはSiCが使用されています。


 トップガイドもブライトリバー・オリジナルです。

 リバーカヤックは、ブライトリバーの松本氏がカヤックの魅力にはまった2009年頃に、カヤック専用トップウォーターロッドとして開発された竿のようです。ブランクのみの販売でしたが、昨年完成品も発売されました。
 ブランクの素材にはTグラスが使われています。この素材は既に生産中止となっているそうです。リバーカヤックのブランクは、私がこのブランクを購入された後、ブライトリバーのオンライン・ショップからなくなっていましたので、ブランクとしてはもう入手できないのかもしれません。完成品は、ブライトリバーの取扱店に一部在庫があるようです。

 竿のインプレッションは、来シーズンしばらく使用した後で紹介したいと思います。


2020年1月11日土曜日

S.E.Bogdan Baby Trout Wide


 今回はS.E.ボグダンのベビー・トラウト・ワイドを紹介します。

 ボグダンはクラシック・タイプの両軸受リールの中でも大変人気のあるリールで、現在はメーカー自体がなくなってしまったのですが、メーカーが存在している間も中古市場では高額なプレミアがつくほどでした。

 ボグダンを有名にしたのは、強力なディスク・ブレーキを備えたサーモン、スチールヘッド用の大型リールですが、トラウト用の小型モデルも大変人気があります。また、ボグダンはオービスCFOをデザインしたことでも知られています(上の写真に写っている書籍に、ボグダンがデザインしたCFOのプロトタイプの写真が掲載されていますが、我々におなじみの市販モデルとは、随分と外観が異なります)。


 アメリカに古くからあったバンホフなどの両軸受けタイプのリールは、ベークライトのサイドプレートにニッケルシルバーのリム、ニッケルシルバーのピラーという独立したパーツを組み立てる方式で製作されていましたが、ボグダンは削りだしのアルミフレームにアルミのサイドプレートといった構成になっており、軽量に出来ています。私のベビー・トラウト・ワイドの重量実測値は119gであり、両軸受けリールとしては大変軽量になっています。
 ピアレス、サラシオーネのMkⅣ、ビル・バランといったアルミ一体型フレームを持つ両軸リールのオリジナルは、ボグダンです。


 サラシオーネのMkⅣなどは、おそらくマシニングセンターやNC旋盤などの自動加工機を使って部品を製作していると思われますが、ボグダンは手動の旋盤やフライス盤を使って製作されており、表面に旋削の加工筋目がはっきり見られます。そのため、大変手作り感溢れる味わい深い仕上がりになっています。


 このリールは、オークションで購入したものですが、ベビー・トラウト・ワイドが大変気に入り、5番ライン用にトラウトが欲しくなった私は、直接ボグダンにオーダーすれば、もっと安く購入できるのではと思い、ダメもとで手紙を書いてみました。
 すると、予想に反しすぐに返事が届き、封を切るまでは喜んでいたのですが、残念ながらアメリカ国外には発送しないとのことで、トラウト購入の夢は諦めました。
 当時、創始者のスタンリー・ボグダンに代わり息子のステファン・ボグダンが、リール製作を行っていましたが、その後しばらくしてそのステファンもリール製作を止めてしまいました。
 今となっては、ステファン・ボグダンからの手紙も、私の宝物です。