2020年3月7日土曜日

Danielsson Midge


 今回はダニエルソンのミッジを紹介します。

 ダニエルソンと言うよりも、ループと言った方が長くフライフィッシングをされている方にはなじみがあるかも知れません。
 スウェーデンのダニエルソン社は、ループのOEMでリールを作っていましたが、ループがリール製造を韓国のメーカーに移したため、自らのブランドでリール販売を行うようになりました。ループのミッジとダニエルソンのミッジはブランド名が違うのと、リールフットの付け根の形状が異なるだけで、全く同じリールです。ループのリールは、昔セージブランドでも販売されていました。


 ループ(ダニエルソン)のこのタイプのリールは、ラージアーバーリールの元祖で、フライリールの歴史の中でもエポック・メーキングなリールと言えます。
 現在でもほとんどのフライリールは、片軸受けではスプール中心を貫通、両軸受けではスプールに固定もしくは一体化したシャフトが存在しますが、このリールにはシャフトが存在せず、スプールの内側を3つのローラーが支える構造になっています。


 ローラーを支えるパーツの中心にあるノブを回転すると、ローラーをスプールに押し付ける強さが変わり、スプールの逆転にブレーキをかける強さが変わりますが、正転方向も同じ強さのブレーキがかかるので、ドラグ機構として使用することはできません。
 このリールを使って魚とやりとりをする際は、巻き取りに支障のない強さにローラーの押し付け力を調整しておいて、スプールを手で触ってブレーキを掛けるあるいは、ロッドハンドでラインを保持し、魚の引きに合わせて保持力を変えてラインを送りだすことになります。
 滑り出しは非常にスムースなので、細いティペットを使って鱒を相手にするには非常に良いと思います。


 ダニエルソンのこのタイプのリールは、オリジナルシリーズと呼ばれており、ミッジはその中で最小のリールです。私はDT-2Fを巻いてアーキストリアルの2番ロッドで使用しています。
 私のアーキストリアルの2番ロッドには、昔のベリンジャーのアップロックタイプのスライドバンドリールシートが付いているのですが、リールフットが薄いリールしか装着することができず、アーキストリアル代表の羽田さんに相談したところ、推奨されたのがループ(ダニエルソン)のミッジでした。

 このブログを書くために、ダニエルソンのウェブサイトを調べたところ、ミッジはいつの間にか廃番となっていました。現代のフライリールは、ディスクドラグを装備したものが主流となり、ダニエルソンにもそのようなラインナップがありますので、ミッジ以外のオリジナルシリーズのリールが製造終了となる日も近いかもしれません。


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