2020年2月22日土曜日

Orvis CFOⅢ(その1)


 今回はオービスのCFOⅢを紹介します。

 このリールは、1983年に購入したもので、私が初めて購入したフライ・リールです。
 当時フライフィッシングを始めるにあたり、フライロッドはキャスティングが上手くなってから良いものを購入すれば良いと思い、最初の1本に安価なノクソンを選びましたが、フライリールは1個あれば良いと思っていましたので、最初から良いものを購入しようと考え、一番欲しかったCFOⅢを購入しました。

 当時のCFOⅢは、価格が3万円以上と大変高価で、アブのアンバサダーと同じくらいの値段でした。なぜこんな単純な構造のフライリールが、複雑な機構を持つアンバサダーと同じくらいの値段なのか、疑問に思ったものです。


 CFOⅢは直径が3インチ(約76mm)で、当時日本の渓流のフライフィッシングで標準とされていた4番、5番ラインに適したサイズのため、ハーディーのフェザーウェイトやマーキス4、5と並んで、日本でもっとも人気がありました。

 CFOシリーズをデザインしたのはスタン・ボグダンです。ボグダンのCFOプロトタイプは、以前のブログに書いたように、市販されたCFOとは若干異なるのですが、軽量化のためにスプールの表面と裏面、ボディの裏面に多数開けられた穴、フレームを持たないアウトスプール、つばのついたスプールといった特徴は、製品版のCFOに反映されています。
 フェザーウェイトやマーキスに対し更に軽量であることも、優れた点です。


CFOは機能的に優れているだけではなく、デザインが秀逸なので、オービスのロッドはもちろん、どんな竿に対しても似合います。


 私のCFOⅢにはラインガードが装着されていません。雑誌やカタログで見たCFOⅢにはラインガードが付いているのに、なぜ自分のCFOにはついていないのか、不良品ではないかと当時は思っていましたが、製造時期によってラインガードのついていないものもあったようです。

 CFOシリーズは、最初鋳造で作られており、ハーディーがOEM生産していましたが、1992年にバーストックからの削り出しとなり、ブリティシュ・フライリール社製になります。
 その後、2004年に大きなモデルチェンジがあり、ブラウン・ブロンズカラーの随分雰囲気の違うリールになってしまいました。さらに、最近まで昔のデザインに回帰したアメリカ製(確かエーベルが生産していたと思います)のクリックタイプのCFOが非常に高い値段で販売されていましたが、これも生産中止となり、オービスのカタログからCFOの名前は消えてしまったようです。



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