2020年2月1日土曜日

Waterworks Purist ULA P2


今回はウォーターワークスのULAピューリストP2を紹介します。

 ULA(Ultra Large Arbor)ピューリストシリーズは、ウォーターワークス創業当初のモデルで、独自のクリック機構と軽量化のための大胆なデザインを有する大変独創的なリールです。

 それまでのリールのクリック機構は、ハーディのチェック機構に代表される、金属のバネと爪、ギアを使用したものでしたが、ピューリストシリーズでは樹脂のパーツがラージアーバーのスプール内周に加工された凹凸に引っ掛かる大変シンプルな構造になっています。クリックの強さは、六角ナットで固定された樹脂パーツを動かすことにより、調整できるようになっています。


 フレームはリールフット、リールシャフトを取り付けるための最小限の体積しかなく、リールシャフト等のパーツにチタン合金を用いるなど、徹底した軽量化が図られており、4番、5番ライン用のP2で僅か78g(カタログ値)の重量しかありません。


 従来のフライリールの常識から大きく外れた、奇抜とも言ってよいデザインですが、意外なことに、最新のグラファイト・ロッドだけでなく、ビヤーネ・フリースなどのモダンなバンブーロッドにも似合います。私はP2にWF-4を巻いて、朝間ロッドの7フィート6インチ、4番で使用していました。
 フリース自身も、バンブーロッドといえどもリールは軽量であればあるほど良いと言っており、ULAピューリストシリーズを自身の竿と組み合わせて良く使用していました。

 ティップアクションや高番手で長めのバンブーロッドには、重心がグリップ近くに来るように重めのリールを組み合わせた方が、疲れなくて良いのですが、パラボリック・アクションや得に軽量に作られたバンブーロッドでは、できるだけ軽いリールを使った方が、バランスが良いように思います。


 ULAピューリストシリーズは、極めて軽量であり、ラージ・アーバーのためラインの巻き取り速度が速く、見た目によらず頑丈と、機能的には大変優れていますが、スプール幅が非常に広いので、巻き取ったラインが偏りやすいのが弱点です。
 また、このリールに限らず、ウォーターワークス・ラムソンのリールは、リールフットが厚いため、古い竿など竿によっては装着できない場合もあります。

 ULAピューリストシリーズは、廃番になって久しいですが、その後のフライ・リールのデザインに新しい流れ作った名作だと思います。

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