2019年3月16日土曜日
Henryville Special
今回は有名なトラディショナル・カディス・パターンのヘンリービル・スペシャルを紹介します。
このフライは、これまで紹介してきたキャッツキル発祥のフライではなく、ペンシルバニアのハイラム・ボロブスト(Hiram Brobst)によって、1930年代に考案されたフライだそうです。
マイク・ローソン(Mike Lawson)のヘミングウェイ・カディスや、もっと新しところでは、レネ・ハロップ(Rene Harrop)のヘンリーズフォーク・カディスも、このフライの発展形と言えると思います。
ボディにパーマハックルを巻いて、ダウンウィングを取り付けるというのデザインは、現在最もポピュラーなカディス・パターンであるエルクヘア・カディスの原型とも言えるかもしれません。
ヘンリービル・スペシャルは、ボディとフロントに巻かれたハックルにより、水面上に高く浮くので、意外と視認性が良いのも特徴の1つです。
マラード・クイルのウィングは、鱒を1匹釣っただけでバラバラになってしまいますが、ウィングがバラけてしまっても釣果には影響はないようです。
オリジナルのヘンリービル・スペシャルのボディは、シルク・フロスですが、私はダビング材を使用しています。
私はカディス・パターンとしては、このフライよりも機能性に優れたエルクヘア・カディスや次回紹介予定のデラウェア・アダムスを頻繁に使用しますが、このフライのいかにもカディスっぽい外観やトラディショナルな美しいスタイルが好きで、ときどき気分を変えるために使用します。
また、フライを巻いていても楽しいフライです。
2019年3月9日土曜日
CASKET Hyper Breake HBB60MS
カスケットの本流トラウト用ルアーロッド、ハイパー・ブレイク、6フィート、2ピースをベイト仕様で組みました。
ハイパー・ブレイクの6フィートは、鳥取のとある河川の本流で40cmアップのヤマメをキャッチするために開発された竿で、本来はスピニングロッドです。
今回の依頼者のオーダーは、まさしく同河川で40cmアップのヤマメを確実にキャッチするためのベイトロッドでした。そこで、私が弟に作ったサツキマス用のスピニングロッドなどを振ってもらったのですが、もっと強い竿が欲しいとのことで、選んだのがこの竿です。
私は、カスケットのウェブ・サイトや以前のカタログを読んで、40cmのヤマメがかかっても大丈夫な竿を想像していたのですが、届いたブランクは40cmオーバーのヤマメしかターゲットにしていない、予想を遥かに超える剛竿でした。
依頼者はこれまで何度も40cmオーバーのヤマメに竿をのされたことがあるそうで、このくらいの竿が理想と手渡されたのは、なんとソリッドティップのバスロッドでした。ハイパー・ブレイクはチューブラーの竿ですが、ティップ先端径が1.1mmと繊細で、バットは60cmオーバーのブラウンがかかってもびくともしないだろうと思うくらいしっかりしていますので、正に依頼者の要望にぴったりの竿でした。
この竿の名前の綴りですが、私はすっかり「Hyper Break」だと信じて疑わず、竿にもそのように書いてしまったのですが、ブログを書くにあたって改めて調べてみると、「Hyper Breake」でした。
グリップはオーダーに従って太目に、バットエンドは金属にして欲しいとのことでしたので、金属プレートを装着しました。
リールシート・フィラーのウッドの種類も依頼者に選んでもらいました。
ラッピング・スレッドは依頼者がオレンジ色が好きとのことでしたので、オレンジ(Sunburst)にゴールドの飾り巻きです。
使ってもらえるのは、雪代が収まる4月下旬くらいからだと思いますが、40cmオーバーのヤマメを見事キャッチしてもらえるものと期待しています。
2019年3月2日土曜日
Ausable Wulff
前回のホワイト・ウルフに引き続き、今回もウルフ・パターンの中からオーサブル・ウルフを紹介します。
といっても、このフライ・パターンは、リー・ウルフ(Lee Wulff)ではなく、フラン・ベッターズ(Fran Betters)のオリジナルだそうです。
このフライのネーミングの元になっているオーサブル川は、ニューヨーク州キャッツキル山地を流れる川で、日本の渓流によく似た渓相をしています。フラン・ベッターズは、急流のオーサブル川を釣るために、良く浮いて視認性の良いこのフライを開発したそうです。
オリジナルのオーサブル・ウルフは、ソラックスと頭部が薄くオレンジがかった色調のカゲロウやカワゲラを模したフライで、そのためスレッドはオレンジ、ボディはラスティ・オレンジのファーで巻かれています。ランドール・カーフマン(Randall Calfman)のスティミュレーターでも同じ配色が使われています。
日本では、このような色調のカゲロウやカワゲラはいないので、私はマーチ・ブラウンと同じ色調でこのフライを巻いています。良く浮いて良く見えて丈夫なので、北海道でフライをあまり交換せずに釣りを続けたいときなどに、12番サイズのこのフライを良く使用します。
このフライをハッチ・マッチャーとして使用するのであれば、私はまとまったハッチに遭遇したことがないのですが、オオマダラカゲロウに良いのではないかと思います。
こんなボリュームのあるフライで日本の繊細なヤマメが釣れるのかと思う方もおられるでしょうが、ご心配なく。ヤマメは大きな餌を食べる時は、思っている以上に大きく口を開けるようで、流石にフッキング率は悪くなりますが、12番のウルフ・フライで新子ヤマメでも釣れてしまいます。
2019年2月23日土曜日
White Wulff
今回はホワイト・ウルフを紹介します。
ホワイト・ウルフは、リー・ウルフ(Lee Wulff)が考案した所謂ウルフ・パターンの1つで、ロイヤル・ウルフ、グレイ・ウルフと並んで、世界的に最も有名なフライの1つです。リー・ウルフもキャッツキル・レジェンド(キャッツキル地方で活躍した伝説的なフライ・タイヤ―、フライ・フィッシャーマン)の一人ですので、ウルフ・パターンもキャッツキル・パターンの1種と言えると思います。
ウルフ・パターンの特徴は、それまで鳥の羽(フェザー)を使用していたキャッツキル・パターンのウィングとテールに、獣毛を使用していることで、その結果浮力と耐久性がより優れています。
ホワイト・ウルフには、ウィングとテールにカーフ・テイルが使用されています。
このフライは、日本ではかつてイブニング・ライズ用のフライとして定番でしたので、70年代、80年代からこの釣りをされている方には、懐かしく思われる方も多いと思います。私は#10あるいは#12のフックの巻いたホワイト・ウルフを、いまでもイブニング・ライズ用のフライとして使用しています。特に北海道のニジマスの川では、イブニング・ライズの釣りではこのフライしか使用しません。
イブニング・ライズの釣りでは、ライズが始まってから暗くなってフライが見えなくなるまでの短時間、だいだい20分から30分くらいが勝負ですので、その間にいかに効率よく鱒をキャッチするかが重要です。そのため、フライには浮力が持続すること、鱒をキャッチした後に浮力が回復しやすいことが求められます。また暗い中でフライを結びかえるのは大変ですし、その時間も惜しいので、たとえフライを後ろの木に引っ掛けたとしてもフライを回収できる、大きなフライと太いティペットが有利です。そして何よりも重要なのは、薄暗い中でもフライが見えることです。
ホワイト・ウルフは、これらのイブニング・ライズの釣りでフライに求められる要素を高次元で満たしたフライです。
ホワイト・ウルフは、ヒゲナガのハッチに有効と良く言われますが、私の経験では、これは虹鱒に限ったことかもしれませんが、イブニング・ライズでは鱒がどんな虫を食べている場合でも、たいていの場合ホワイト・ウルフで十分釣りになると思います。鱒が食べている虫に合わせて見えないフライを投げるよりも、よく見えるフライを使ってフィーディングレーンに正確にキャストし、ナチュラル・ドリフトした方が、効果的なようです。
2019年2月16日土曜日
Rare Blank
6フィート6インチ、4番、2ピースのレアなブランクを2本入手しました。
1本はダイヤモンドバックのグラファイト、もう1本はスコットのグラスです。購入先は、バンブーロッド・マニアの間で有名な浮間舟渡の平野釣具です。
ダイヤモンドバックは、レナードのゴールデン・シャドーに使用されていたものと同じ、おなじみのガラガラヘビ模様のブランクです。ゴールデン・シャドーにこのスペックはなかったようですが、ブランクのカラーはゴールデンシャドーと同じです。
お店の表示は4番となっていましたが、ダイヤモンドバックの6フィート6インチの2ピースは2番手表示でしたので、おそらくメーカースペックは4、5番、実際は4番の方が適しているものと思います。
もう1本のスコットですが、これはかなりレアなもののようです。ブランクの色はチャコールグレーなので、最初お店で見つけた時は90年代のファイバータッチかなと思ったのですが、ノリエがスコットの代理店になるより更に前に、佐々野釣具の佐々野さんが直接サンフランシスコにあったスコットの工房で買い付けてきたものだそうです。
番手表示は3、4番となっていますが、4番の方が合ってそうです。
この2本の竿は、どちらもパラボリック・アクションという点では共通ですが、素材の違い以外にも設計コンセプトが異なります。
ダイヤモンドバックは、このシリーズに共通のスローテーパーで肉厚のブランクで、全体的に硬めのパラボリック・アクションです。
一方スコットは、肉薄のブランクでグラスということを差し引いても太目でファストテーパーになっています。ティップ径はグラスであるスコットの方がむしろ細いくらいです。こちらは、素材が昔のフェノールかポリエステルのレジンを使ったE-glassなので、大変しなやかなブランクです。
同じスペックのパラボリック・アクションの竿でも、両者は全く異なる正反対のコンセプトで設計され、正確も異なるものとなっており、このあたりがフライロッドの面白いところでもあります。
2019年2月9日土曜日
Light Cahill
今回も、キャッツキル・パターンの中からライト・ケイヒルを紹介します。
ライト・ケイヒルもマーチ・ブラウンやグレイ・フォックス同様に、キャッツキル地方ではヒラタカゲロウやタニガワカゲロウの仲間を模したフライのようです。
このフライを日本の渓流でハッチ・マッチャーとして使用する場合は、#12をエルモンヒラタカゲロウの雌のイミテーションとして、#16、#18をコカゲロウとして使用するのが良いと思います。
私はマーチ・ブラウンとグレイ・フォックスは、汎用的なフライとして使用しますが、ライト・ケイヒルは限定的な使い方をしています。代表的な使い方としては、#12をイブニングライズの釣りで良く使用します。全体的にライトジンジャーの明るい色調なので、光量の落ちたイブニングでも良く見えます。
もう一つは、4月末から5月初め頃、ミドリカワゲラが沢山ハッチしている時に、#14を使用します。
このフライも、私はボディをグース・バイオットに変更したものを使用しています。グース・バイオットをボディに巻く際は、タイイングを始める前にあらかじめ水に浸しておくと、柔らかくなって巻きやすくなります。また、グース・バイオットを巻く箇所に少量のヘッド・セメントを塗ってから巻いています。グース・バイオットを巻いた上からヘッド・セメントでコーティングしなくても、十分な強度が得られます。
ライト・ケイヒルは、私が中学生の頃、まだフライ・フィッシングを始める前に雑誌で目にし、その美しさにあこがれを抱いていたフライで、フライ・フィッシングを始めて一番最初に巻いた思い出のフライです。
2019年2月2日土曜日
Matagi TR60 Super Trout-2
本流でフローティング・バルサ・ミノーで釣りをするためのスピニング・ロッドを作製しました。ブランクは、大阪にあるロッド・ビルディング・ショップ、マタギのオリジナルブランク、TR60 Super Trout-2、6フィート、2ピースです。
このブランクは、ティップ径が1.08mm、バット径が6.2mmと非常に繊細で、重量が14.4gしかありません。指定ルアー・ウェイトは1.5~3.5gです。私は本流でのアマゴ、イワナ釣りには、ブラウニーの7cm、2.5gをメインで使用するので、ちょうど良さそうです。
ブランクの素材は、かなり高弾性率のグラファイトを使用しているようです。このような極細でティップで超軽量のブランクが作れるのですから、日本のブランクの製造技術は本当にたいしたものだと感心させられます(国産かどうかは不明ですが・・・)。
非常にしなやかなティップですが、バットは意外とパワーがありそうです。ただし、太い流れで尺クラスを掛けると、かなりスリリングではないかと予想します。
今回は、PurpleのスレッドにSunburstの飾り巻きにしてみました。
ホーム・リバーは、昨年2回ほど大増水でかなり荒れてしまったので、今年はかなり心配ですが、後日ブログでインプレッションで紹介したいと思います。
2019年1月26日土曜日
Grey Fox
今回は、私の好きなキャッツキル・スタイル・パターンの中から、グレイ・フォックスを紹介します。
このフライパターンが生まれたキャッツキル地方では、ダンのボディが黄色がかったクリームで羽がスペックルのヒラタカゲロウの1種をグレイ・フォックスと呼んでいるようです。日本ですと、キイロヒラタカゲロウやシロタニガワカゲロウが近い種だと思います。
このフライも前回のマーチ・ブラウンと同様に、渓流の釣り上がりの釣りで汎用的に使用できるフライですが、ハッチ・マッチャーとして使用するのであれば、こ淡い色のカゲロウやシマトビケラ等を意識して使用するのが良いと思います。
私はサイズ#14番を、4月から6月にかけてよく使いますが、これはこの時期に、上記をはじめとする淡い色の水生昆虫を渓で良く見かけるためです。
それ以外にも、天候や川底の石の色によって、マーチ・ブラウンでは視認性が悪い場合には、このフライを使用します。
グレイ・フォックスのウィングには、グレイ・マラードを使用しますが、これはマーチ・ブラウンのウィングに使用するウッド・ダックに比べて安価であることも、私がこのフライを多用する理由の1つでもあります。
私は、このフライも、ボディのマテリアルをグース・バイオットに変えたものをよく使用します。
グレイ・フォックスは、私が初めて尺イワナを釣ったフライでもあり、その意味でもお気に入りのフライになっています。
2019年1月19日土曜日
March Brown
これまでお気に入りのフライということで、キャッツキル・スタイル・ドライ・フライついて、5回にわたって書いてきましたが、今回から具体的なフライパターンについて紹介したいと思います。
第1回目は、キヤッツキル・スタイル・ドライ・フライの中から、マーチ・ブラウンを紹介します。
マーチ・ブラウンという名前のフライは、キャッツキル・スタイルのマーチ・ブラウンが生まれる遥か以前から、イギリスでウェット・フライとして存在しましたが、現在ドライ・フライとして良く知られているパターンは、ハリー・ダービー(Harry Darbee)やアート・フリック(Art Flick)によって完成されたものです。
フライの名前は、使用しているマテリアルに由来するもの、機能や特徴、色調に由来するもの、作者の名前に由来するものなど、様々ですが、そのフライがイミテートしている水生昆虫の俗称に由来するものも多くあります。マーチ・ブラウンもその1つです。
欧米のフライ・フィッシャーマンは、例えばブルー・ウィング・オリーブや、ペール・モーニング・ダンといったふうに、似たような色調、サイズの複数の水生昆虫を総称して、俗称で呼ぶことが多いです。マーチ・ブラウンは、その名前の通りだと「3月に羽化する茶色っぽいカゲロウ」ということになりますが、3月に羽化しないカゲロウでも似たような色調のものは、マーチ・ブラウンと呼ぶようです。
このフライが生みだされたキャッツキル地方では、主に早春に羽化するヒラタカゲロウの1種をマーチ・ブラウンと呼んでおり、日本だと色調は若干異なりますが、クロタニガワカゲロウが近いようです。
私はフックサイズ#14のマーチ・ブラウンを3月下旬から4月中旬にかけて良く使用します。その理由は、視認性の良い色調、サイズであることに加え、私のホームグラウンドの渓では、この時期、カゲロウに限らずカディスも含めて、茶色っぽい色調の水生昆虫が多くハッチするためです。特に里川の釣りで川の周りの桜が咲く頃は、オオクママダラカゲロウのハッチ・マッチャーとして、このフライを使います。
オオクママダラカゲロウは、アメリカではヘンドリクソンが非常に近く、これを模したフライはメスはヘンドリクソン、オスはレッド・クイルということになるのですが、私は視認性重視でマーチ・ブラウンを多用します。
オオクママダラカゲロウとマーチ・ブラウンの各部の色は、厳密には同じではないのですが、フライというのは、ぱっと見た時に何となくそれっぽいというのが重要で、フライの各部の色を本物の水生昆虫の各部の色にできるだけ似せてとやっていると、むしろどんどん本物から離れていきます。
キャッツキル・フライというのは、そのあたりがなんとも絶妙で、既存のパターンでほとんどの水生昆虫の色調をカバーできますし、アレンジするにしても、あまり多くを変更しない方が無難なようです。
オリジナルのマーチ・ブラウンのボディは、レッド・フォックス等のファーで、一般的にはその代替として化学繊維のダビング材を使用しますが、私はグース・バイオットにアレンジしたものを良く使います。こちらの方が水切れが良く、濡れても水を吸収しないので、浮力が持続しますし、フライを乾かすのも楽です。グース・バイオットのボディは意外と強く、耐久性も問題ありません。
マーチ・ブラウンのブラウンとグリズリーをミックスしたハックルは、日が差した水面では不思議と視認性が良く、これも私がこのフライが好きな理由の一つです。
2019年1月12日土曜日
Diamondback 7'6" #4-5
昔のダイヤモンドバックのデッドストックのブランクが手に入りましたので、組み上げてみました。スペックは7フィート6インチ、#4、5番になります。
ダイヤモンドバックは90年代の初め頃にスミスから販売されていた、マリエット・ダイヤモンドバックを2本所有していました。1本は今回組んだ竿と全く同じ7フィート6インチ、#4、5番、もう1本は7フィートの#3、4番です。
昔のダイヤモンドバックのブランクは、レナードのゴールデン・シャドウシリーズに使用されていたことで有名ですが、マリエット・ダイヤモンドバックはゴールデン・シャドウを意識した仕上げとなっており、オリーブ・グリーンのブランクに合わせてラッピングの色がグリーン調にアレンジされています。
マリエット・ダイヤモンドバックは、日本の某有名カスタム・ロッド・ビルダーが組み立てていたと何かで読んだ記憶がありますが、非常に美しい仕上がりになっています。
私が組んだ竿は、私の好みでラス・ピークを意識した仕上げにしています。
今回組んだブランクは、マリエット・ダイヤモンドバックと全く同じオリーブ・グリーンのカラーですので、ラッピングはダークグリーンにゴールドの飾り巻きとしました。
このダイヤモンドバックのブランクは、80年代の初め頃に設計されたものですので、比較的低弾性率のグラファイトを用いた肉厚のブランクになっており、現在のグラファイトロッドではほとんど見かけないスローテーパーのパラボリック・アクションの竿です。
したがって、ゆっくりしたキャスティングストローク(ロングストロークという意味ではありません)で、スロースピードのラインを投げるのに適しています。非常に素直なアクションですが、初心者向けではなく、ある程度キャスティングができる人向きの竿です。バンブーロッドに慣れた人向きとも言えます。
ラインは4、5番指定で、素振りすると5番のように感じます。しかし、実際にキャスティングしてみると、近距離は問題ありませんが、ある程度ラインを出すとタイトループのコントロールが難しくなるので、4番の方が向いていると思います。私はウェイトフォワードラインが好きなのですが、この竿に関してはダブルテーパーが向いていると思います。
パラボリックで全体に張りのあるアクションは、ラス・ピークのグラファイト・ロッドに近いと言えますが、3番手ライン指定のラス・ピークが、どのライン番手でも破綻なくキャスティングできるのに対し、ダイヤモンドバックのライン番手の許容範囲は狭いように思います。
ちなみに、7フィート#3、4番の竿は、3番を乗せても、かなり柔らかい竿で、良い型のイワナを掛けるとなかなかスリリングな竿でした。
追伸:
同じ7フィート6インチ、#4、5番の新品ブランクがあと2本ありますので、カスタムメイドさせていただきます。
ご興味のある方は、yoshiharu.rod@gmail.comまでメールでお問い合わせください。グリップ形状、リールシート、ラッピングスレッドの変更等、メールでご相談ください。
2019年1月5日土曜日
Catskill Style Dry Flies(その5)
今回は、キャッツキル・スタイル・ドライ・フライを使った釣りについて述べたいと思います。と言っても、これから述べることの多くは、基本的に渓流でのショート・リーダーを使ったドライ・フライの釣りに共通することです。
キャッツキル・フライではショート・リーダーを使用しますので、長いドリフトには向きません。ショート・リーダーでは、キャスティングの前に、鱒が定位しているであろう場所、フィーディングレーンをしっかり見極め、短いドリフトで鱒にフライを食わせることが重要です。適当にキャストして、だらだらと長い距離をドリフトするのではなく、ここに落として、ここでフライを食わせるというイメージをもってプレゼンテーションすることが重要です。
次にプレゼンテーションですが、短いドリフトでもキャストしたフライライン、リーダー、ティペットがフライまで伸びきっていては、フライが水面に落ちた直後からドラッグがかかりますので、適度にスラックを作る必要があります。
ピンポイントアキュラシーを落とさずに、ティペット、リーダーにスラックを作る一番簡単な方法は、プレゼンテーションでロッドティップを高い位置で止め、フライを空中で完全にターン・オーバーさせてから、フライを水面に落下させる方法です。スラックの大きさは、フライをターン・オーバーさせる高さで調整できます。ターン・オーバーさせる高さが低ければスラックは小さくなり、高ければスラックは大きくなります。高い位置でターン・オーバーさせるキャスティングは、バウンス・キャストと呼ばれる方法です。
アップストリームで釣る場合は、この方法でほぼ対応できますが、アップクロスやクロス、ダウンクロスで流心をまたぐ場合などは、サイドキャストでターン・オーバーする前にラインを水面に落下させるU字キャストや、スリークウォーターでフライをターン・オーバーさせずにフライを落とす方法も使います。
空気抵抗の大きなキャッツキル・フライをキャストするためにも、フライを狙ったピンポイントにキャストするためにも、ラインスピードはできるだけ遅い方が有効です。しかし、ラインスピードを遅くすればするほど、風の影響を受けやすくなります。
そこで、空気抵抗の少ないタイトループが有効になります。
強い向かい風の時は、ラインスピードを上げるよりも、ループを狭くしてサイドキャストする方が有効です。
プレゼンテーション毎に、鱒が定位している場所、フィーディング・レーンを読んで、ピンポイントに正確にキャストし、短いドリフトで鱒をドライ・フライに食いつかせる釣り方は、大変集中力が必要ですが、狙った通りにフライに鱒が出た時は、非常に満足感が得られます。
今回、私が紹介した釣り方は、そのほとんどが昔のフライ・フィッシングの教科書に当たり前に書かれていたものです。90年代に入ってからでしょうか、ロング・リーダー・ティペットの釣りがブームになり、リーダーの長さは異常なまでにどんどん長くなっていきました。ロング・リーダー・ティペットを使った釣りは、ティペットのトラブルも多く、空気抵抗の小さなフライしか使用できないので、使えるフライの種類も限定されます。そして何より、狙ったピンポイントにフライを1回でプレゼンテーションするのが、非常に難しいと思います。
ショート・リーダーを使った釣りは、トラブルも少なく、ピンポイントにフライをプレゼンテーションするのが容易で、ライン、リーダー、その先のフライまでコントロールしているダイレクト感を味わうことができます。
空気抵抗の大きなフライも使用できるので、良く見えるフライが使えます。私も釣り場や状況によっては、7Xのティペットに#20以下のドライフライを使った釣りもしますが、渓流の釣り上がりの釣りでは、#14、#12のキャッツキル・フライで十分、ヤマメやイワナは釣れます。#12のフライに4Xのティペットだと、バックキャストでフライを木に引っ掛けても、かなりの確率でフライを回収できます。
今時、私のように7フィート6インチのリーダーで釣りをしている人はめったにいないので、私と初めて一緒に釣りをした方は、私のリーダー、フライを見て驚かれます。フライボックスにぎっしり詰まったキャッツキル・スタイルのドライフライを見て、自分も久しぶりに巻いてみようかなとおっしゃる人も多いです。
でも、昔は短いリーダーで釣りをされていたベテランの方でも、リーダーを短くするのは、かなり勇気が必要なようです。
釣り方の好みやスタイルは人それぞれですので、私もこの釣り方を決して強制したりはしませんが、もしこれまでのブログを読んで、興味を持たれた方がおられれば、一度騙されたと思って、ショート・リーダーにキャッツキル・スタイルのドライフライを使った釣りを試されることをお勧めします。
仮に今までに比べ、釣れる鱒の数が減ったとしても(私はそうなるとは思いませんが)、きっと、なんと快適で楽しい釣りだと実感されることと思います。
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