2022年1月15日土曜日

テッド・リースン「フライタイイング・テクニック百科全書」

 

 久しぶりにお気に入りの書籍の紹介です。今回はフライ・タイイング関係の書籍の中から、テッド・リースン著の「フライタイイング・テクニック百科全書」を紹介します。

 この本の原題は「The Fly Tier's Benchiside Reference」で、日本では東知憲さんの翻訳で2003年にC&F DESIGNから発行されました。アメリカでもたいへん話題になった本だそうですが、日本でも発売当時話題になったのを覚えています。

 フライ・タイイングのあらゆるテクニックを網羅した百科事典的な本で、タイトル通りタイイング机の側に置いて、分からない時にページを開いて使うための本です。
 ページ数は463ページ、紹介されているテクニックは実に436です。その全てがステップ毎にカラー写真と文章で解説されているので、非常に分かりやすくなっています。ある程度フライを巻いた経験のある人であれば、フライの完成形とマテリアルが分かれば、初めてのフライでも、この本を参考にほとんどのフライを巻くことができると思います。

 比較的新しい本なので、伝統的なフライを巻くためのテクニックからシンセテック・マテリアルを使った最近のテクニックまで網羅されています。
 島崎憲司郎さんのシマザキ・フライウィングのテクニックも紹介されていますが、この原著が発売されたのが1998年ですので、マシュマロ・ボティーのテクニックは紹介されていません。
 フライの部位毎に章が分かれているので、自分が知りたいテクニックが探しやすくなっています。

 私はほとんど決まったフライしか巻かないので、この本を開く機会はそう多くないのですが、これまで巻いたことのないパターンを巻く時に重宝しています。新しいフライ・パターンをよく巻く人や、オリジナルのフライを考案する時などに非常に参考になると思います。

 非常に高価な本ですが、フライ・タイイングの好きな方、特に新しいパターンをよく巻く方にはそれだけの価値はあると思います。この本は今でもフライ・ショップを探せば購入できるようです。

2022年1月8日土曜日

Steffen Brothers(その22)Graphite 8' #2/3


  ステファン・ブラザーズのグラファイト、8フィート、2、3番、3ピースが完成しました。


 グリップはご依頼者のリクエストによりギャリソン・タイプのストレート・シガーの先端巻き上げ、リール・シート金具はRECのニッケル。シルバーのギャリソン・タイプのポケット&リングです。


 グリップの前の飾り巻きは、ダーク・ブルーにシルバーのメタリック・スレッドのピン・ラインを3本。グリップ・エンドから30.3cm(1尺)の位置にメジャリング・ラップ入りです。


 トップ・ガイド以外のガイド・ラップは、コバルト・ブルーです。写真では分かり難いですが、グリップ前、フェルール、トップ・ガイドのラッピングのダーク・ブルーよりも明るいブルーです。

 このブルーのグラファイト・ブランクはステファン・ブラザーズの当時のグラファイト・ロッドの中ではロー・モデュラスと呼ばれていたモデルですが、IM6程度の弾性率ですので一般的には中弾性グラファイトに分類されると思います。現在主流となっている高弾性グラファイトを用いたフライ・ロッドはブランクの肉厚が薄いものがほとんどですが、この竿はフェルール部の写真から分かるように、肉厚のブランクになっています。そのため、素振りした感触では2、3番ロッドにしては硬く感じるのですが、ラインを通すとブランクの粘りを活かしたトルクのあるループを生み出すのではないかと思います。ラインを通して試し振りをしていませんのであくまでも推測ですが、比較的ゆっくりしたストロークで振れるのではないかと思います。

 ご依頼者は忍野や桂川でライズを狙う釣りに使用されるとのことですが、小さなフライと細いティペットでライズを狙う釣りにはぴったりの竿ではないかと思います。


 ステファン・ブラザーズのデッド・ストックのグラファイト・ブランクは、現在8フィート、2、3番、2ピース、7フィート6インチ、3、4番、2ピース、7フィート3インチ、3、4番、4ピースの在庫が各1本ありますので、ご興味のある方はyoshiharu.rod@gmail.comまでお問い合わせください。お好みの仕様でカスタムメイドいたします。

2022年1月3日月曜日

Steffen Brothers(その21)Graphite 8' #2/3

 

 ステファン・ブラザーズのグラファイト、8フィート、#2、3番のロッド・ビルディングの続きです。

 今回のご依頼のラッピング・スレッドのカラーは、ガイド・ラップがブランクと同色か少し濃いブルー、それ以外は更に濃いブルーとのことでしたので、ブルー系のスレッドを試し巻きしたサンプルしゃしんを送って、スレッドを選定していただきました。
 グリップ上の飾り巻きは、グデブロッドの246ダーク・ブルーにシルバーのメタリック・スレッドのピン・ラインを3本です。ロッドエンドから尺(30.3cm)の位置にメジャーリング・ラップ付きです。


 ガイド・ラップはグデブロッドの50コバルト・ブルーです。ステファン・ブラザーズのグラファイト・ブランクのカラーは、光の当たり方によって色が変化し、グリーンがかったブルーにも見えるのですが、光の当たり方によっては、コバルト・ブルーに近い色に見えます。
 この状態では、ガイドラップのコバルト・ブルーよりもフェルール部やグリップ上のダーク・ブルーの方が明るいブルーです。



 1回目のエポキシ・コーティングが終わるとスレッドが透けてブランクの色の影響が出ますので、上の2枚の写真の様により透けやすいダーク・ブルーの方が濃い色になります。

 あと2回ずつエポキシを重ねて完成です。

2021年12月25日土曜日

Steffen Brothers(その20) Graphite 8' #2/3

 

 ステファン・ブラザーズのデッド・ストックのグラファイト・ブランク、8フィート、#2、3番を組みました。


 まずはコルク・リングをブランクに接着します。


 今回のお客様のリクエストは、ギャリソン・タイプのグリップで長さはリールシートも含めコルクリング18個、約230mm。太さはバランスを見ながら最大型22.5mmにしました。


 リールはラムソンのライト・スピードかCFO 123を使用されるということですので、ラムソンとCFOのフットに合わせてリールシートのコルクの太さを調整します。ライト・スピードの小さいサイズを持っていないので、同じラムソンのスピード・スターの一番小さいサイズを取り付けると上の写真のような感じです。

2021年12月18日土曜日

Ijuin-Rod(その1)

 


 霧島観光を兼ねて、先日のWoodStickでお知り合いになったIjuin-Rodの伊集院さんを訪ねて1泊2日で鹿児島に出かけてきました。

 一番の目的はWoodStickでは極一部しか振ることができなかった、Ijuin-Rodのいろんなモデルを試し振りさせていただくことで、現在のグラス・ロッドのラインナップ以外にも、伊集院さんが最初に作られたフェノール・グラスのグラス・ロッドや、今は製作されていないバンブー・ロッドなど、伊集院さんのお手元にある竿を片っ端から振らせていただきました。

 以下、インプレッションも含め、Ijuin-Rodの現在のラインナップを簡単に紹介させていただきます。

<Yomogi>



 Ijuin-Rodを代表するシリーズで、その名の通りヨモギ色のグリーンのブランク・カラーが特徴のUDグラスを使った竿です。4'4" #3-4、6'6" #3、7' #3、7'3" #4、7'6" #4、7'11" #5の6つのモデルがあり、しなやかな深くまで曲がるトルクを重視したプログレッシブ・アクションの竿です。
 モデルによって特徴が異なり、7' #3は大変しなやかな竿で、柔らかいグラス・ロッドがお好きな方にはもってこいの竿だと思います。柔らかいと言っても、素直なプログレッシブ・アクションの扱いやすい竿です。7'6" #4は誰もが振りやすい大変素直なアクションの竿で、少し離れたライズを狙うのに適した竿だと思います。7'3" #4は振ることができませんでしたが、Yomogiシリーズの中では最も扱いやすい竿とのことです。

<Sakura>
 女性向けにデザインした桜色のブランクが特徴のUDグラスのグラス・ロッドです。7' #3、7'6" #4、7'11" #5の3つのモデルがあります。今回試し振りすることはできませんでしたが、大変キャスティングが容易なプログレッシブ・アクションの竿とのことです。ブランクの状態で振らせていただきましたが、確かに誰でもキャスティングがしやすそうなシャープなアクションのブランクで、ブランクの色が気にならなければ男性にとっても良い竿だと思います。

<Hard Parabolic>


 Eグラスを使った竿で、7'2" 3-4と7'5" #3-4の2つのモデルがあります。その名の通りティップが太めの全体に張りのあるパラボリック・アクションで、イギリスの方に人気があるそうです。ヤマメ、イワナを釣るには、ティップがややハードですが、北海道の渓流でニジマスやブラウンを大きめのドライ・フライで釣るのに良いと思います。

<Perfect Beat>
 最新シリーズで、内側にカーボン、外側にSグラスを巻いたハイブリッド・モデルで、8'3" #3と8'3" #4の2つのモデルがあります。ロッド・スピードがグラスよりは早く、グラファイトよりは遅いユニークな竿です。私が振らせていただいた#4は全体が曲がるフル・フレックス・アクションの竿でしたが、#3の方はYomogiの7' #3に似たアクションとのことです。

 ということで、Yoshiharu RodsではIjuin-Rodのブランクをカスタム・ロッドのブランクとして取り扱わせていただくことになりました。Ijuin-Rodは海外でも大変人気があり、現在、Sakuraシリーズを除くほぼ全てのブランクが在庫なしとのことですが、まずは1月頃入荷予定のYomogiの7' #3を使ってデモ用の竿を作りますので、竿が完成しましたらブログで紹介したいと思います。
 Ijuin-Rodのブランクを使ったカスタム・ロッドにご興味のある方は、yoshiharu.rod@gmail.comまでお問い合わせください。ご希望の仕様にてカスタム・ロッドをお作りします。

2021年12月11日土曜日

KINEYA 301A

 


 ずっと欲しかったリールを入手しました。KINEYAの301Aです。

 KINEYAさんのリールは、20年ほど前まではいろんなフライショップで見かけたのですが、最近は取り扱っている店もほとんどなく、直接KINEYAの奥居さんにお願いするしかないなと思っていました。
 そんな折、親しくさせていただいている方からの紹介で、奥居さん主催のWoodstickへのYoshiharu Rodsの出店をお誘いいただきましたので、会場で301Aを作って欲しい旨をお伝えしたところ、運よくWoodstick用作った301Aが1台あるとのこと。右巻きセッティングになっていましたので、左巻きに変更してもらい納品となりました。


 モデル301はハーディーのフェザーウエイトとほぼ同じサイズのシンプルな片軸受けリールで、ボディがアルミ製の301Aとブラス製の301Bがあります。バンブーロッドやグラスロッド用に重量のある301Bの方が人気のようですが、私は軽量な301Aが欲しいと思っていました。

 シンプルなデザインながら、奥居さんならではのセンスを感じる繊細なデザインです。
 KINEYAさんのリールは、多くのリールメーカーと同様にNC旋盤やマシニングセンターを使ってバーストックから削り出しで製作されていますが、精度が素晴らしく(部品の寸法公差が小さい)、ガタ付きがほとんどありません。
 KINEYAさん設計、製造のOEMのリールは何台か持っているのですが、どのリールも精度、デザインが素晴らしく、またバックラッシュしにくいのも重要な利点です。

 このリールは、もう使う前からすっかりお気に入りのリールです。来シーズンはこのリールを使って釣りをするのが楽しみです。


2021年12月4日土曜日

Steffen Brothers(その19)8' #3/4

 

 ステファン・ブラザーズのグラス・ロッド、8フィート、#3、4番、3ピースが完成しました。ブランクは新生ステファン・ブラザーズのShane Gray製作です。


 グリップは私の標準のいつものラス・ピーク・タイプではなく、今回はレナード・タイプのシガー。サイズはご指定の通り、最大径22mm、長さ125mmです。



 リール・シートはリクエストにより、ベリンジャーのレナードレプリカです。リール・シート・フィラーもレナードの通称レッド・ラップで使用されていたバター・ナッツです。


 グリップ先端は巻き上げずにニッケル・シルバーのワインディング・チェック付き。ラッピングは標準のダーク・ブラウンにゴールドの飾り巻きですが、リクエストによりロッド・エンドから30cmの位置にメジャーリング・ラップを巻いています。尺の文字入りです。


 ストリッピング・ガイドは、これもリクエストによりメノウ・リング入りです。

 ご注文の竿なのでラインを通して振ることはできませんが、私が使っている7'3"の#3、4番に比べると、ティップからミドルにかけてのしなやかさはそのままに、竿が長くなった分バットがしっかりしています。離れたところのライズ狙いにも良さそうですし、グラスの8フィートですが、非常に軽快な竿なので、釣り上がりにも適していると思います。

 Yoshiharu Rodsメイドのステファン・ブラザーズのカスタムメイド・ロッドにご興味のある方は、yoshiharu.rod@gmail.comまでご連絡ください。お好みの仕様にて作製いたします。
 ステファン・ブラザーズのグラス・ロッドは、現在今回ご紹介した8フィート、#3、4番と8フィート、#4、5番のブランクの在庫が1本ずつございます。

2021年11月27日土曜日

Steffen Brothers(その18)8' #3/4

 

 ステファン・ブラザーズのグラス・ロッド、8フィート、3、4番、3ピースのカスタム・ロッドを製作しました。

 今回のご依頼は、レナード風。グリップはレナード・タイプのシガー、リール・シートには、ベリンジャーのレナード・タイプのニッケル・シルバー・キャップ&リングを使用します。リール・シート・フィラーは、1970年代、ハップ・ミルズ&テッド・シムロー時代のレナードのバンブー・ロッド、オウセブル・シリーズやレトート・シリーズ(通称レッド・ラップ)に用いられていたものと同じバターナッツです。


 ブランクのバット・エンドの径がリール・シート・フィラーの内径に対し太いため、リールシートの長さ分ブランクをカットし、ステントと呼ばれる別のグラス・パイプを接着します。

 その後はいつものように、コルク・リングをブランクに接着し、グリップを削り出します。グリップの最大径が22mm、長さが130mm程度とのご指定でしたので、長さはコルク・リングを10個で125mmです。レナード38Hの写真を参考に、グリップを整形します。


 ラッピング・スレッドのカラーは、レッド・ラップの様に赤にしても良かったのですが、ブランクが茶色なので、標準のダーク・ブラウンです。グリップ上部のラッピングは、ゴールドのピン・ラインを3本、リクエストによりロッド・エンドから30cmの位置にメジャーリング・ラップを入れています。
 グリップの先端は巻き上げずに、ニッケル・シルバーのワインディング・チェックを取り付けています。


 ストリッピング・ガイドは、リクエストにより今回はメノウ・リングです。



2021年11月20日土曜日

Steffen Brothers(その17)

 

 ステファン・ブラザーズのデッド・ストックのグラファイト・ブランクが入荷しました。

 今回入荷したブランクは、8フィート、2、3番と7フィート6インチ、3、4番がそれぞれ1本ずつで、どちらも2ピースです。80年代に製作されたと思われるステファン・ブラザーズの倉庫に長い間眠っていたもので、ブランクの色はブルーです。

 8フィート、2、3番は2、3番指定ながらしっかりとしたバットを持ったプログレッシブ・アクションのブランクです。7フィート6インチ、3、4番も同じくプログレッシブ・アクションですが、8フィート2、3番に比べると若干深くまで曲がるブランクです。

 お好みの仕様でカスタム・ロッドを製作しますので、ご興味のある方はyoshiharu.rod@gmail.comまでお問い合わせください。ステファン・ブラザーズの新作のグラス・ブランクに比べると安価で入手できましたので、カスタム・ロッドの価格もお求めやすくなっています。

2021年11月14日日曜日

Meetup!! Vol.6

 

 12月5日に大阪市水道記念館で開催予定のMeetup!! Fly Fishing Fans OSAKA Vol.6に、今年もYoshiharu Rodsとして出展します。

 当日は以下の3本の竿を展示します。

(1)Yoshiharu Rodsオリジナル McFarland Spruce Creek Parabolic 7'2" #4 4pc


(2)Steffen Brothers 7'3" #3-4 3pc





 3本とも特設プールで試投可能です。

 他にもロッド・ビルダー、ハンドメイド・リール・メーカー、フライ・タイヤー、フィッシング・ガイドの方など、多くの方が出展されますので、お時間のある方は是非足をお運びください。



2021年11月6日土曜日

2021 Woodstick November 13/14

 

 11月13日、14日に京都の広河原Trout townで開催される2021 Woodstock November 13/14に、Yoshiharu Rodsとしてカスタム・ロッドを急遽展示させていただくことになりました。私が展示を行うのは、11月13日のみです。

 ルアー・タックルの展示もあるようですので、今回はフライ・ロッドに加えルアー・ロッドも展示させていただきます。展示するカスタム・ロッドは以下の通りです。





(3)Diamondback 7'6" #4-5


(4)Matagi TR60


 私が参加するのは初めてですが、釣りをしない女性やお子さんも楽しめるイベントになっているようですので、是非ご家族揃ってお越しいただければと思います。