2018年7月21日土曜日

Steffen Brothers(その1)7'3" #3/4



今回は、ステファン・ブラザーズのグラスロッド、7フィート3インチ、#3、4番を紹介します。

 ステファン・ブラザーズはアメリカのアリゾナにある小さなロッドメーカーで、メーカー名の通り、マーク・ステファンとティム・ステファンの兄弟が経営しています。ブランクの製造から自社で行っており、以前はグラファイトロッドも製造していましたが、現在のラインナップはグラスロッドのみとなっています。グラファイトはレネ・ハロップが愛用していたことでも知られており、グラスロッドでは、あのデニス・フランキのグラステックのブランクを製造していたことは、グラスロッドマニアの間では有名です。

 この竿は、メーカーのプロダクションモデルではなく、ブランクを輸入して自分で組み立てたものです。外観上のデザインはラス・ピースのグラスロッドを参考にしています。


 ステファン・ブラザーズのグラスロッドは、グラスロッドマニアの間で大変人気なのですが、この竿も完成度の高いテーパーデザインで、誰でも振りやすい非常に素直なアクションです。
 前回紹介したウジニッキのグラスロッドと同様に、グラスロッド特有のベタベタ、ボテボテ間はなく、非常にシャープなアクションです。ウジニッキの217P4は典型的なパラボリックアクションですが、この竿はそれとは対極的なプログレッシブアクションです。ティップセクションが繊細なので、素振りやキャスティングでは217P4に比べ、しなやかに感じます。しかし、バットセクションがしっかりしているので、ロッドスピード、ラインスピードは、217P4よりも速いです。217P4がバンブーロッドに慣れた人に違和感のない竿であるのに対し、この竿はグラファイトロッドに慣れた人に違和感のない竿と言えます。


 ステファン・ブラザーズのグラスロッドは、アメリカの竿の中でもしなやかな竿と言われていますが、このモデルも日本の渓流でヤマメやイワナを釣るのに最適なしなやかさと繊細さを持っています。
 実際の釣りで多用される15mくらいまでのキャスティングレンジに焦点を合わせて設計されていますが、至近距離をチョコチョコ釣るよりも、ある程度ラインを出して釣るのに適しており、5mから15mくらいまでのラインコントロール、アキュラシーは非常に優れていると思います。
 バットがしっかりしているのと、グラス素材特有の粘りがあるので、大型のニジマスやブラウンにも対応できると思います。


 ブランクは真っすぐで、フェルールの精度も高く、昔のスコットのブラウングラスを彷彿させるアンサンドフィニッシュの透けないブラウンカラーのブランクも私の好みで気に入っています。


<お知らせ>
 ステファン・ブラザーズのグラス・ロッドをカスタム・メイドご希望の方は、yoshiharu.rod@gmail.comまで電子メールでお問い合わせください。

2 件のコメント:

匿名 さんのコメント...

ごく初期のORVISグラファイト・アンサンドブランクは確かここステファンBROS製でしたね。ラインナップ2,3種類しかなかった様な記憶ですが....。現在はエポキシ系レジンでブランクを作ればそれはスティッフさも出せようが昔のフェノール系レジンでは相当難しかったでしょう?ラス・ピークの手法の様にカッティングパターンでアクションを決めていくのもいいけどスコットの様に要所要所にインナーペグを入れアクションを出していく手法はとてもユニーク。それって中空竹竿の削らない部分をブリッジとする手法に通じるものがある。リール、ウォーカーですか?

Yoshiharu Utsumi さんのコメント...

コメントありがとうございます。
リールは、盛岡の中嶋さんが作られているNAKAリールです。無理を言って標準タイプから12g軽量化してもらったスペシャルモデルです。ヴァン・ホフのピアレスのレプリカで、素晴らしい完成度ですよ。