2023年1月14日土曜日

つるや釣具店 第33回ハンドクラフト展

 

 2月17日から19日に開催されるつるや釣具店の第33回ハンドクラフト展にYoshihau Rodsとして出展します。前回のハンドクラフト展ではIjuin-Rodさんにお納めした竿を2本、Ijuin-Rodさんのブースで展示いただきましたが、Yoshiharu Rodsとしては今回が初参加になります。

 下記の竿を展示予定です。



(2)McFarland Spruce Creek 7'6" #3 3pc(展示品)
 

(3)Steffen Brothers 7'3" #4 3pc(展示品)


(4)Trout Smith 8' #4 4pc(展示販売品)


(5)Ijuin-Rod Yomogi 7' #3 3pc(展示品)


(6)Ijuin-Rod Sakura 7' #3 3pc(展示品)


 関東地区は初出展です。フライ・フィッシングのハンドクラフトの展示会としては、国内で最も歴史があり規模も大きな展示会です。是非お越しください。

2023年1月7日土曜日

カーク・ディーター&チャリー・マイヤーズ「THE LITTLE RED BOOK OF FLY FISHING」


 このブログでは既に絶版となった書籍を紹介することが多いのですが、今回は昨年発売された本を紹介したいと思います。カーク・ディーター&チャリー・マイヤーズの「THE LITTLE RED BOOK OF FLY FISHING」です。

 この本はふらい人書房から発行された本で、ふらい人書房の阪東幸成さんが翻訳をされています。
 サブタイトルは「鱒釣り師のための250のヒント」となっており、サブタイトルの通りキャスティングに始まりプレゼンテーション、水を読む、フライ、その他の1つの章に渡り250の様々なヒントが紹介されています。
 初心者向けというよりは中級者向けの内容で、ある程度経験を積んだフライ・フィッシャーマンがレベルアップするためのアドバイスが書かれています。元々アメリカで出版された本を翻訳したものですので、アメリカ人向けにアメリカの河川で鱒を釣るためのヒントが書かれているのですが、その多くは日本の釣り人にとっても役に立つものです。

 写真やイラストが一切無い全て活字の本ですが、非常に分かりやすく楽しく読めるような文章になっており、文字のサイズも大きめなので、オフシーズンの読書にとても良いと思います。
 

2023年1月2日月曜日

Steffen Brothers(その24)

 

 3年前に製作したSteffen Brothersのグラス・ロッド、7フィート3インチ、3、4番、3ピースが修理のために帰ってきました。
 依頼者の方はこの竿を大変気に入って良く使っていただいていたので、写真のように嬉しくなるくらい良く使い込まれています。


 どこが壊れたかというと、上の写真の通りミドルセクションのブランクが見事に割れています。壊れた様子を見ると、Steffenのグラスロッドは縦繊維のみからなるUDグラスのようで、横方向に補強する繊維がありません。肉厚のグラス・ロッドであれば少々踏んづけてもなかなか潰れることはありませんが、Steffenは肉薄のSグラスのUDグラスなので、足や車で踏むとグシャッと潰れてしまうようです。フライを木にひっかえて竿を煽ったり、木の枝にぶつけたりするくらいなら余程の事がない限り折れることはありませんが、SteffenのSグラスの竿をお持ちの方は踏んづけないようご注意ください。

 こうなってしまうと、壊れたミドル・セクションを新たに製作するしかないので、Shene Grayにお願いして、ブランクを作製してもらいました。ミドルの場合、ティップとバットとのフェルールのすり合わせがありますので、壊れたミドルだけでなくティップとバットもアメリカに送って、それに合わせて作製する必要があります。


 上が壊れたミドル・セクション、下が新たに作り直したミドル・セクションです。


 グリップも大分汚れていましたので、依頼者の方に許可を得て洗いました。あまり頻繁に洗うのは良くないと言われますが、数年に一回の頻度で洗う分には全く問題ないと思います。エポキシコート部も超微粒子コンパウンドで磨いて多少傷が目立たなくなりました。

 依頼者の方には今シーズンも愛用いただけることを願っています。

2022年12月24日土曜日

McFarland Spruce Creek Parabolic 7'2" #4(その12)

 

 Yoshiharu Rodsオリジナル・スペックのMcFarland Spruce Creek Parabolic 7フィート2インチ、4番、4ピースが完成しました。


 今回のオーダーはグリップがポール・ヤングのバンブーロッドでお馴染みのベンチレーティッド・グリップ(通称ホネホネ・グリップ)。お送りいただいた図面通りの寸法に削り出しました。
 この竿はパラボリック・アクションなのでバットが曲がりやすくなっていますが、ベンチレーティッド・グリップだとグリップの中のブランクが曲がりやすくなるので、素振りしただけでもグリップの中のブランクが曲がっているのを感じることができます。


 リール・シートは、Bellingerのニッケル・シルバー製ポケット&リングの旧タイプです。ストリッピング・ガイドはMildrumのSRMCです。


 スレッドはGUDEBRODの541、Midium brown。グリップ先端はスレッド巻き上げ、飾り巻きにメタリックスレッドのシルバーのピンラインを1本入れています。ロッドエンドから尺(30.3cm)の位置にメジャリング・ラップ入りです。Midium brownにシルバーのピン・ラインはご依頼者のご指定です。


 フル・トリムをご希望でしたので、全てのガイドとフェルールのラッピングにシルバーのピン・ラインを入れました。

 同じ竿でも私が使っているデモ・ロッドとは全く異なる外観に仕上がりました。ご依頼者は狙い通り少しひねった個性的な雰囲気の竿になったとのことで、喜んでいただけました。

 McFarlandのブランクを使ったカスタム・ロッド製作をご希望の方は、yoshiharu.rod@gmail.comまでお問い合わせください。Spruce Creek Parabolic 7'2" #4のブランクは現在少しだけ在庫がございます。


2022年12月17日土曜日

McFarland Spruce Creek Parabolic 7'2" #4(その11)

 

 前回に続きMcFarland Spruce Creek Parabolic 7フィート2インチ、4番、4ピースのロッド・ビルディングです。


 スレッドはリール・シートのウッド・フィラーの色に合わせてブラウン系をご希望とのことで、数色試し巻きした写真の中からGUDEBRODの541、Midium brownを選定いただきました。ティッピングはリール・シート金具の色に合わせてシルバーのご指定です。


 ガイドも全てにティッピングをご希望とのことで、シルバーのメタリック・スレッドでピン・ラインを入れました。


 1回目のエポキシ・コートをかけた後の写真が上の写真です。エポキシをかけるとスレッドが透けて濃い色になります。

2022年12月10日土曜日

McFarland Spruce Creek Parabolic 7'2" #4(その10)

 

 Yoshiharu Rodsオリジナル・スペックのMcFarland Spruce Creek Parabolic、7フィート2インチ、4番、4ピースを製作しています。


 まずはグリップのコルクの接着からですが、今回のご依頼者はポール・ヤングのバンブー・ロッドに良く使われているベンチレーティッド・グリップ(通称ホネホネ・グリップ)をご希望とのことでしたので、1.5mmの隙間を空けてコルクを接着します。


 グリップの形状、寸法はお気に入りのバンブー・ロッドと同じでとのことで、図面でのご指定通りにノギスで確認しながら削り出しました。グリップの長さはほぼ図面通りの139.5mm、最大径は23mmです。
 リール・シートは、ベリンジャーの旧タイプのキャップ&リングです。
 この竿はパラボリック・アクションなので、ベンチレーティッド・グリップだとグリップの中のブランクが曲がっているのをより感じ取ることができます。


 リールはCFO IIIを使用されるとのことで、装着すると上の写真のようなバランスです。

2022年12月3日土曜日

備前貢「Happy Tyers」

 

 久しぶりのお気に入りの本の紹介は、備前貢さんの「Happy Tyers」です。

 備前さんはプロのフライ・タイヤーとして有名な方で、雑誌「Fly Fisher」などに大変楽しくてためになる記事を投稿されていますが、単独の著作物としては私の知る限りこの本が唯一だと思います。

 この本は「Fly Fisher」の2007年から2012年の連載記事をメインに、同じく「Fly Fishier」に掲載されたいくつかの記事を加えてまとめたものです。掲載されているフライは、キャッツキル・スタイルのドライ・フライからサーモン・フライ、ソルト・ウォーター・フライにバス・バグと大変広範囲で、内容もタイイングの手順、マテリアル、掲載されたフライを使った釣りなど、盛り沢山です。
 備前さんは大変研究熱心な方で、そのフライの成り立ちや生まれた背景などを書籍でよく勉強されており、この本にもそのあたりのことが書かれていて勉強になるのですが、それだけでなく、タイイングやマテリアルの使い方に独自の工夫をされており、大変参考になります。
 この本を読むと、ご本人がフライ・タイイングを心底楽しまれている様子が伝わってくるので、タイトルの「Happy Tyers」というのはご本人のことを指しているのだと思いますが、備前さんの文章は大変楽しく、読んでいるこちらもHappyな気持ちになります。

 この本は2012年に発行されましたが、残念ながら絶版となっているようです。オール・カラーで文字もびっしりの読み応えのある大変面白い本なので、フライ・ショップや中古で見かけられたら、是非購入することをお勧めします。
 備前さんは昔「Fly Rodders」にもフライに関する連載を書かれていて、こちらも大変参考になる記事でしたので、是非単行本にまとめて欲しかったのですが、「Fly Rodders」自体が休刊になっているので難しそうです。

2022年11月26日土曜日

McFarland Spruce Creek 6'8" #3(その2)

 

 McFarland Spruce Creek、6フィート8インチ、3番、3ピースが完成しました。

 グリップはラス・ピークタイプのリール・シート一体型のシガー。ご依頼者のリクエストで全長はコルク17個分の215mm、最大径は細めの22mmです。


 リール・シート金具はREC社製、ニッケルシルバーのポケット&リングです。REC社から取り寄せていますが、円安でかなり高くなってしまったので、来年は国内でオリジナルを製作予定です。


 グリップ上部はスレッド巻き上げ。今回はGUDEBRODの209 golden rodを使用し、blackのピン・ラインを入れています。ロッドエンドから30.3cm(=1尺)の位置にメジャリング・ラップ入りです。


 ショートロッドは硬くなりがちなので、全体に曲がりやすいようにスローテーパーでデザインされたものが多いのですが、この竿はファスト・テーパーの強目の竿になっており、ラインを通すスペースが狭い小渓流で、超ショートストロークのサイド・キャストでタイト・ループが作りやすい竿になっています。3番ロッドながらバットも強めなので、障害物の多い藪沢で大きな岩魚を岩に潜り込まれないように、フッキングしたら一気に引きずり出す、そんなイメージの竿です。


 Mcfarlandのグラスロッド・ブランクを使ったカスタム・メイドロッド製作をご希望の方は、yoshiharu.rod@gmail.comまでお問い合わせ下さい。お好みの使用にてカスタム・メイド致します。

2022年11月19日土曜日

McFarland Spruce Creek 6'8" #3(その1)

 

 McFarlandのSpruce Creek、6フィート8インチ、3番、3ピースを製作しています。

 この竿はMcFarlandのSpruce Creek Parabolic 7フィート2インチ、4番の作製を依頼いただいた方のリピートオーダーで、グリップ、リールシートはラス・ピークタイプ、長さはコルク17個分の215mm、最大径22mmと前回と同じご指定です。


 今回はスレッドの色を変更し、GUDEBRODのナイロンAスレッドの209、golden rodにしています。グリップ先端は巻き上げで、blackのピン・ラインの飾り巻き、ロッド・エンドから30.3cm(1尺)の位置にメジャリング・ラップ入りです。


 スレッドを巻いた状態では上の写真のような色ですが、エポキシをかけるとブランクが透けて、ブランクとほぼ同色になります。下の写真は1回目のエポキシ・コートが終わった状態です。


2022年11月12日土曜日

KAKUHIRO ROD B69(その2)

 

 前回のブログではこの竿の入手の経緯と特徴について紹介しましたので、今回は竿のディテールを紹介します。


 グリップは先端に向けてテーパーのついたシガータイプで、小振りで径が大変細いのが特徴です。先端はスレッド巻き上げになっています。スレッドは緑がかったゴールドのようななんとも言えない渋い色調です。


 リールシート金具は、擬宝珠(ギボシ)をモチーフにしたオリジナルデザインのキャップ&リングです。シート・フィラーはメイプルが人気とのことでしたが、私は栃にしました。ストリッピング・ガイドはオリジナルはスネーク・ガイドですが、ホールを多用するのでカーボロイをつけてもらいました。


 フェルールは白銅のパイプを使ったオリジナルで、大変軽量です。フェルールには通常ロウソクの蝋などのワックスを塗ることが多いですが、角宏さんのお勧めは金管楽器用のグリスで、私は角宏さんが使っているものと同じヤマハのスライドグリスを使用しています。
 最近のKAKUHIRO RODは一部のモデルを除いて4ピースが標準で、Two Tipです。フェルールが軽量なため、4ピースでも持ち重りはありません。角宏さん曰く4ピースがアクションに悪影響を与えることはなく、むしろフェルールの数が多いことがメリットになっているとのことです。

 ちなみにKAKUHIRO RODはブランク、竿袋、ロッド・ケースのどこにも竿のモデルやスペックが書かれていません。唯一ブランクにシリアルNoが記入されているのみです。そのため、竿のモデルとスペックは、オーナーと製作者のみが知っている秘密ということになります。

2022年11月5日土曜日

KAKUHIRO ROD B69(その1)

 

 久しぶりのお気に入りの竿の紹介は、野中角宏さんのB69、6フィート9インチ、4番、4ピースです。B69は3番が標準ですが、これは特別に4番で作っていただいた竿です。

 角宏さんとは関西のフライ関係の展示会でご一緒することが多く、竿を振ってしまうと欲しくなるのは分かっていたので、振ってみたいのを我慢していつも横目で見ていました。しかし昨年12月の展示会で同じテントを二人で共有することになり、ついに我慢できず振らせていただくことになりました。
 角宏さんは展示会にいつも沢山の竿を持参されており、その中から私がよく行く渓で使いやすい7フィート前後の竿を何本か選んで振らせていただき、KAKUHIRO RODの特徴であるしなやかで軽快な独特のキャスティングフィールに大変感銘を受け、やはり欲しくなってしまいました。後日改めて角宏さんの自宅を訪問し、いろいろなモデルを振らせていただいた結果、一番気に入ったB69を4番ライン用に特注で作製いただいたのがこの竿です。


 B69は角宏さんがセンターホールディングアクションと呼ぶ竿の中心部の一点が曲がる独自のテーパーデザインで、竿が自動的に大変力強いループを作ってくれるのが特徴です。竿の一点が曲がると言っても、ベンティング・カーブは竿の先端から徐々に深く曲がっているプログレッシブ・アクションで、ある程度以上のラインが出ている時のキャスティングでは、バットはほとんど曲がらず竿の中央のフェルールの少し下を中心に竿が曲がるイメージです。ループの力強さ、キャスティング・フィールは独特ですが、大変スムーズなアクションで竿自体に癖はありません。
 ショートリーダーで空気抵抗の大きなフライをスコーンとタック・キャスト気味にオーバーターンさせ、スラックを作ってピンポイントに落とすということが大変気持ち良くできるので、ショートリーダーでキャッツキル・パターンを多用する私の釣りのスタイルにぴったりの竿です。

 淡竹を使った中空ロッドなので、大変軽くしなやかです。バラしやすいヤマメ、アマゴの引きに対してもしやなかに追従してくれるので、極めてバラシが少ないです。

 今シーズンも何かと忙しく、残念ながら春先にこの竿が届いてからあまり使用することができなかったのですが、ホーム・リバーでの釣りには全てこの竿を使用し、すっかりお気に入りの竿です。

 次回はこの竿のディテールについて書きたいと思います。