2019年7月13日土曜日

Sweetgrass Rods Graphite 7'6" #4


 今回はちょっと珍しいスウィートグラスのグラファイトロッド、7フィート6インチ、4番を紹介します。

 スウィートグラスというと、ウィンストンを辞めたグラン・ブラケットらが自分たちのオリジナルロッドを製造するために設立した会社です。現在はバンブーロッドしか製造していませんが、以前はグラファイトロッドとグラスロッドも製造していました。
 グラファイトロッドとグラスロッドは、ウィンストンでグラファイトロッドの設計、製造を行っていたサム・ドラクマンが手掛けていました。


 この竿は群馬のフライショップがスウィートグラスに特注したもので、標準のラインナップにはないスペックです。グリップは竿のスペックに合わせて小ぶりなものが装着されており、アクションはパラボリックです。


 私はこの竿がパラボリック・アクションであることに興味を持ち、店主に何度もメールで質問をしたうえで購入しましたが、手元に届いた竿は想像以上に素晴らしい竿でした。
 パラボリック・アクションといっても、バットが比較的小さい負荷から曲がり始めるものの、負荷に応じて曲がりの起点が移動するプログレッシブ・アクションで、ティップは非常に繊細です。バンブーロッドですと、ポール・ヤングのアクションに似ており、私はグラファイト版のパーフェクショニストのような竿だと思っています。

 繊細なティップは、至近距離でも容易にタイトループを作ることが可能で、曲がりやすいバットとスローなロッドスピードは、空気抵抗の大きなキャッツキル・パターンを容易にターン・オーバーさせることができます。
 比較的ハイモデュラスのグラファイト素材を使用していると思われ、シャープな竿なのですが、細身のバットがスローなロッド・スピードとバットの曲がりやすさを実現しています。
 至近距離から遠投まで対応でき、パラボリック・アクションなので、キャスティングしていて気持ちの良い竿です。20cm程度のヤマメやイワナでも充分楽しめるしなやかさも持っています。


 トップガイドは、「sushi」デザインと呼ばれるチューブを斜めにカットしたオリジナルのものが装着されていますが、ほとんど軽量化には寄与していないと思います。

 サム・ドラクマン自身の手によると思われる仕上げは非常に丁寧で、大変美しい竿です。ラス・ピークのゼニス・フィニッシュやギャリソンのバンブーロッドのように、ガイドラッピング後にブランクに全塗装がされています。

 昨年入手し、まだ数回しか使用していませんが、自分の腕の延長のように非常に使いやすく、また釣りが楽しくなる竿なので、既にすっかりお気に入りの竿になっています。

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