2018年4月21日土曜日

Bjarne Fries(その4)Katana 763


 フリースのKatanaシリーズは、前回のKatana 633で終了する予定だったのですが、Katana 763についても紹介してほしいというリクエストがありましたので、今回はKatana 763を紹介したいと思います。

 この竿は私が初めて入手したフリース竿です。それまでフリース竿は、菊地さんのKatana 735しか実際に手にしたことがなかったのですが、この竿が届いた時はKatana 735以上の衝撃を受けました。

 バンブーロッドで7フィート6インチの3番というスペックは、日本のビルダーの竿ではポピュラーですが、私はかなり難しいスペックだと思っています。バンブーロッドはブランクの比重が高いので、低番手の長い竿だとラインの加重よりも竿の自重で竿が曲がってしまいます。7フィート6インチ以上の3番ロッドの多くは、この問題が解決できていないと思います。
 最近は比重の軽い真竹を使用することにより、この問題を解決した竿も見られるようになってきましたが、トンキンケーンの場合ですと、一般的に無理のない長さは、3番で7フィート、4番で7フィート6インチ、5番で7フィート9インチまでで、これを超える長さになると、テーパーデザインが非常に難しくなってくると思います。

 昔の日本のビルダーの竿では、ライン番手に対しティップが太く、かつミドルが細いものが多く、竿の自重でミドルまで竿がボテボテと曲がってしまう竿が散見されました。Katana 763は、限界まで贅肉をそぎ落としたテーパーデザインによってこの問題を解決しており、恐ろしいくらいに細いティップと相対的に強めのミドルセクション、テーパーが緩やかで細いバットセクションを持っています。
 このようなテーパーデザインは、実はPaul YoungのPerfectionistで既に実現されていたのですが、フリースのKatana 763は、Youngのデザインを更に突き詰めた設計となっています。


 Katana 763を初めて体験する方は、まず手にとってその軽さに驚き、一振りしてそのシャープさに驚かれると思います。そしてラインを通してキャスティングすると、しなやかなのにシャープなアクションに驚かれることと思います。

 ただ、私はKatana 763にも僅かに弱点があると感じています。15mくらいまでのキャストでは全く問題ないのですが、それを超えると、その極端に細いティップが災いして、軽度のテーリングループを起こしやすい傾向があり、この修正に若干気を遣う必要があります。
 ちなみに、Katana 704、735、633では、意識しないでキャストしても、テーリングは生じません。


 この頃までのフリースロッド(ロッドケースの蓋がオスねじになっていた時代)は、塗装も非常に薄く、細部まで細かく神経の行き届いた仕上がりで、研ぎ澄まされた将に日本刀のような佇まいを醸し出していました。この後入手したKatana 704あたりから(FIBHを発明した頃から)、塗装も若干厚くなり、ある意味おおらかといいますか、一見美しい仕上がりなのですが、初期の研ぎ澄まされた美しさは失われていったように感じます。
 ただ、これは私の好みの問題ですし、釣り場での様々なリスクを考えると、塗装もある程度厚い方が安心ですので、その後のフリース竿の方が美しい、好ましいと思われる方も多いと思います。そして、何よりビヤーネ本人は、その時一番自分がベストと思うものを採用しているので、後期のフリース竿の方がベストと考えていると思います。

7 件のコメント:

匿名 さんのコメント...

こんにちは。
とても素敵な竿ですね。
私もいつか手に入れたいです。
ところで、少し前まであったフリースさんのホームページが消滅しているのですが、なにかご存知だったりしないでしょうか。

Yoshiharu Utsumi さんのコメント...

コメントありがとうございます。
本人から確認したわけではないのですが、残念なことにビヤーネは引退したようです。
ビヤーネも確か66歳ですので、年齢的に引退しても仕方ないのかもしれません。

匿名 さんのコメント...

はじめまして フリース引退か?ですか......寂しいですね。かつてフリース竿を所有していた事があります。その後何本かのフリース竿見ましたが菊池氏経由の頃に比べ段々仕上げに粗が見える様になっていきましたね。竹肌は正直気にしないビルダーだから(笑)サマーズは275を2本時代違いで所有しました。サマーズ竿は普通のアルミケース時代の竿に限りますね。自身今一番良いと思う竿はスィートグラス7’9”#4/5....ウインストン系譜はアクション評価はあまり聞きませんがこれはイイですね。ペアの四角、マリオの五角も同じくらいの長さのモデルを振ってみましたが、それらより好みですね。

Yoshiharu Utsumi さんのコメント...

コメントありがとうございます。
ビヤーネのfacebookを見ると、毎日釣り三昧のようです。菊地さんから譲り受けたとっておきの昔のフリース竿もありますので、そのうちこのブログでご紹介したいと思います。
スィートグラスの7'9"#4/5は、鱒用竿として大変興味があります。8フィート前後の5番の鱒用竿は長年追い求めてきたのですが、未だこれだというものに出会えていません。

匿名 さんのコメント...

鱒用の竿...,.とは言えいつも大物(50up)が釣れる訳じゃない。大物狙いの道具立て、例えば6番で3Xティペット以上という仕様ではそれ以下の魚では道具が強すぎて面白みに欠けるものです。イザという時何とかしのぐ....それくらいがスリリングで丁度良いかな?と感じております。
所有するサマーズ275も4番ですが5番に近いのでグレン仕様に近いフィーリング。私の竿選びの基準はフェニックスシルクラインによって決めてます。フェニックスのは5番は4.5番、4番は3.5番くらいのウェイト感。したがって4/5番くらいの竿がベストチョイスとなります。
あ、先日懲りずにペゾン・コロラド入手しました。竹はややスロー気味が好みになってきましたね。

匿名 さんのコメント...

連投すいません。
>Katana 763にも僅かに弱点があると感じています。15mくらいまで問題ないのですが、それを超えるとテーリングを起こしやすい傾向があり、この修正に若干気を遣う必要があります.......
鋭い!例えるのならツインターボで2つ目のターボが効く一瞬にタイムラグが出るような感じ。これは絞り過ぎの2段テーパーの弊害だと感じております。これは貴殿所有の国内ビルダーにも実際に手前所有の734のテーパー計測してもらって確認済み(ビルダーがまだ習作中でしたが)。テーパーはあまり急ではない方が何かと良いかな?と感じております。

Yoshiharu Utsumi さんのコメント...

菊地さんは一時期自身でバンブーロッドを作っていた時期があって、私も一本所有しているのですが、この竿は正に道南の釣りのための竿で、7フィート6インチの4番なのですが、小さなヤマメから40cm、50cmオーバーのブラウン、ニジマス、アメマスまで対応できる竿です。
サマーズ275は振ったことがないのですが、強めの竿なのですね。良く出来たパラボリック系の竿は、ラインの許容範囲も広いですが、いざという時にも頼りになるように思います。
やはり竹竿は全体のテーパーバランスが重要ですね。4番としては異常に細いティップを持つKatana704では、763のように気を遣う必要が全くありません。