2018年4月14日土曜日

Bjarne Fries(その3)Katana 633


今回は前回のブログで予告した、オリジナルKatanaシリーズの末っ子、Katana 633をご紹介します。

 Katana 633のスペックは、名前の通り長さが6フィート3インチですが、指定ラインはオリジナルが3番、4番指定、後にテーパーが変更されて、2番、3番指定になります。私がこの竿をフリースにオーダーした時は、すでに2番、3番指定になっていたのですが、この竿はオリジナルの3番、4番指定で製作してもらいました。私の感覚では、4番ラインがぴったりだと思います。

 Katana 633のテーパーデザインは、基本的にはKatanaシリーズの他のモデルと共通のコンセプトなのですが、シリーズの中で最もスローテーパーになっています。具体的には、同じ4番ライン指定のKatana 704と比べると、竿が短いので当然バットは細いのですが、ティップが太くなっています。
 竹竿に限らず、フライロッドは短くなればなるほど同じ設計では硬くなってしまうので、竿の長さによって竹竿の場合だとテーパーを調整する必要がありますが、Katana 633の場合はティップを太め、バットを細めのスローテーパーにすることにより、ロッド全体を曲がりやすくして、近距離でも竿が十分に曲がるように設計させているのだと推測します。


 さてKatana 633のアクションを一言で表現すると軽快そのものと言えます。短い竿にありがちな硬さはなく、その短さ、軽さと相まって、まるで竿が手の延長になったかのような感覚を味わえるので、キャスティングが非常に楽しい竿です。
 また、非常にコンパクトなグリップ、細いバット、軽さから、ラブリーという表現がぴったりの竿です。

 この手のミッジロッド(短竿)は、藪沢専用と思われる方が多いと思いますが、実はそうではありません。もちろん、その短さを活かして藪沢で使用しても良いのですが、どちらかというと、開けた場所である程度ラインを出して釣るのに適した竿だと思います。
 ミッジロッドはその短さをカバーするため、竿全体を使ってキャスティングするように設計されたものが多いので、Katana 633もKatana 704など他のモデルに比べると、藪沢で多用されるティップを使った近距離のキャスティングがやや苦手です。
 また、短い竿はその短さ故に、アキュラシー、トリックキャスト、合わせ、魚を掛けてからのやり取りの点で、通常の竿よりも不利なのは致し方ないのですが、そのハンデを釣り人の技術でカバーしつつ、その圧倒的な軽さ、軽快さ、キャスティングの楽しさを味わうのが、ミッジロッド好きの真骨頂なのだと思います。




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