以前のブログで開発の状況をお知らせしていた、7フィート6インチ、4番、4ピースの2本の新しいオリジナルロッドを来年春に発売します。
2本のうち1本は超低弾性カーボン素材を使用した竿で、もう1本はSグラスを使用した竿です。今回は超低弾性カーボンの竿についてご紹介します。
(Sグラスの竿は後日ご紹介します。)
この竿はP.H.Youngのバンブーロッドの名竿、Perfectionistのアクションを再現すべく開発したものです。私はヤングのPerfectionistを所有していませんので、厳密にはPerfectionistのレプリカである朝間ロッドの通常パーペキショニストを参考に開発を進めました。
私のPerfectionistに対するイメージはパラボリックアクション(ヤング曰くModified Parabolic Action)ながら繊細なティップを持ち、至近距離から近距離でもキャスティングが容易で、特に意識しないで振ってもタイトループを作ることができるというものです。中距離から遠投では細身のバットが有効に働きますので、少ない力で楽にキャスティングができます。
また、7フィート6インチ、4番(ヤングのオリジナルは5番)のバンブーとしては、非常に軽くてシャープという特徴もあります。
私のHirabeシリーズもヤングのModified Parabolic Actonをお手本にしているのですが、Hirabeで使用しているUDグラスでは、7フィート6インチ、4番のスペックで、Perfectionistのアクションを再現するのは難しいと考え、超低弾性カーボンとSグラスの2つの素材を使って試作を行いました。その結果、超低弾性カーボン素材を使用した竿で、私のイメージするPerfectionistのアクションを実現することができました。
超低弾性カーボンは釣り竿の素材としては未だほとんど使用されておらず、この素材で釣り竿を作れるのは、世界中で私がブランクを製作していただいている国内の1社しかありません。Orvisの最初期のグラファイトなどが低弾性でしたが、これらはグラスの比率を高くして低弾性にしたものです。超低弾性カーボンはほとんどカーボンです。
この素材の弾性率は15tです。中弾性のIM6が30tくらいですので、どのくらい低弾性か想像いただけると思います。
カーボン素材のため、グラスロッドに比べて長い竿や高番手の竿でも軽く、シャープに作れる利点がありますが、従来のカーボン(グラファイト)ロッドのようにビンビンの硬い竿ではありません。弾性率としてはトンキンケーンに近いと思っているのですが、トンキンケーンのバンブーロッドに近い反発力、ロッドスピードを持ち、しかも軽いというメリットがあります。
この竿はヤングのPerfectionistと同じように、至近距離から遠投まで非常に少ない力で楽にキャストでき、スロースピードのタイトループでドライフライをピンポイントにフワリと落とすことができます。しかもバンブーのPerfectinonistとは異なり、非常に軽くて軽快です。
正に開けた渓流のドライフライの釣りに最適な竿ですので、’Parabolic Dry Fly’と命名しました。ヤングのPerfetionistにご興味のある方はもちろん、パラボリックアクションの竿を使ったことのない方や、とにかくドライフライの釣りに最適な竿が欲しいとい方にも是非使っていただきたい竿です。
カーボンロッドということで敬遠される方もおられるかもしれませんが、従来のカーボンロッドとは全く異なりますので、バンブーロッドやグラスロッドをお使いの方にも是非一度お試しいただきたい竿です。とても良い竿です。かなりの自信作です。
来年2月のつるや釣具店さんのハンドクラフト展に試作品を展示しますので、是非ラインを通して試し振りいただければと思います。
来年4月上旬頃に生産ブランクが入荷予定です。ブランクが入荷しましたら、ご予約順に製作しますので、早くお使いになりたい方はお早めにご予約ください。お問合せ、ご予約はYoshiharu Rodsのウェブサイトのご注文・お問合せから、もしくはyoshiharu.rod@gmai.comまでお願いいたします。
※写真は試作品です。製品も試作品と同様にアンサンドフィニッシュのクリア塗装仕上げです。



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