2021年6月12日土曜日

Bjarne Fries Rods Catalog(その1)

 

 ヤングとペインの再版カタログを紹介しましたので、今回はビヤーネ・フリースのカタログを紹介します。

 このカタログは1994年に発行された日本語版のカタログです。フリースの日本語版カタログとしては2版目のもので、当時フリース・ロッドを日本に紹介されていた菊地悦夫さんが中心になって、フリース、宮崎泰二郎さんと一緒に製作されたものです。

 カタログといっても、単に竿のスペックの紹介に留まらず、ヤングやペインのカタログのように、フリース、菊地さん、宮崎さんが「フライの雑誌」などに投稿された大変秀逸な文章がいくつも掲載さされており、読み物としても大変面白いものになっています。

 カタログはフリースの挨拶分に続き、「GENERAL INFORMATION ABOUT MY RODS」と題した、フリース自身によるフリース竿の概要説明があり、その中で竿のアクションについて述べているのですが、この文章を読むだけで、フリースがいかにバンブーロッドのアクションについて研究熱心で造詣が深かったかが分かります。
 各モデルの一覧で、アクションをテーパーデザインとロッドスピードに分けて表示しているところも画期的です。

 竿の各モデルの紹介は、そのほとんどが菊地さんが書かれたものだと思いますが、それそれの竿の特徴が大変分かりやすく説明されており、文章を読むだけで空想が広がりわくわくしてきます。
 写真は一切なく、全て文字からなるカタログですが、写真では分からない竿のアクションや機能的な特徴について大変詳細に書かれていますので、フリース竿と各モデルがどんな竿なのかが、非常に良く理解できるようになっています。

 私は「フライの雑誌」でフリース竿を知り、菊地さんに手紙を書いてこのカタログを送っていただきましたが、初めてこのカタログを読んだ時に大変感銘を受け、何十回読み返したことか分かりません。ヤングのカタログも読み物として大変面白いですが、バンブーロッドのカタログとして、これ以上のものはないのではないかと思います。また、単なるカタログの枠を越えて、バンブーロッド関連の書籍としても大変秀逸なものだと思います。

2 件のコメント:

匿名 さんのコメント...

このカタログ、面白そうですね。ぜひ、フリースさんから許諾を得て、pdfファイルなどで公開していただければと思います!また、フリースさんが開発したflexistripperをAhrexHooks社が発売しており、同社のホームページでフリースさんのお元気な様子が動画配信されておりました。

Yoshiharu Utsumi さんのコメント...

コメントありがとうございます。このカタログの大部分は亡くなられた菊地悦夫さんが書かれたものですので、PDFで公開するのは難しいですね。ビヤーネと宮崎泰二郎さんの書かれた文章はお二人に許可を得れば可能だと思いますが・・・
でも、カタログとしてこのまま埋もれさせてしまうのはもったいないものであるのは確かです。