2021年3月6日土曜日

渡渉舎編「バンブーロッドのいま」

 


 バンブーロッドに関する本の紹介の2回目は、渡渉舎から2007年に発行された「バンブーロッドのいま」です。

 前回紹介した「アメリカの竹竿職人たち」が、アメリカのバンブーロッド・ビルダーに焦点を絞った内容であるのに対し、この本は日本のバンブーロッド・ビルダーを中心に47人へのインタビューを書き起こしたもので、2007年当時の日本のバンブーロッド・シーンに焦点を当てたものとなっています。

 収録されているインタビューは、日本のビルダーが20人、海外のビルダーが1人(ビヤーネ・フリース)、フェルール職人が1人(ハリキ・フェルール)、アマチュア・ビルダーが2人、釣り業界関係者が3人、バンブーロッド愛好家が19人、その他が1人の計47人で、702ページにもおよぶ超大作です。

 ビルダーのインタビューでは、バンブーロッドを作り始めたきっかけから、竿作りの工程、どんな竿に影響を受けたか、どんな竿を目指しているかが、などがビルダー本人の口から語られており、本を読むだけでそのビルダーの竿がどんな竿なのか、更にはそのビルダーの技量まである程度想像がつくようになっています。

 この本も前回紹介した「アメリカの竹竿職人たち」に負けず劣らず大変面白く、興味のあるビルダーを中心に何度も読み返しましたが、特にビヤーネ・フリース、中村羽舟さん、島崎憲司郎さんのところは、本当に何度も何度も繰り返し読みました。

 残念ながらこの本も絶版となっており、新品で入手することはできませんが、日本のフライ・フィッシングの歴史に残る名著だと思います。

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