2021年1月9日土曜日

東知憲「CONTROLLED FLY CASTING」

 

 前回のブログでは、メル・クリーガーの「エッセンス・オブ・フライキャスティング」について書きましたが、今回はその本の翻訳者であるとともに、メル・クリーガーと長年親交があり、氏の弟子とも言える東知憲さんの「コントロールド・フライ・キャスティング」を紹介します。

 「エッセンス・オブ・フライキャスティング」は初心者から上級者まで幅広い読者層を対象に書かれているのに対して、この本はフライキャスティングの上達を目指す中上級者向けに書かれています。そのため、理想的、効率的フライキャスティングに不可欠なロッドティップが直線軌跡を描くにはどうすれば良いかを中心に個々の技術要素について理論的に解説しています。

 東さんはこの本の中で自身が述べているように、ジム・グリーン、メル・クリーガー、スティーブ・レイジェフといった、所謂サンフランシスコ派のキャスターの一人なので、この本で解説している内容もそのキャスティング・スタイルがベースになっています。メル・クリーガーが「エッセンス・オブ・キャスティング」で展開している理論を更に詳しく解説した本と言えます。

 文章を読んでフライキャスティングを理解するのは難しく、特にこの本は以前に紹介した2冊に比べるとなかなか難解な内容になっていますが、「エッセンス・オブ・フライキャスティング」以上に多用された写真が、理解の手助けになっていると思います。

 初心者や、頭で理解するよりは体で覚える主義の方には向きませんが、この本は現在でも入手可能ですので、フライキャスティングの技術を更にレベルアップしたいと考えている方でキャスティングのメカニズムを理論的に理解したい方には良い本だと思います。

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