2020年12月20日日曜日

Hardy reproduction reels(その5)Perfect special model spit fire


 ハーディ復刻版リールの最終回は、パーフェクト・スペシャルモデル・スピット・ファイアを紹介します。

 このリールは、2003年に発売されたもので、1930年代のパーフェクトをスピット・ファイア仕様で再現したものです。オールド・パーフェクトには、黒鉛塗装(ブラック・レッド・フィニッシュ)が施されていましたが、第二次世界大戦中の一時期、無塗装のパーフェクトが生産されていました。当時のハーディは航空機の部品を作っていたため、この無塗装のパーフェクトには、イギリス軍の戦闘機スピット・ファイアの機体に使われているジュラルミンが使用されているとの噂が広まり、スピット・ファイアと呼ばれるようになったそうです。しかし、これは単なる噂に過ぎず、実際に使われていた材料はそれ以前のパーフェクトと同じであったようです。


 本物のスピット・ファイアはリール本体も含め全て未塗装でしたが、このリールはハンドルの着いているフェイスとスプールが無塗装で、本体は黒の塗装となっています。この色の組み合わせは、1905年から1939年に販売されていたスペシャル・パーフェクトという、フェイスよりも大きなスプールとフレームを持つパーフェクトに使用されていたものです。


 2003年に発売されたパーフェクト・スペシャルモデルには、2 7/8インチと3 1/8インチの2つのモデルがあり、ともに右手巻きのみが販売されました。
 チェック機構はデュプリケイティッド・マークⅡチェック、フットはアルミのリブ・フット、ラインガードはグレイの瑪瑙リングでした。


 このリールも大変美しいリールで、他の復刻版リール同様にハーディの職人が丁寧に手作りで仕上げた手の込んだ素晴らしいリールでした。ブラス・フェイスのパーフェクトに比べると軽量で、現代のバンブーロッドに組み合わせて使用しても許容できる重量で、サイズ的にも2 7/8インチは4番ライン、3 1/8インチは5番ラインで使用するのにぴったりでした。

 私は両方のサイズを所有していましたが、右手巻きと言う点がネックとなり、他の復刻版リールと同様、結局は1度も使用することなく手放すことになりました。

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