2019年12月7日土曜日

Hardy The Sovereign 5/6/7


 今回もハーディーのリールの中から、ソブリン5/6/7を紹介します。

 ソブリンは1990年代に発売されていたモデルで、当時のハーディーのラインナップの中では、最上位機種にあたるシリーズでした。ディスク・ドラグ機構をはじめとして、それまでのハーディーのリールにはなかった非常に凝った機構を搭載した、大変意欲的なモデルです。


 それまでのハーディーのリールは鋳造で作られていましたが、ソブリンは同時期に発売されていたJLH・バーストックと同じくアルミのバーストックから削り出しで作製されています。

 発売当初のモデルは、私が所有しているものと異なり、スプールの中心近くにもう1列穴が空けられていました。

 ソブリンシリーズは非常に複雑な機構のディスク・ドラグを備えており、ドラグの強さは背面中央のノブで調整します。ドラグの強さは最小から最大まで、ノブ1回転で変えられるようになっています。最大にするとほぼロック状態になるくらい強力です。
 ノブの周りに6つの黒いドットがありますが、ノブにはさらに細かいクリックが備わっており、ドラグの強さは微調整できるようになっています。
 ドラグノブの隣にあるのは、ドラグのクリック音のオン/オフを切り替えるためのものです。


 ドラグ機構は、スプールを外すと見ることができます。私のリールは、輸入代理店がイナガキの時代に再販されたものなので、イナガキのシールが貼ってあります。
 ディスクプレートは、確かルーロンか何かの樹脂だったと思います。

 スプール・シャフトの根元にあるギアとギアの隣にあるクリックが、スプールが逆転時にクリック音を発生させるための機構です。

 逆転時クリック用ギアの上にある黒いパーツは、スプール側の爪と噛み合うようになっており、ディスク・ドラグのクラッチになっています。スプール側の爪がラチェットになっており、巻き取り時にラチェット音がでるようになっています。

 スプール・シャフトには、根本側と先端側の2か所にベアリングが装着されています。これらのベアリングが機能的に必要なのかどうか甚だ疑問ではありますが、ハーディーのリールでこれだけ凝ったディスク・ドラグ機構をもったリールは、このソブリンと、ソブリンの後継機種であるソブリン2000くらいだと思います。


 上の写真の中央の穴の内側に3つ見えているのが、クラッチ用のラチェット機構の爪です。
 中央のプレートに装着された黒いノブで左右の巻き手を変更できるようになっています。このあたりも非常に凝った作りです。


 ソブリン5/6/7は、名前の通り5番から7番ライン用のリールですが、直径が76mmとラインキャパシティに対し小さいため、ワイドスプールなっています。ウェイトフォワードなら7番まで巻けるかもしれませんが、私は5番ライン用に使用するのが良いと思います。

 非常に複雑なディスク・ドラグ機構を備えているせいもあり、このリールは重量が135g(カタログ値)と、ライトウェイトやマーキスなどに比べ重くなっています。

 私がこのリールを購入したのは、私の師匠の菊地悦夫さんが、このリールをフリースのKatana 735と組み合わせて使用していたためで、私もKatana 735と組み合わせて使用していました。
 フリースの竿は、クラシックなリールからモダンなラージ・アーバーまで、幅広いタイプのリールが似合ってしまうのですが、このリールを始めとしてゴールドカラーのリールは、フリースの竿にとても良く合うと思います。
 私がゴールドカラーのリールを比較的多く所有しているのも、この理由からです。

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