2019年9月14日土曜日

Hardy The Featherweight(その2)


 フェザーウェイトの2回目は、年代の異なる2つのフェザーウェイトを紹介します。

 上の写真の左のラインの巻いていない方がおそらく1970年代前半のモデルで、右のラインの巻いてある方が、確か1993年に新品で購入した比較的新しいモデルです(以降の2つのリールを並べて撮影した写真はすべて左右をこの順番に並べています)。


 古い方のリールは、Patent No.刻印のない所謂ラージUシェイプと呼ばれるラインガードが装着されており、リールケースは青白のジップケースです。
 新しい方のリールは、スモールUシェイプと呼ばれるラインガードが装着されており、リールケースは青色ジップケースです。


 古い方のモデルは、1970年代なので当然社名はハーディー・ブラザーズ、新しい方はハウス・オブ・ハーディーです。


 この2つのリールは、一目見ただけで印象が随分と異なるのですが、その理由はスプールに開けられた穴の直径の違いです。同心円状に直径の異なる3種類の穴があけられていますが、一番外側と二番目の穴が数は同じですが、直径が異なり、古いリールの方が直径が大きくなっています。


 機能的には、どちらのリールもアジャスタブル・チェックと呼ばれる左右巻き手の変更が可能なクリック機構を用いている点は同じなのですが、問題はフットの厚みの違いです。ハーディー・ブラザーズ時代のフットは、ハウス・オブ・ハーディー時代のものに比べかなり薄くなっています。同じハウス・オブ・ハーディー時代のリールでも、写真の年代のフットは比較的薄いのですが、新しい年代のものは厚みが増しており、現在のハーディーのリールのフットは、かなり厚くなっているようです。

 ハウス・オブ・ハーディー時代までのフェザーウェイトは、英国製で鋳造で作られていましたが、その後韓国製(?)のバーストックからの削り出しとなり、スプールの本体側にも穴が空けられ、見た目の印象が大きく変わりました。スプールと本体、フレーム部との隙間も昔のものに比べると大きくなっているようです。
 話は脱線しますが、削り出しのリールの方が鋳造よりも精度が良くて高級というイメージをお持ちの方も多いと思いますが、そうとは限りません。この話はまた別の機会に書きたいと思います。


 フェザーウェイトのチェック(クリック機構)は板バネを使ったシンプルなものですが、バックラッシュしにくく、高い信頼性と耐久性があります。
 クリック音は、同じハーディーのマーキスに比べると小さくて上品です。

 私は、ディスクドラグやラージアーバーの最新のリールやクラシックな両軸のフライリールも使用してきましたが、結局最後に戻ってくるのは、フェザーウェイトです。それだけ完成されたリールと言えると思います。

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