2019年3月22日金曜日

Delaware Adams


 今回は、前回のヘンリービル・スペシャルの発展形ともいえるデラウェア・アダムスを紹介します。マーチ・ブラウン、ライト・ケイヒル、グレイ・フォックスなどのキャッツキル・パターンは、誰もがご存知だと思いますが、このフライを知っている方は、かなりのキャッツキル・パターン・フリークの方ではないでしょうか。

 デラウェア・アダムスは、キャッツキル地方の有名なフライ・タイヤ―であるウォルト・デット(Walt Dette)によって、ヘンリービル・スペシャルの改良版として、1970年代に開発されたそうです。ちなみにウォルト・デットの奥様のウィニー・デット(Winnie Dette)も有名なフライ・タイヤ―として知られています。


 このフライは、ヘンリービル・スペシャルのマラードクイルとウッド・ダックからなるダウン・ウィングが、アダムスと同じグリズリーのヘン・ハックル・ティップのアップライト・ウィングに変更されており、ヘンリービル・スペシャルの弱点であるウィングの耐久性が改善されています。また、水面に高く浮くため、視認性が良く、浮力も向上しています。
 実際のカディスには、このフライのようなテールはありませんが、これはフライの水面上での姿勢を安定させるためのと考えられます。

 人間の目には、ダウン・ウィングのヘンリービル・スペシャルの方がカディスっぽく見えますが、デラウェア・アダムスは、アップライトに取り付けられたウィングと、ボディ・ハックルとテールによって水面上に高く浮いている状態が、カディスがフラッタリングしている状態を良くイミテーションしていると思います。

 カディスのイミテーションとして優れたフライですが、浮力、視認性、耐久性が良いので、サーチング・フライとしても優れたフライだと思います。私はフックサイズ#14と#12を使用していますが、更に大きなサイズや小さなサイズがタイイングしやすいのも、このフライの優れた特徴の1つです。


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