2018年12月8日土曜日

Catskill Style Dry Flies(その1)


 今回から数回に分けて、私の好きなフライパターン、キャッツキル・スタイル・ドライ・フライについて書きたいと思います。

 キャッツキル・スタイル・ドライフライ(以下キャッツキル・スタイル)は、アメリカ東部のニューヨーク州キャッツキル地方で生まれた伝統的なフライパターンの総称です。その多くは、シャンクに垂直に巻かれたコックハックル、ハックルファイバーのテール、ウッドダックやマラードダックのフランクフェザーを束ねたバンチウィングを外観上の特徴としています。
 フライパターンとしては、ライトケイヒル、マーチブラウン、グレイフォックス、アダムス、クイルゴードン、バイビジブルなどが有名です。
 日本では、昔から雑誌やカタログでスタンダード・パターンと称されることが多かったため、今でもこのように呼ぶ人が多いですが、この表現は文字通り「標準的なフライパターン」となり、定義が非常にあいまいですので、このブログではキャッツキル・スタイルと呼ぶことにします。

 キャッツキル・スタイルのフライは、誰でも知っている有名なパターンばかりですが、昔からフライをやっている人でも、もう長い間巻いていない、使っていないという人がほとんどではないでしょうか。まして、最近フライを始めた人は、巻いたことも使ったこともないという人が多いと思います。

 多くの人が、キャッツキル・スタイルのフライは、回転してティペットが縮れる、見えにくい、ドラックがかかりやすい、沈みやすい、今時こんなフライでスレたヤマメやイワナは釣れない、というネガティブなイメージをもっていると思います。

 ところが、正しいプロポーションで巻かれたキャッツキル・スタイルのフライを、適切なタックルで使用すれば、ティペットは全く縮れませんし、良く見え、ドラックがかかりにくく、良く浮き、しかも極めて耐久性が高く、どんなシチュエーションでも通用するとは言いませんが、今でも十分に良く釣れるフライなのです。そして、これらのメリットが、私がこれらのフライが好きで多様する理由です。

 次回からキャッツキル・スタイル・ドライ・フライのメリット、タイイングの注意点、適切なタックルと使い方について、数回にわたり述べたいと思います。

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