2018年8月18日土曜日

SCOTT(その2)G804/3


 スコットの2回目は、G804/3、8フィート、4番、3ピースを紹介します。

 G804/3は元々ジャパン・スペシャルとして開発、発売されたものでしたが、その後標準ラインナップに加えられ、ジャパン・スペシャルの表記がなくなり、アメリカでも販売されるようになりました。
 この竿は、GシリーズがG2シリーズにモデルチェンジする直前のものです。


 ジャパン・スペシャルを名乗っていた頃は、リールシート金具がブラックのアルミのキャップ・アンド・リングでしたが、この竿はニッケルシルバーのものに変更になっています。

 私は、以前初期のジャパン・スペシャルのG803/3も所有しており、グリップの形状はこの竿と同じスコット特有のシガータイプでしたが、かなり太目のグリップが装着されており、好みではありませんでした。この竿は細めで握りやすい太さになっています。
 スコットのシガーグリップは、先細りストレートの非常にシンプルな形状ですが、なかなか良く考えられた形状で、特にインデックス・フィンガーグリップで握る場合に握りやすいと思います。


 この竿も、柔らかいティップに強靭なバットという、スコットの特有のアクションは他のGシリーズと共通ですが、もともとジャパン・スペシャルとして開発されただけあって、他のモデルに比べると全体に柔らかく、バット側まで深く曲がるアクションに設計されています。

 このG804/3とG803/3は、Gシリーズの中でも日本では名竿と言われており、人気が高かったのですが、実際に釣りに使ってみると、近距離のキャストを多用する日本の渓流では非常に使いやすく、低番手であってもアメリカの鱒を釣ることを想定した他のモデルとは異なり、日本の渓流魚の平均サイズに合わせたしなやかさを持っています。


 私は空気抵抗の大きな大き目のドライフライを多用するのと、よりキャスティング能力に優れる4番ラインが好きなので、G803/3よりもG804/3の方が好みですが、以前所有していたG803/3もG804/3と同じ特徴を持ち、日本の渓流で使用するのに最適な竿でした。

 スコットは、大手メーカーの中では、オービスと並んで好きなメーカーで、紹介した以外にも、グラスロッドも含めて何本も所有していたのですが、現在手元に残っているのは、前回紹介したG905/4とこの竿の2本だけです。
 Gシリーズは、その後G2シリーズ、新Gシリーズへとモデルチェンジし、より軽量で高性能になっているようですが、90年代の円高の頃は5万円以下で購入できたスコットGシリーズも今では10万円近く、もう少しお金を出せば国内ビルダーのバンブーロッドが変えるような値段になってしまったのは、残念です。

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