2018年7月7日土曜日

Mario Wojnicki(その1)225F4


 今回はマリオ・ウジニッキのバンブーロッド、225F4、7フィート5インチ、4番を紹介します。

 ウジニッキは5角のバンブーロッドで有名ですが、この竿は6角竿です。ウジニッキ曰く、氏の竿の中でもし古典的なバンブーロッドを1本選ぶとすれば、この竿とのことで、おそらくどんな人にも扱いやすい、繊細なドライフライアクションの竿です。
 テーパーを計測したわけではありませんが、キャスティングした感覚やベンディングカーブは、以前紹介した朝間ロッドのパーペキショニストに似ており、おそらくヤングのPerfectionistが元になっているのではないかと推測します。フリースのKatana704ほどではありませんが、4番ロッドとしてはティップは非常に繊細です。


 ウジニッキのバンブーロッドは、日本でも非常に人気が高いですが、実際に手にするとその理由が良く理解できます。アメリカのビルダー(実際はポーランド出身ですが・・・)としては、日本人のビルダーに匹敵するほど、作りが繊細かつ丁寧で、非常に美しい竿です。私はウジニッキのバンブーはこの竿しか知らないのですが、この竿は日本のヤマメやイワナを釣っても十分楽しい繊細さを持っています。


 ウジニッキの竿は、竿袋も非常によく考えられた使い勝手の良い独自の構造になっており、丁寧に作られています。私は自分で作った竿の竿袋を作るために、手元にある様々なビルダーやメーカーの竿の竿袋を片っ端から調べて、竿袋にも丁寧に作られたものから、そうでないものまで、いろいろあるのに初めて気が付きました。おそらくウジニッキ氏は自分で竿袋を縫っているのではないかと推察しているのですが、こんなところにも氏の人柄が表れているように思います。

 ウジニッキのバンブーロッドは中空構造なのですが、この竿は重量に関してはソリッドに比べ劇的に軽いとは言えないと思います。それよりも中空の効果は、反発力を上げることに効いていると思います。この長さのバンブーロッドとしては、比較的速いストロークにも竿が追従しますので、バンブーロッドに慣れていない人や、バンブーロッドでも速いロッドアクションを好む人にとっても、キャスティングしやすい竿だと思います。

 ウジニッキ氏は大変人気があるビルダーなので、この竿もオーダーしてから竿が届くまでに約5年かかりました。非常に使いやすい竿なので、もっと頻繁に活躍してくれるはずだったのですが、実は一度ブランクの接着が一部剥離するというトラブルを起こし、修理に出しているため、それ以来なんとなく怖くてほとんど渓流に持ち出していないのがなんとも残念です。


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