2018年4月7日土曜日

Bjarne Fries(その2)Katana 735


 ビヤーネ・フリースの第2回目は、オリジナルKatana3兄弟の長男、Katana 735、7フィート3インチ、5番です。

 この竿は私の釣りの師匠、北海道の菊地さんのシグニチャーモデルと言っても過言ではなく、私にとって菊地さんと言えばKatana 735、Katana 735と言えば菊地さんです。
 私が菊地さんに初めてお会いし、一緒に釣りをしたのは1997年の7月でしたが、道南のとある渓流で釣りを開始早々、菊地さんがKatana 735に7フィートそこそこののリーダー、ハックルを縦に巻いたキャッツキルスタイルの#12のフライを使い、大場所で25m近い遠投で27cmほどのヤマメをキャッチするのを目の当たりにし、度肝を抜かれたのを今でも鮮明に覚えています。

 この竿も前回紹介したKatana 704と同様に、近距離ではティップを使った正確なキャスティング、ラインが長くなるとバットを使って楽にロングキャストが可能な竿です。

 道南の渓流では、同じ河川の同じ区間で、新子ヤマメから時には40cm、50cmを超えるアメマス、ニジマス、ブラウントラウトまで釣れる可能性がありますし、小さな渓流でも、しばしば20mを超えるロングキャストが要求されるポイントに遭遇しますので、5番指定のこの竿がとても頼りになります。
 5番ロッドだと、本州の渓流ではオーバースペックではと思われる方も多いと思いますが、この竿は一般的な5番ロッドに比べてティップが繊細ですので、釣れる鱒のアベレージがせいぜい20cmほどの本州の渓流でも、意外と楽しめます。

 7フィート3インチという長さも絶妙で、5番のバンブーロッドの場合、7フィート6インチだと1日振り続けるには少し重いですし、7フィートだとちょっと短いですが、Katana 735はその贅肉をそぎ落としたテーパーデザインと相まって、1日中軽快に釣りを続けることができます。


 私がフリースにオーダーしたKatana 735は、ティップセクションとバットセクションが同じ長さですが、初期のモデルは、ティップセクションの長さがバットセクションよりも長い、ワン・アンド・ハーフです。ワン・アンド・ハーフの初期のKatana 735の方が、全体に張りがあり、僅かにファストアクションです。
 

 Katanaシリーズの低番手で長めの竿、例えば私の持っている竿ですと、Katana 763などは、極細の超繊細なティップを持ち、3番でこの長さの竹竿でこれほどシャープかつ繊細な竿ができるのかと驚かされる、Katanaシリーズのテーパーデザインの利点が良く表れた竿ですが、このKatana 735はKatanaシリーズの特徴が最も良く表現された、Katanaシリーズを代表する名竿だと思います。

 ヤマメ、アマゴ、イワナのドライフライの釣りで、最も実用的な竿は、前回紹介したKatana 704だと思いますが、北海道にお住まいの方など、しばしば大きな鱒が釣れる可能性があったり、ロングキャストを多用する方には、Katana 735をお勧めします。

 次回は、Katana3兄弟の末っ子、Katana 633をご紹介したいと思います。

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