今回はジャック・デニスの「ウェスタン・トラウト・フライ・タイイング・マニュアル」を紹介します。
この本は、フライ・パターン、フライ・タイイングの書籍として誰もが認める歴史的な名著です。発刊されたのは日本のフライフィッシングの聡明期である1974年で、当時私は未だ小学校に上がったばかりでしたので、この本の存在はおろかフライフィッシング自体知りませんでしたが、当時の日本のフライ・フィッシャーマンに大きな衝撃と影響を与えたようです。
この本で紹介されているフライ・パターンは64本で、うち32本がドライ・フライです。クイル・ウィングやバンチ・ウイングのオーソドックスなキャッツキル・スタイルのドライ・フライも掲載されていますが、当時の日本フライ・フィッシャーマンに大きな影響を与えたのは、「Special Hair Fly Section」と題した5章で紹介されている所謂ウェスタン・ドライフライ・パターンの数々です。
タイトルの通り、動物のヘアをウィングやボディ、テールに使った、ハンピー、ウルフ・パターン、イレジスティブル、ドライ・マドラーといった、今では誰もが知っている有名なフライですが、当時の日本では未だこれらのフライはほとんど知られていなかったようで、この本を通じてこれらのウェスタン・パターンが日本でポピュラーになったようです。
浮力の高いヘアをマテリアルに使用し、ハックルをびっしり巻いた浮力の高いウェスタン・フライは、日本の渓流にぴったりなので、ウェスタン・パターンは当時の日本で瞬く間に広まったようです。
私が持っている本は、1991年に発行されたセカンド・エディションです。私がフライ・フィッシングを始めたのは1980年代でしたので、既にウェスタン・パターンはポピュラーでしたが、この本を参考にハンピーやウルフ・パターンをよく巻きました。これらのフライは、今でも大好きなフライで、特にホワイト・ウルフを始めとするウルフ・パターンは、北海道の河川で釣りをするときに良く使っていました。
現在、日本の渓流でキャッツキル・パターンやウェスタン・パターンを使用している人は稀だと思いますが、キャッツキル・パターンがそうであるように、ウェスタン・パターンは今でも大変使いやすく有効なフライです。ただし、ロング・リーダー・ティペットには当然不向きですが・・・
0 件のコメント:
コメントを投稿