今回もつり人社から発行されたバンブーロッド関連の書籍、「ザ・ヒストリー・オブ・バンブーフライロッド」を紹介します。
この本は、筆者である錦織氏が過去のバンブーロッド関連の洋書を参考文献として、バンブーロッドの歴史をまとめたもので、つり人社の月刊「FlyFisher」に連載された記事に加筆修正したものです。
その内容は、人類が初めて釣り竿を用いたことが確認される最古の資料から始まり、六角構造のスプリット・ケーンを確立した1870年代のハイラム・レナードの登場から、ハーディ、ペイン、トーマス、エドワーズ、ギラム、ギャリソン、ペゾン、ヤング、オービス、パウエル、ウィンストンといったメーカーの歴史が、豊富なモノクロ写真とともに約350ページにわたって綴られています。歴史のあるロッド・メーカーが対象となっていますので、1990年代以降に登場したメーカー、ビルダーは、エドワーズの四角ロッドの章の最後にかろうじてペア・ブランディンとデイナ・グレイが名前だけ登場するだけです。
筆者の想像や所感は極力排除されており、豊富な引用文献に基づく史実が驚くほど詳細に記載されており、この1冊を読めば、1980年代までのバンブーロッドの歴史がほぼ全て分かるようになっています。各ページの下に記載されている注釈の数も半端なく多く、ロッドビルダー以外の登場する全ての人物についても解説されています。
おそらく、これだけ多くの資料を基にこれだけ詳しくバンブーロッドの歴史を1冊にまとめた本は、世界的に見ても過去に例がなく、今後これ以上の本は出てこないのではないかと思います。この内容で価格が2,800円というのは、流石つり人社だと思います。
ただ、この本は将に歴史の教科書のような内容で、ページ数も多いので、そういった本が苦手な方は、読み進めるのが大変かもしれません。例えば自分が興味のあるメーカー、例えばレナードならレナード、ヤングならヤングに関する章だけを読むのも良いと思いますし、それだけでも十分な満足感が得られると思います。
この本の発行は2013年ですが、今でも入手可能です。
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