私がこの本を入手したのは1991年ですが、その時点で既に18刷でしたので、日本のフライフィッシングの入門書としては異例の大ベスト・セラーだと思います。初版が1979年ですので、私よりも少し上の世代の方にはおなじみの本ではないでしょうか。
この本はシェリダン・アンダーソンの「CARTIS CREEK MANIFESTO(カーティス・クリーク宣言書)」を田渕義雄さんが翻訳した第1部と、田渕義雄さん著の「日本のカーティス・クリークのために」と題した第2部、「わがカーティス・クリークのほとりで」と題した第3部からなります。
第1部は、シェリダン・アンダーソンのユーモアにあふれたイラスト中心の初心者向けの入門書で、必要最小限の内容となっています。全くの初心者にとっては、一度に多くの情報を得ても理解できないので、このくらいの内容がちょうど良いのかもしれません。日本の釣りに合わない部分や、専門用語については、田渕さんが注釈を入れています。
第2部は、第1部で足りない部分を補う形で、日本の釣りに合わせたタックルからキャスティング、釣り方、フライ・タイイングまで、かなり詳しい入門書となっています。
第3部は田渕さんの釣行記です。
1979年に発刊された古い本ですので、その内容、特にタックルや釣り場に関する情報は、ノスタルジックなものになっていますが、基本的な技術については今でも十分通用する内容です。むしろ2000年以降にフライ・フィッシングを始めた方にとっては、フライ・フィッシングの基本を学びなおすのにちょうど良いのではないかと思います。
この本は現在品切れで入手できなくなっていますが、出版元の晶文社のウェブ・サイトには掲載されていますので、絶版にはなっていないようです。フライフィッシングの偉大な入門書として、今後も版を重ねて出版され続けるものと思います。
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