2020年12月5日土曜日

Hardy reproduction reels(その3)Brunswick Cascapedia 1/0 Trout Fly Reel

 


 今回はハーディの復刻版リールの中から、ブランズウィック・カスカペディアを紹介します。このリールは、カスカペディア4/0サーモンフライリールとともに2001年に発売されたもので、世界500台の限定販売でした。

 カスカペディアのオリジナルは1930年代に発売されたリールで、その外観から分かるように、当時サーモン・フィッシング用のリールとしてアメリカで人気のあった、エドワード・ヴァン・ホフ(Edward Vom Hoff)のサーモン・リールを参考に作られたものです。ハーディはこのような両軸受タイプのフライ・リールを、カスカペディア以外に後にも先にも製造していませんでしたので、ハーディの中では異色のモデルと言えます。

 1930年代に実際に販売されたカスカペディアは、サーモン用の大きなサイズのものだけでした。今回紹介するトラウト用の1/0サイズのブランズウィック・カスカペディアは、2台の試作品が作られただけで、販売されなかったそうです。


 ブランズウィック・カスカペディアのカタログスペックは、直径が2 7/8インチ(73mm)、重量が9.2オンス(262g)、ラインキャパシティがDT4 27yds+50mバッキング、WF5 27yds+50mバッキングでした。

 裏面にクリックの強さを調整するための大型のノブが装着されており、ノブの蓋を回転させると軸受けにオイルを注入できるようになっていました。
 ハードラバーのプレート、ステンレスのリムを始め、各パーツは素手で触れるのがはばかれるほどピカピカに磨き上げらており、付属品として白い綿の手袋が同梱されていました。


 このリールは予約時に巻き手方向を選べたので、私は左手巻きのモデルを予約購入しましたが、流石に重量が重すぎたため、やはり一度も使うことなく手放すことになりました。
 4/0サイズのサーモンリールの方は、ダブルハンドロッドと合わせて実際に使用している写真をウェブか雑誌で見た記憶がありますが、この1/0サイズの方は見たことがありません。現在このリールを所有しているユーザのほとんどは、釣りに使用することなくコレクションとして所有しているのではないかと推察します。

 前回紹介したボーグル同様に、カスカペディアも復刻版をきっかけに量産モデルであるカスカペディアMkⅡが2004年に発売され、数回のモデルチェンジを経て現在もカスカペディアの名前で販売されています。

6 件のコメント:

yugawaski さんのコメント...

いつも興味深く拝見させていただいています。
カスカペディアではなくブランズウィックというのが面白いですね。
カスカペディアにも1/0サイズがありますが、そちらはもっと大きいので、あえて小さいものにするためにこれにしたのかも…
ハンドルのクランクのカーブをもう少しS字状にしてほしかったと言うのはマニアックに過ぎますかね(笑)

Yoshiharu Utsumi さんのコメント...

コメントありがとうございます。
確かにこのリールのハンドルは、ヴァン・ホフやボグダンのS字ハンドルに比べると、エレガンスさに欠けますね。段付きの凝った仕上げではありますが・・・

匿名 さんのコメント...

コメント失礼致します。
こちらのblog、いつも楽しみに読ませていただいております。
唐突なお願いなのですが、こちらのカスカペディアのドラグ調整部のオイル投入部のフタの予備なんかありませんでしょうか?
もし、ありましたら、譲って頂けたら幸いと思いまして…。
私もこちらと同じカスカペディアを購入したのですが、この蓋の部分を紛失してしまい、メーカーからも取り寄せ出来ず悲観しております。
もし、予備があり、譲っても構わないのであれば、どうぞ宜しくお願い致します。

Yoshiharu Utsumi さんのコメント...
このコメントは投稿者によって削除されました。
Yoshiharu Utsumi さんのコメント...

コメントありがとうございます。
残念ながらご要望のオイル投入部の蓋の予備は所有しておりません。また、ブログ本文中にも書いたように、このリールは手放してしまいました。
よろしくお願いします。

匿名 さんのコメント...

今晩は。
ご丁寧に返信頂きありがとうございました。
諦めずに探してみます!