2018年11月10日土曜日

Ray Tune Target 521


 これまでお気に入りのフライロッドを紹介してきましたが、今回はその番外編ということで、ルアー用のバンブースピニングロッド、レイチューンのターゲット521、5フィート2インチを紹介します。

 私は本格的にフライフィッシングを始めて以降は、基本的にフライフィッシングオンリーで釣りをしてきましたが、7年ほど前から数年間、渓流のルアーフィッシングに熱くなっていた時期がありました。フライオンリーの人間がルアーをやってみると、新しい発見があったり、フライにはない楽しさがあったりして、ルアーにはルアーの面白さがあるのですが、それはまた別の機会に紹介したいと思います。

 渓流のルアーを始めて最初の頃は、現在主流となっているシンキングミノーの釣りに適したグラファイトロッドを使っていたのですが、渓流ルアーの中でも特にフローティングミノーを使った釣りが気に入ったこともあり、フローティングミノー用の竿ということで出会ったのが、このバンブーロッド、レイチューン ターゲット521です。


 レイチューンは香川在住のハンドメイドルアービルダー、上原徹也さんのブランドで、ハンドメイドバルサミノーや最近ではインジェクションのプラスチックミノーも販売されています。フローティングミノーの釣りが好きな上原さんが、軽量なバルサ製のフローティングミノーの釣りに適した竿を求めて完成したのが、このターゲット521です。竿の共同開発者であり作製は、原田竹竿の原田克己さんです。


 ターゲットには現在4種類のモデルがあり、この521は最初に開発されたモデルですが、ターゲットのラインナップの中で最もフローティングミノーに適した竿です。フローティングミノー専用といっても良いと思います。

 バンブーロッドは、素材の自重で竿が曲がるので、自重が軽く弾性率が高いグラファイトロッドに比べ軽量なフローティングミノーが投げやすいという特性を持ちます。
 ターゲット521は、ティップから順に曲がっていくプログレッシブ・ティップアクションにデザインされており、1.5g程度のバルサフローティングミノーでもキャスティングが容易になっています。シンキングミノーももちろん使用できますが、キャスティングやアクションを加えるのが快適に行えるのは、2.5gくらいまでだと思います。


 この竿の大きな特徴は、ワンピースであることです。ワンピースは持ち運びが不便というデメリットがありますが、フェルールがないため、非常にスムースなアクションで、キャスティングしてみると竿が曲がる際、復元する際にエネルギーの伝達に継ぎ目がなく、フェルールの着いた竿にはない独特のフィーリングがあります。

 軽量なフローティングミノーのキャスティングを最も重視したしなやかな竿のため、あまり大き鱒には向いていないように思いますが、尺ヤマメ、尺イワナには充分対応できるバットパワーは有しています。

 クラシックな雰囲気を持つバンブー素材の竿ですので、カーディナル3やミッチェル308などのクラシックリールにナイロンラインの組み合わせがマッチしているように思われるかもしれませんが、私はシマノの当時最新の超軽量リールにPEラインの組み合わせで使用しています。フェルールがないこと、リールシートに軽量なアルミを使用していることから、バンブーロッドとしては非常に軽量ですし、バンブーロッドはミノーにアクションをつけたり、フッキングややり取りの際に、ティップへの入力を竿自身が吸収しますので、伸びの少ないPEラインが向いているように思います。

 持ち運びは確かに不便ですが、私の好きなフローティングミノーの釣りで非常に軽快な釣りができますので、この竿は何本か所有している渓流スピニングロッドの中でも特に気に入っている竿です。

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