2018年10月20日土曜日

Bjarne Fries(その7)The Antigravity #5


 今回はビヤーネ・フリースのバンブーロッド、アンチグラビティ#5、8フィート6インチを紹介します。

 アンチグラビティは、8フィート6インチの長さは共通で、2、3番から6,7番までのライン番手の異なる複数のモデルがあり、今回紹介するアンチグラビティ#5だけが、短番手指定で、他のモデルは2番手指定となっていました。


 バンブーロッドは、その素材の特性上、長くてバランスの良い竿を作製するのが極めて難しいのですが、フリースはこのアンチグラビティシリーズにおいて、テーパーデザインを工夫することにより、この問題をかなり解決しています。
 今回紹介した竿は3ピースなので、その特徴が分かりやすいのですが、アンチグラビティは、スローテーパーのティップセクション、ファストテーパーのミドル、バットセクションからなり、ミドル、バットセクションはバットに近づくほどテーパーがきつくなっています。これにより、竿の持ち重りをかなり軽減することに成功してします。


 テーパーや竿を素振りした印象では、ロッドスピードが速いように感じるのですが、実際にキャスティングしてみると、イメージよりも竿をゆっくり振った方が良いループができ、楽に遠投ができます。

 この竿は、Katana 736と同様に、全体のテーパーバランスにやや難があるようで、竿に合わせて少しキャスティングを修正してやらないと、テーリングが発生しやすく感じます。アンチグラビティの#5、6の2ピースモデルでは、意識しないでキャスティングしてもテーリングが発生しませんので、これは#5、3ピースモデル特有の問題のようです。


 この竿は、最初メタルフェルール仕様で注文したのですが、フリースの強い勧めでフリースが発明した六角バンブーフェルール(FIBHフェルール)仕様となっています。フリースのバンブーフェルールは、メスフェルールがかなり肉厚になっていますので、朝間さんの同タイプのフェルールや、北岡さんの竹フェルールに比べると、軽量化、フェルールの柔軟性というメリットは、あまりないように思います。

 この竿は、シルバークリークかヘンリーズフォークでの釣りを夢見て、16年前にオーダーしたものですが、その夢は未だ果たせず、もっぱら止水の管理釣り場のみでの使用となっています。
 私も若い頃のような海外釣行の気力がすっかり衰えてしまったので、その夢は果たせぬままになってしまいそうです。

3 件のコメント:

手塚一佳 さんのコメント...

初めて書き込みます。私は六角竿の研究をしている手塚一佳と申します。
ビヤーネフリースさんのロッドについて竹フェルール部分に「厚みがある」とのことをこちらで知りました。
実際にはどのくらいの厚さなのでしょうか?
軽い印象があった竿なのでなんとも意外です。
ぶしつけなお願いで恐縮ですが、もし可能なら、お手隙の際に厚みをノギスで測ってお知らせ頂けましたら幸いです。

Yoshiharu Utsumi さんのコメント...

手塚さん

コメントありがとうございます。残念ながら竹フェルール仕様のAntigravityは手放してしまいましたので、手元になくフェルールの厚みを測定することはできません。私の印象ではバットとミドルを繋ぐミドルのメスフェルールで厚みが2mmくらいあったと思います。

手塚一佳 さんのコメント...

すばやいお返事ありがとうございます。
手放されたのですね、残念です。
それにしてもやはり皆さん2ミリは厚みがある、とか外径からオス側を引いたら4ミリあったとか仰いますよね。
実物が触れれば一番なのですが、竿は耐久消耗品だけに、あまりもう残ってない感じです。
あれだけ話題になった竿でも、やはり個人の手作り品の面白さ、希少性があるのだなあと変なところで感心しています。