2019年6月15日土曜日

Vermont Caddis


 今回は、カディス・パターンの中でも殆どの方がご存知ないと思われるバーモント・カディスを紹介します。

 このフライは、ご覧のとおりハーズ・イアーのボディにブラウンとグリズリーのハックルを巻いただけの、極めてシンプルなフライです。カディス・パターンはたいていの場合、トビケラの特徴であるテント状のウィングを模したダウン・ウィングが取り付けられていますが、このフライにはそれがありません。しかし、このフライは縦に長めに密にハックリングされたハックルと、ハーズ・イアーのシャギーなボディが、一目見た時にいかにもカディスらしい印象を与えています。
 私は、このフライをネット上でたまたま見つけたのですが、写真を見た瞬間に軽い衝撃を受けるとともに、このフライは釣れると確信しました。


 ダウン・ウィングが取り付けられたカディス・パターンは、我々が良く目にするトビケラが岩や木の葉にとまって羽を閉じた状態を表現していますが、このフライは飛行中や水面上でフラッタリングしている羽を広げた状態を表していると思います。実際に飛行中のトビケラは、このフライとそっくりなシルエットをしています。

 ネットで検索しても、このフライに関する情報は少ないのですが、フラッタリングさせて使う釣り方が紹介されていました。まだ試していませんが、下半分のハックルをカットして、スペント・パターンとして使用しても効果的ではないかと思います。

 タイイングのポイントは、ハックルを巻く範囲をシャンクの半分以上に長くとり、長めのファイバーを密にびっしり巻くことです。私はハックルを3枚巻いています。

 地味な色調ですが、水面に高く浮くのと、ブラウンとグリズリーのハックルの組み合わせは、意外と良く見えます。ハーズ・イアーのボディは、ドライフライ用のダビング材に比べて水を吸いやすいので、浮力の持続性は若干劣りますが、実際に使ってみるとそれほど気になりません。
 顆粒状のフロータントを使用し、しばらく使ってすこしフライがくたびれてきた方が、よりカディスっぽく見えます。

 カディスが沢山飛んでいる時はもちろんですが、耐久性のあるフライなので、鱒の活性が高く、良く釣れていてフライを交換するのが面倒な時に使用するのにも適しています。


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