2019年5月4日土曜日

TITE LINE DRY-FLY


 今回は私が使用しているフロータントを紹介します。タイトライン社のドライ・フライです。

 このフロータントを使用するまでは、私もご多分に漏れず、ティムコのシマザキ・ドライシェイクを使用していました。しかし、私の釣りの師匠である北海道の菊地さんにこのフロータントを教えてもらってからは、かれこれ20年以上これを使い続けています。

 このフロータントは顆粒状のフロータントで、ドライシェイクと同じくフライを乾燥させるためのシリカゲルと撥水性の成分から構成されているようです。ドライシェイクはシリカゲルとフッ素系と思われる撥水性の粉末が粒子のサイズの違いで明確に判別できますが、ドライ・フライは区別がつきません。

 ドライ・フライも最近はドライシェイクのように、フライをボトルの中に入れて蓋をしめ、ボトルをシェイクして使うタイプの容器でも販売されていますが、私は、もともとの使い方である、手のひらに乗せたフライに粉末をふりかけ、反対の手の指でフライに粉末を揉みこむ使い方をしています。
 処理を終えて手の平に残った粉末は、捨てることになりますが、ごく少量の粉末で十分な撥水性をフライに与えることができます。フロータント処理の度に新しい粉末を使用すること、フロータントを指で揉みこむことに加え、シリカゲルの成分が多いようで、フライを乾燥させる能力もドライ・シェイクに比べて優れています。

 昔、同じようなタイプのフロータントに、シーデル800というものがありましたが、ドライ・フライはシーデル800の会社の社長の息子が作ったと、以前何かで読んだ記憶があります。

 以前菊地さんのお宅で、ドライシェイクを始め様々なフロータントを施したフライをコップの水の中に強制的に沈めるテストを行い、浮力を比較したことがありますが、このドライ・フライがもっとも撥水性が強く、浮力の持続性も優れていました。


 このようにフライを乾かす、浮かせるといった性能面では非常に優秀なフロータントですが、欠点は手にフロータントが着くので、グリップが白く汚れてしまうのと、川の水で洗ったくらいでは手についたフロータントが完全にとれないので、釣りの帰りに車を運転する際に、ハンドルにごくわずかですがフロータントが付着することです。

 使用方法ですが、私はフライを交換したときは、まずペースト状のフロータント(C&Fデザインのパワーフロート)をフライに塗り込んだのちに、ドライ・フライを揉みこんでいます。ペースト状のフロータントは、リーダー、ティペットにも塗っておきます。ペースト状のフロータントを先に塗っておくのは、ドライ・フライが取れてしまった時の保険ようなもので、他のフロータントでも液体フロータントでも良いと思います。
 釣りをしていると、フライの浮力が落ちてきますので、フォルス・キャストで水を切り、残った水分をクロスに吸収させて取り除いたのち、ドライ・フライを揉みこみます。鱒を釣るとフライが完全に濡れてしまいますので、フライの水分除去を念入りに行ってから、ドライ・フライを揉みこみます。


 ドライ・フライは昔は写真のような小さな容器で売られており、この容器はフロータントを少量ずつ取り出せて便利だったのですが、最近は詰め替え用の大きな容器とドライシェイクタイプの2種類が販売されています。私は詰め替え用の大きな容器のものを購入して、昔の容器に詰め替えて使用しています。新たにこのフロータントを試してみたいと思った方は、百均に行けば、旅行用に化粧品やシャンプーなどを小分けで持っていくための、似たような容器を入手することができますので、これに詰め替えて使用することをお勧めします。

 フロータント処理の方法上、局所的にフロータント処理を施すことはできませんが、私はキャッツキル・パターンやエルク・ヘア・カディスなど、水面に高く浮くフライを好んで使用しますので、そのようなフライ・パターンには、非常に効果的なフロータントです。

2 件のコメント:

Flyfreak さんのコメント...

いつも興味深く拝見させていただいております。この製品はアマゾンでは取り扱い無いようですが、今現在何処で入手可能でしょうか?、

Yoshiharu Utsumi さんのコメント...

Flyfreak様
コメントありがとうございます。タイトライン、ドライフライは、栃木のサーフェイス・アウトフィッターズさん、群馬のアングラーズ・パラダイスさんが取り扱っておられますが、現在は在庫切れのようです。どちらかのお店にお願いすれば、取り寄せてもらえると思いますので、ご連絡されてはいかがでしょうか。