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2018年6月17日日曜日

朝間ロッド(その3)7'3" #3/4


 今回は、朝間ロッド7フィート3インチ、3、4番をご紹介します。
 この竿は、これまでご紹介した2本の竿とは異なり、オーダーメイドではありません。朝間さんは、オーダーメイドで作製するものとは別に、プロトタイプの竿などを年に数回、自身のウェブサイトで販売されているのですが、この竿はスペック、コスメが私の理想とするものにドンピシャだったので、おもわずライズしてしまったものです。


 この竿はトンキンソリッドですが、当時朝間さんが新たにテストされていたカーボンフェルールが使用されており、2.5ozと非常に軽量です。また、朝間さんの説明では、パラボリックアクションとなっています。


 さて、カーボンフェルールの効果ですが、実際に使用するとメタルフェルールやバンブーフェルールと比べて、これでないといけないと言えるほど明確な差があるわけではありません。しかし、軽量であることフェルール自身に柔軟性があることについては、確かにメリットがあり、キャスティングしてみるとワンピースの竿のような独特のフィーリングがあります。
 前回ご紹介したパーペキショニストも、十分軽量な竿なのですが、パーペキショニストから持ち替えると、この竿の軽さを明確に感じとることができ、とにかく1日中釣りを続けても本当に楽ちんです。


 この竿はパラボリックアクションとなっていますが、いきなりバットから深く曲がるわけではなく、ティップは繊細でラインの負荷に応じて曲がりの起点が変化するプログレッシブアクションですので、近距離から遠距離まで少ない力できれいなループを作ることができます。
 私は、近距離でも少ない力で竿が曲がってくれた方が良いので、この竿をWFの4番で使用していますが、おそらくDT3番でも全く問題なく使用できると思います。
 この竿の唯一不満な点としては、グリップが細すぎることくらいでしょうか。


 7フィート3インチという長さは、以前フリースのKatana 735のところでも書きましたが、バンブーロッドでは非常に使いやすい絶妙な長さで、しかも私が最も多用する4番ラインですので、どんな渓でも1本の竿で通そうと思うと、この竿は今の私にとっては、極めて理想に近い竿と言えます。

2018年6月10日日曜日

朝間ロッド(その2)7 1/2' #4


 前回ご紹介したT694には、同時期に作製された兄弟竿とも言える竿があり、それはAlckemy Tackleの川嵜さんがオーダーしたものでした。その竿はポール・ヤングの名竿、パーフェクショニスト、7フィート6インチ、5番を、日本の渓流に合わせて4番ライン用にパワーダウンしたもので、あまりの出来の良さにオリジナルの名前をもじって、「パーペキショニスト」と名付けられていました。
 ある日、川嵜さんと一緒に釣りをした際、パーペキショニストを短時間使わせていただき、すっかり気に入って同じものをオーダーして出来上がったのが、今回ご紹介する竿です。

 オリジナルのパーペキショニストには、何年間も寝かせた良質なトンキンケーンが使用されていましたが、この竿をオーダーした時、朝間さんは良質なトンキンの入手に苦労されており、同じテーパーでは同じアクションが再現できず、かなり試行錯誤されたようです。


 私はヤングのパーフェクショニストを振ったことがないのですが、この竿を使ってみると、パーフェクショニストが名竿と呼ばれる理由が理解できます。
 極限まで贅肉がそぎ落とされたテーパーにより、7フィート6インチという長さにも関わらず、持ち重りはなく非常に軽量で、シャープなアクションです。繊細なティップと太目のミドルは、近距離でティップだけを使った正確なキャストを可能にしており、細身のバットは見た目からは想像できないパワーを持ち、楽々と遠投が可能です。

 私が良く通う中国山地の渓流は、両岸から張り出した木々が上空を覆っている小規模な川が多く、7フィート以下の竿が使いやすいのですが、開けた渓流で釣りをするのであれば、この竿は正にパーフェクトで、至近距離から遠距離まで自由にラインをコントロールすることが可能です。


 朝間さんは様々なタイプの竹フェルールを作製されていますが、この竿にはフリースのFIBHと同じ構造のフェルールが用いられています。朝間さんのFIBHタイプのフェルールは、フリースのものと比べ雌フェルールが肉薄ですっきりとした仕上がりになっています。


 7フィート6インチ、4番のこの竿と、前回ご紹介した6フィート9インチ、4番の2本あれば、私が釣りに行く渓流のほとんどがカバーできてしまうのですが、この竿を入手後も、理想の竿を追い求める果てしなき旅は、まだ続くことになります。



2018年6月2日土曜日

朝間ロッド(その1)T694


 ボブ・サマーズからの流れで、北海道のビルダー朝間さんの竿を今回から数回に渡り紹介したいと思います。

 朝間ロッドの存在を知ったのは、2007年に渡渉舎から出版された「バンブーロッドのいま」でした。ヤングの竿に影響を受けたとの記述を読んで興味を持ち、朝間さんのブログを探し当て、すべての投稿を遡って読んだ結果、朝間さんが私が釣りに行くのと同じような渓で同じような釣り方をされていること、理想とする竿が私の好みに近いことを知りました。
 そして、私がどんな釣り場でどんな釣りをするのか、竿に求める性能、好みのアクション、作ってほしい竿のスペックを詳細に記述したメールを送り、完成したのが6フィート9インチ、4番のこの竿です。


 朝間さんは、トンキン以外にも真竹の竿も作られており、中空ロッドや、竹フェルールを始めとするさまざまなフェルールも作製されていますが、この竿は一番オーソドックスな、トンキン素材、メタルフェルールのソリッドロッドです。
 朝間さんはこの竿を「イワナ用のセミ・パラボリックアクション」と称されていましたが、サマーズ、ヤング同様の「Modified parabolic action」と呼んで差し支えないと思います。この竿は、朝間さんが函館近郊の渓流でイワナを釣るために設計された竿なので、サマーズのミッジ以上に日本の渓流で日本の鱒を釣るのに最適な竿になっています。
 ティップはサマーズのミッジよりも繊細で、至近距離で正確なキャスティングが可能です。6フィート9インチという長さは、頭上が開けていない狭い渓流で扱いやすく、かつ短すぎない絶妙な長さだと思います。


 朝間さんは、いろいろなコスメの竿を作っていますが、この竿は朝間さん自身が一番好きな、ヤングを意識したシンプルなタイプのもので、私の好みのコスメでもあります。ブランクは拭き塗りで、ガイドラッピングは初代ヤングの竿のように非常に狭い幅で巻かれています。サマーズの竿と違って、ブランクは真っすぐで、削りの精度も高いと思います。

 日本のビルダーの竿の中には、火入れが弱く曲がりが出やすいものがしばしば見られますが、私が所有している朝間さんの竿は、どの竿も適切に火入れされており、長く使っても全く曲がりが出ていません。ちなみに、フレームフィニッシュの竿は曲がりが出にくいように思われますが、どうもそうではないようで、火入れの温度や時間も影響しているようです。

 朝間さんの竿は大きく分けると、トンキンを使ったヤングの影響を強く受けたオーソドックスな竿と、真竹を使った中空ロッドに代表される斬新なアクションの竿の2つに分類されると思います。真竹の中空ロッドは、非常に軽くて、真竹のしなやかさはそのままに、まるでグラファイトのようなロッドスピードの速い竿です。

 朝間ロッドの最大の特徴は、朝間さんの長年の釣りの経験に基づいた優れた実用性だと思います。また、朝間さん自身、非常に研究熱心であるとともに、自分が納得のいかない竿は決して販売しない方なので、非常に良心的で信頼できるビルダーだと思います。